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「長編(完結)」
目覚めたテヨン

目覚めたテヨン 5

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「僕の身代わり」は、当時は常務だったピョ社長に会社のことを託し、祖母の恨みを晴らすと約束した。
そして、祖母の事件を調べ上げ、証拠を見つけ、テム従兄さんと、ホン・セナ秘書に突き付けた。
彼は、2人に、自ら罪を償うことを求めたが、従兄さんは従おうとしなかった。
それどころか、彼を殺してしまおうと画策した。
それに気付いたパク・ハさんが彼を救おうとして、自身が身代わりとなってテム従兄さんの車に撥ねられてしまった。

そこまで聞いて、僕は、全身の血が逆流するかのように感じ、わなわなと震えていた。

テム従兄さんを、心から憎いと思った。

テム従兄さんが、NYで僕を見殺しにしたと聞いた時も、祖母を死に至らしめたと聞いた時も、遺産を狙っていたと聞いても・・・確かに、憤った。悲しかった。ショックだった。だけど、憎いとは思わなかった。

彼女が殺されかけたと聞いた、今、僕は怒りと憎しみで震えている。
社長は僕の様子を見て、少し苦しげな表情をしたが、そのまま話を続けた。

「パク・ハさんは、肝臓を激しく損傷していたんだ。早急に肝移植を必要としていた。」

そして、身代わりの彼は、ホン・セナ秘書を、肝移植のドナーになるよう説得した。
テム従兄さんは、あろうことかパク・ハさんをネタに彼をゆすり、株も財産も巻き上げ、更にはホン秘書を連れて海外逃亡を謀ろうとしていた。
ホン秘書の機転でテム従兄さんの海外逃亡は失敗し、パク・ハさんの移植手術も無事に行われた。
妹の回復を確認すると、ホン秘書は、総ての証拠を持って警察に出頭した。

「ホン秘書に償いをさせるため説得した、と思っていたんだが・・・実の姉妹なら、これほどふさわしいドナーはいないからな。」

社長は、目をつむって長い溜息を吐く。

しばらくして、静かに目を開くとじっと僕を見た。

「・・・テヨン。お前・・・パク・ハさんに会ってみないか?」

思わず、社長を凝視した。

「そんな顔をするな。お前が会社に入ったころから、ずっと考えていたことだ。」

「・・・彼女のことは忘れていたって・・・。」

「忘れられるわけがないだろう。彼女だって恩人だからな。・・・ただ、時を計っていたんだよ。」

お前はパク・ハさんに会うべきだ。

社長の声が、耳の奥で響いた。
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