「短編集」
読みきり
君しか見えない 後編
こちらは"後編"としてありますが、これだけ読んでも意味が通じるとは思います。
("前篇"はパスワードがかかっています。こちら→君しか見えない 前篇)
(パスワード申請の仕方はこちら→パスワード申請の仕方)
__________
パク・ハがリビングを掃除していた時、テーブルの上にテヨンのメガネを見つけた。
「やだ。テヨンさん、忘れちゃったのね。・・・大丈夫かしら・・・。」
ああ、予備のメガネぐらい持ってるわよね。
テーブルを拭こうと、メガネを手に取り新聞と一緒に脇に避けた。
ん?
テヨンのメガネ越しに見える新聞の文字が、変化しない。
パク・ハはテーブルに新聞を広げた。テヨンのメガネを取ると新聞の上にかざして見る。
メガネのレンズを新聞に近づけたり遠ざけたりしながら、活字を凝視した。
レンズ越しに見える活字は、ただのガラス板を通してでもいるように、どの位置から見てもその大きさが変化することはなかった。
伊達メガネ?!
テヨンは、眼が悪いから、と灯りを点けたままパク・ハを抱きたがった。
見えていない、と言いながらパク・ハの全身に視線を彷徨わせた。
今までの情事の様子が彼女の脳裏を掠める。思わず赤面するような場面の数々・・・。
全部、見えてたのね?!
「ただいま。」
テヨンが帰宅しリビングに入ってきた。
「お帰りなさい。テヨンさん。」
パク・ハは満面の笑みでテヨンを迎えた。
「なんか、機嫌がいいね。にこにこして、いいこと、あった?」
「ええ。テヨンさん、早く座って。」
テヨンがソファに腰を下ろすのを確認すると、パク・ハもいつもの位置に座った。
「テヨンさん。・・・これ。」
パク・ハがテヨンのメガネを差し出した。
「あ、ああ、どこにあったの?・・・探してたんだ。」
「リビングのテーブルの上。今日、困ったでしょ?」
「う、うん。そうなんだ。そっちのが使い慣れてて・・・。」
テヨンの背中を冷汗が伝う。
パク・ハの手からメガネを取り返そうと、テヨンが手を伸ばした時、彼女は反対側の手にメガネを持ち替えて、彼から遠ざけた。
パク・ハ自身がそのメガネをかけて、にっこりと微笑む。
「パ、パッカ。よく似合ってるネ。・・・うん、メガネ美人だな・・・はははは。」
「ありがとう。大きめの黒縁メガネって、私、好きだわ。」
パク・ハがメガネ越しにテヨンを睨みつける。
テヨンさん。
・・・はい。
どうして?
え?・・・何が?
これ、伊達メガネよね?
・・・はい。そうです。
どうして、眼の悪い振りをしてたの?
(そんなの、言わなくても分かるだろ?・・・見たかったからじゃないか。)
NYで・・・。
NYで?
(メガネをかけたら女の子にモテたんだ。)
メガネが似合うって言われて・・・パッカも気に入ってくれるかなって。・・・それに・・・。
それに?
「君の総べて!全部!何もかも!隅から隅まで見たかったからに決まってるだろ!」
テヨンは真っ赤になりながら叫んだ。
「眼が悪いから見えてないって言えば、君も気を許すと思って・・・。」
事実、テヨンが視界がぼやけて見えてないと言うから、多少明るい場所でもテヨンの求めに応じていたパク・ハだった。
しかし、全部、はっきり見えていたと言うのなら、あまりにも恥ずかしいではないか!
「テヨンさん。酷いわ。・・・だからって、嘘吐くなんて。・・・嘘吐きはお仕置きだよ、とか言ってたくせに。」
テヨンのそのセリフの後の行為を思い出して、彼女も赤面した。
「パッカ、お仕置き、好きじゃないか。」
「な、なんで?そんなことないわよ!」
テヨンがパク・ハの手を引いて、自分の胸に彼女の顔を埋めさせた。
「ごめん、パッカ。君だから見たいんだよ。君しか見えてないんだ。」
パク・ハをきつく抱きしめる。
彼女は苦しいほどに抱きしめられて、息をするために顔を上に向けた。
テヨンはパク・ハのかけている伊達メガネに手をかけると、すっと外した。
そして、そのままパク・ハに唇を重ねる。
ねっとりとしたキスだった。
「パッカ、怒ってる?」
「もう、いいわよ。」
またテヨンの唇が近づいてきて、パク・ハも目を閉じた。
テヨンがパク・ハの唇を食む。
首筋に唇を移動させて、耳元で囁いた。
「パッカ、許して。」
「もう・・・いいわ・・・」
あ・・・ふぅん・・・
テヨンの唇が、パク・ハの喉元を這う。
「気持ち好くしてあげるから、機嫌、直して。」
「・・・もう・・・怒って・・・ない、わ。」
テヨンはパク・ハをソファに組み敷いた。
「テヨンさん、・・・灯りを消して・・・。」
「パッカ。このまま、いいだろ?じっくり見せてよ。・・・その方が、気持ち好くなるよ。」
そんな・・・あん・・・や、あぁぁ。
灯りの点いたリビングで、テヨンはパク・ハの全身をじっくりと愛でた。
______________
こちらは、真***さんからアイデアを頂いたものです。
真***さん、ありがとうございます。
なんか、小咄みたいになってしまって、すみません。
そして、以前からリクエストを頂いている読者様にもお詫びいたします。
書きやすいものから書くということをしてしまっている私の怠慢です。
忘れてるわけではないので、寛大なお心でお待ちいただけると、ありがたいです。はい。
("前篇"はパスワードがかかっています。こちら→君しか見えない 前篇)
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パク・ハがリビングを掃除していた時、テーブルの上にテヨンのメガネを見つけた。
「やだ。テヨンさん、忘れちゃったのね。・・・大丈夫かしら・・・。」
ああ、予備のメガネぐらい持ってるわよね。
テーブルを拭こうと、メガネを手に取り新聞と一緒に脇に避けた。
ん?
テヨンのメガネ越しに見える新聞の文字が、変化しない。
パク・ハはテーブルに新聞を広げた。テヨンのメガネを取ると新聞の上にかざして見る。
メガネのレンズを新聞に近づけたり遠ざけたりしながら、活字を凝視した。
レンズ越しに見える活字は、ただのガラス板を通してでもいるように、どの位置から見てもその大きさが変化することはなかった。
伊達メガネ?!
テヨンは、眼が悪いから、と灯りを点けたままパク・ハを抱きたがった。
見えていない、と言いながらパク・ハの全身に視線を彷徨わせた。
今までの情事の様子が彼女の脳裏を掠める。思わず赤面するような場面の数々・・・。
全部、見えてたのね?!
「ただいま。」
テヨンが帰宅しリビングに入ってきた。
「お帰りなさい。テヨンさん。」
パク・ハは満面の笑みでテヨンを迎えた。
「なんか、機嫌がいいね。にこにこして、いいこと、あった?」
「ええ。テヨンさん、早く座って。」
テヨンがソファに腰を下ろすのを確認すると、パク・ハもいつもの位置に座った。
「テヨンさん。・・・これ。」
パク・ハがテヨンのメガネを差し出した。
「あ、ああ、どこにあったの?・・・探してたんだ。」
「リビングのテーブルの上。今日、困ったでしょ?」
「う、うん。そうなんだ。そっちのが使い慣れてて・・・。」
テヨンの背中を冷汗が伝う。
パク・ハの手からメガネを取り返そうと、テヨンが手を伸ばした時、彼女は反対側の手にメガネを持ち替えて、彼から遠ざけた。
パク・ハ自身がそのメガネをかけて、にっこりと微笑む。
「パ、パッカ。よく似合ってるネ。・・・うん、メガネ美人だな・・・はははは。」
「ありがとう。大きめの黒縁メガネって、私、好きだわ。」
パク・ハがメガネ越しにテヨンを睨みつける。
テヨンさん。
・・・はい。
どうして?
え?・・・何が?
これ、伊達メガネよね?
・・・はい。そうです。
どうして、眼の悪い振りをしてたの?
(そんなの、言わなくても分かるだろ?・・・見たかったからじゃないか。)
NYで・・・。
NYで?
(メガネをかけたら女の子にモテたんだ。)
メガネが似合うって言われて・・・パッカも気に入ってくれるかなって。・・・それに・・・。
それに?
「君の総べて!全部!何もかも!隅から隅まで見たかったからに決まってるだろ!」
テヨンは真っ赤になりながら叫んだ。
「眼が悪いから見えてないって言えば、君も気を許すと思って・・・。」
事実、テヨンが視界がぼやけて見えてないと言うから、多少明るい場所でもテヨンの求めに応じていたパク・ハだった。
しかし、全部、はっきり見えていたと言うのなら、あまりにも恥ずかしいではないか!
「テヨンさん。酷いわ。・・・だからって、嘘吐くなんて。・・・嘘吐きはお仕置きだよ、とか言ってたくせに。」
テヨンのそのセリフの後の行為を思い出して、彼女も赤面した。
「パッカ、お仕置き、好きじゃないか。」
「な、なんで?そんなことないわよ!」
テヨンがパク・ハの手を引いて、自分の胸に彼女の顔を埋めさせた。
「ごめん、パッカ。君だから見たいんだよ。君しか見えてないんだ。」
パク・ハをきつく抱きしめる。
彼女は苦しいほどに抱きしめられて、息をするために顔を上に向けた。
テヨンはパク・ハのかけている伊達メガネに手をかけると、すっと外した。
そして、そのままパク・ハに唇を重ねる。
ねっとりとしたキスだった。
「パッカ、怒ってる?」
「もう、いいわよ。」
またテヨンの唇が近づいてきて、パク・ハも目を閉じた。
テヨンがパク・ハの唇を食む。
首筋に唇を移動させて、耳元で囁いた。
「パッカ、許して。」
「もう・・・いいわ・・・」
あ・・・ふぅん・・・
テヨンの唇が、パク・ハの喉元を這う。
「気持ち好くしてあげるから、機嫌、直して。」
「・・・もう・・・怒って・・・ない、わ。」
テヨンはパク・ハをソファに組み敷いた。
「テヨンさん、・・・灯りを消して・・・。」
「パッカ。このまま、いいだろ?じっくり見せてよ。・・・その方が、気持ち好くなるよ。」
そんな・・・あん・・・や、あぁぁ。
灯りの点いたリビングで、テヨンはパク・ハの全身をじっくりと愛でた。
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こちらは、真***さんからアイデアを頂いたものです。
真***さん、ありがとうございます。
なんか、小咄みたいになってしまって、すみません。

そして、以前からリクエストを頂いている読者様にもお詫びいたします。

書きやすいものから書くということをしてしまっている私の怠慢です。
忘れてるわけではないので、寛大なお心でお待ちいただけると、ありがたいです。はい。

~ Comment ~
Re: NoTitle F****様へ
F****様
記事ごとにありがとうございます。<m(__)m>
Sなテヨンも、かわいいテヨンも、実はパク・ハのお気に入り?
(いや、私のお気に入りなんですよね。多分。)
パク・ハはきっとテヨンのことを「意地悪でずるい」と思っているに違いありません。w
仕方ないです。年下のお坊ちゃんですから。w
記事ごとにありがとうございます。<m(__)m>
Sなテヨンも、かわいいテヨンも、実はパク・ハのお気に入り?
(いや、私のお気に入りなんですよね。多分。)
パク・ハはきっとテヨンのことを「意地悪でずるい」と思っているに違いありません。w
仕方ないです。年下のお坊ちゃんですから。w
Re: やはり ほ**様へ
ほ**様
わざとメガネを置いていたとしたら、テヨン、パッカは絶対許してくれると確信してたんですね。
この後、絵のモデルにしてやれ、と思ったかもしれません。
堂々と明るいところで見れますから。w
ま、パク・ハの方もすでに見られることを受け入れちゃってますけども。w
わざとメガネを置いていたとしたら、テヨン、パッカは絶対許してくれると確信してたんですね。
この後、絵のモデルにしてやれ、と思ったかもしれません。
堂々と明るいところで見れますから。w
ま、パク・ハの方もすでに見られることを受け入れちゃってますけども。w
Re: パスありがとうございました! う***様へ
う***様
こちらこそ、ありがとうございます。
ちょうど、前のコメを頂いていた時に後編を書いてまして、こんな雰囲気のことよね、とは思ったんです。w
楽しんで頂けて良かったです。
これからもヨロシクお願いいたします。
こちらこそ、ありがとうございます。
ちょうど、前のコメを頂いていた時に後編を書いてまして、こんな雰囲気のことよね、とは思ったんです。w
楽しんで頂けて良かったです。
これからもヨロシクお願いいたします。
Re: NoTitle ね***様へ
ね***様
こちらこそ、ありがとうございます。
私も一読者として、他の書き手さんの所へもお邪魔を致します。
コメントを残したり、逆にコメントを頂いたり、交流もさせて頂いてます。
皆さん、お知り合いってわけでもないですが、同じドラマを愛する者として(私の方が勝手に)親近感は持ってます。w
私は、話の展開を他の書き手さんに相談したことはないです。(登場人物の想いやドラマの解釈についての意見交換はしたことありますが・・・読者様に記事上で相談したことはあるです。)
素晴らしい書き手さんが多いし、二次小説って楽しいですよね。
ね***さんも、どんどん楽しまれてください。w
お時間有ります時に、私の所にもおいでいただけると嬉しいです。
これからもヨロシクお願いいたします。<m(__)m>
こちらこそ、ありがとうございます。
私も一読者として、他の書き手さんの所へもお邪魔を致します。
コメントを残したり、逆にコメントを頂いたり、交流もさせて頂いてます。
皆さん、お知り合いってわけでもないですが、同じドラマを愛する者として(私の方が勝手に)親近感は持ってます。w
私は、話の展開を他の書き手さんに相談したことはないです。(登場人物の想いやドラマの解釈についての意見交換はしたことありますが・・・読者様に記事上で相談したことはあるです。)
素晴らしい書き手さんが多いし、二次小説って楽しいですよね。
ね***さんも、どんどん楽しまれてください。w
お時間有ります時に、私の所にもおいでいただけると嬉しいです。
これからもヨロシクお願いいたします。<m(__)m>
- #297 ありちゃん
- URL
- 2015.01/27 22:48
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