FX

「長編」
記憶

記憶 2

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なぜトラックの荷台に忍び込んだのか分からない。
牛乳を買ってくるから、待ってて。そう言って、姉のセナはその場を離れた。


睡魔に襲われて、そこで眠ってしまっていた。

トラックのエンジン音と振動で目を覚ました。
傍らに、牛乳のパック。

お姉ちゃん?

パク・ハはあわててトラックの荷台から顔を出した。
トラックは動き出してしまっている。
セナが自分を見ていた。

「お姉ちゃん!」

大声で呼んだのに、姉はくるりと背を向けた。

「オンニ!ここよ!私はここ!」

お姉ちゃん!行かないで!!

「パッカはここ!」

必死に助けを求めるが、無情にもトラックはスピードを増すばかり。
セナは、振り向いてもくれなかった。


次の信号で止まったら、飛び降りよう。
そう決意をするものの、決意を実行できずに何度信号を見送ったか分からない。
下を見れば結構な高さがある。しかも周りは車だらけ。
足が竦んで決意が挫けた。


キキキキキーッ


大きなブレーキ音と共に、身体が大きく投げ出された。
何かがぶつかり合う大きな音。
荷台に積まれていた沢山の荷物と一緒に、横転したトラックの支柱に打ち付けられる。
身体に走る衝撃と痛み。

パク・ハは遠のいていく意識の中で、父と母の笑顔を見ていた。



花の香りに気付き、パク・ハは目を開けた。
夕闇せまる黄昏時、青灰色の景色の中で一匹の蝶が舞っていた。
目の前に大きな池がある。
蝶を目で追えば、そこには水面いっぱいに蓮の花。

「きれいっ!」

パク・ハは両手を合わせて、喜んだ。

蓮の花に見とれているうちに、辺りはどんどん暗くなっていく。

「誰だ!」

頭上から男の低い声が響いてきて、パク・ハはびくっと肩を震わせた。




「パッカ、か?」

この男の人は、どうして自分の名前を知っているのだろう?

状況を飲み込めず、パク・ハはただ頷いた。
背の高いその男の人は、突然跪き、自分のことを抱き寄せる。
パク・ハは一瞬身を固くしたが、ふわりと香ったその人の香りに、懐かしさを感じて緊張を解いた。

イ・ガクはしばらくパク・ハの背中をさすっていたが、その両肩に手を置くと、彼女の顔を覗き込んだ。

「パッカ。幼きそなたが、何故、ここへ?・・・何があった?」

「トラックに乗って・・・お姉ちゃんと、はぐれた。」

「姉君?ホン・セナ?」

「お姉ちゃんのことも、知ってるの?」

「ああ。そなたも、そなたの姉もよく知っている。」

「じゃあ、私をお家に連れて帰ってくれる?」

パク・ハの表情(かお)が、ぱっと明るくなった。

「・・・すまぬ。私には、そなたを連れて帰ってやることが、できぬ。」

パク・ハはがっかりとして俯く。

「道を、知らないの?」

おずおずと顔を上げイ・ガクに尋ねた。

「・・・そうだ。すまぬ。」

「そっか。・・・私も知らない。・・・アジョッシが悪いんじゃないよ。」

パク・ハ以上に憂い顔のイ・ガクを慰めようとでもいうのか、パク・ハはにっこりと微笑む。

イ・ガクは、もう一度、幼子を胸にかき抱いた。


イ・ガクは立ち上がり、少女の手を取った。

「行こう。」

「どこへ行くの?」

お家へ帰る道は知らないって、言ったのに・・・。

「もう暗い。ここにいても仕方がないであろう?そなたの還り途は、私が探してやる。」

「本当?」

「本当だ。」

「じゃ、約束ね!」

パク・ハは空いている方の手を差し出し、小指を立てた。
イ・ガクは再び屈みこむ\と、パク・ハに向かい合い、小指を絡める。

「指切り拳万、嘘吐いたら、針千本、呑ぉーます!」

パク・ハは小指と小指を絡めた手を、ぶんぶんと上下に振った。

「ハンコも要るのであろう?」

親指の腹を押し付け合う。

「指、切った!」

元気に宣言して、絡められた指をほどく。
小さなパク・ハの笑顔に、イ・ガクも微笑んだ。

_______________________________________

本日は、我らがユチョナのお誕生日です。
心から、お祝い申し上げます。

Gyao!で「屋根プリ」以外にも、お誕生日記念で、いろいろ映像が見れるようです。
私も「屋根プリ」1話を視聴しまして、小さなパク・ハと、朝鮮時代のイ・ガクの姿、今回のお話に被ったなぁ、と。
テヨンも出てきて嬉しい限り!
(テヨンの活躍も書かなくては・・・汗)
 【 お礼画像と、時々SS 掲載してます 

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~ Comment ~

何だか~

解らないけれど、お話を読んでいて、泣いてしましました。
パッカが出てくる予想はしていたのですが、こういう登場の仕方~
泣けます。イガクの切ない思いが幼いパッカを呼び寄せたのでしょうか?
幼いパッカはイガクによって慰められ、イガクは幼いけれどパッカに
会えてうれしいでしょうし...こういうふうに繋げて物語しちゃう
優しさに脱帽です!
このブログに流れていて、皆を引き付けてやまないのは
きっと、この優しさなんだと改めて思いました。
 (私、現代のテヨンも大好きです。活躍、期待しています。)

待ってました~(^^)

お忙しい中、更新ありがとうございます(^^)

「それとも…」の…はまさか子供時代のパッカだとは思わなかったのでびっくりでした!
でも一人切なくパッカを想い続けるイガクの心情を想うと、子パッカとの出会いはなんだかそれだけで胸がじんとします。
子パッカに優しく語りかけるイガクに、なんだかうるっときてしまいました(._.)

これからどう展開していくのか、楽しみでなりません!
また続きを楽しみにしていますね(^^)

奮闘中のテヨンの方もぜひ幸せにしてあげてください(*^^)v

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Re: 何だか~ やすべぇ様へ

やすべぇ様

いや、なんだか私の方が泣けてきちゃうコメントを頂きまして、ありがとうございます。(/_;)
シチュエーション自体は読者様のコメから拝借したものなので、面映ゆいばかりです。
ただ、二人を癒すことができたなら素敵だなぁ、とは思っています。

テヨンにも期待を頂きまして、ありがたい限り!

やすべぇさんからいただくコメは、いつも心に響きます。
仰って頂けてるような人になりたい、と思わせられて、その素質があるのだとしたら、ガンバろっかなぁ、なんて。
ホントに、ホントにありがとうございます。

Re: 待ってました~(^^) kaya様へ

kaya様

お待たせしました!
コメへのお返事も・・・。(汗)

> 「それとも…」の…はまさか子供時代のパッカだとは思わなかったのでびっくりでした!
誰だと思っておられました?w 実は、そこが気になって夜も眠れない!ww

切ないイ・ガクを癒してあげられるといいのですが・・・子パッカ頼りです。(苦笑)

続きを待ち望んで頂いて、ホント、ありがたい。
キリンにしまくりですが、これからもヨロシクであります。<m(__)m>

Re: 私も t*********0様へ

t*********0様

わわわ、そんなに泣かせる内容でしたかね?
と言いつつ、自分でも涙もんで書いてたのではありますが・・・(苦笑)

ホント、パク・ハはこのトラックの事故から苦労を強いられますもんね。
(と言うか、セナと姉妹であることが苦労の元凶ですが・・・)
その辺を、どう癒していけるのか・・・イ・ガクと共に・・・。
(ちょっと、あわあわしかけてます。)

ですが、楽しみだとのお言葉に支えられて、きっとお話は動いていくと思います。
ありがとうございます。

Re: ふ***様へ

ふ***様

はい。あの時のパッカでした。
このシチュエーションは読者様のコメから拝借。
その方のコメによれば、ふ***さんが仰るのと同じような展開でした。
が、すみません、そこはちょっと違う感じに展開していくと思います。
でも、でも、私も同じようなことは考えたことがあります。(もう、ずっと以前に)

なかなかリクエストに応えられないことの方が多くて申し訳ないのですが、
色んな展開を、私に託してくださる読者様のなんとありがたいことか!

これからもお付き合いいただけますと嬉しいです。<m(__)m>

Re: か****様へ

か****様

お風邪の方は如何ですか?
ウチの辺りは、土砂降りと快晴を交互に繰り返してる感じで、やはり気温差にまいってしまいそうです。(T_T)
私はいいのですが、旦那がやられてる。病み上がりだから余計に・・・。(あ、でも、大したことはないです。)

子供時代のパッカ自身でしたが、テヨンとパッカの娘説は、多くの方が仰ってましたよ。w
(それも、妄想膨らみますね。♪)
ちびパッカが恋愛対象になるのか・・・イ・ガク、ロリコン疑惑浮上?∑(゚Д゚)

・・・その辺もキリンになりつつお待ち頂ければ・・・。(苦笑)

Re: F****様へ

F****様

ほんとに、パク・ハもプヨンも過酷な運命を背負っちゃってますよね。(/_;)
私としては、事故の後イ・ガクに出会うことでパク・ハの中に何かを残せれば、と思ってはいるのですが・・・
どうなりますことやら・・・(汗)

テヨンとパッカの娘説も有力説でしたよ。w(パッカじゃないとしたら、そう思うと思います。)

イ・ガクは還り途を探してやると約束してましたけど、どうしたらいいのかな?
私も分かりません。(← おーいッ!)

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Re: あったらいいな  い***様へ

い***様

こちらこそ、お世話になっております。<m(__)m>
私も人に背中を押して頂いてブログを始めました。
そして、多くの方と繋がれて、喜んで頂けて、励まされて・・・。
良いきっかけを、と言って頂けて、本当に光栄です。
ありがとうございます。

成長してイ・ガクに会うはずが、子供の時に出会っていたら・・・
パク・ハのその後の人生にも関わる、輝ける何かが(と言うと大袈裟ですが)残されると、素敵だな、と思っています。
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