「短話シリーズ」
あいさつ
いってらっしゃい。
僕の恋人は、フレッシュジュースのお店を経営している。
こじんまりしたセンスのいいお店で、もちろんジュースもおいしいと評判の店だ。いや、贔屓目でなく、ホントに。
だけど、ジュースの味よりも何よりも、彼女自身がお客さんを魅了している、と僕は思う。
正直言って、妬ける、時もある。
彼女は向日葵みたいな笑顔を、誰にでも向ける。
ああ、もちろん、客商売だ、無愛想じゃ拙いのも分かってる。
だけど、誰にでも、・・・特に男性客にその笑顔を向けるのは如何なものか・・・。
彼女の店は朝が早い。
通勤途中のサラリーマンやOLの為にも早めに行って準備する。
本来の開店時間の15分前には、店のドアのカギを開ける彼女。
ジュースを片手に出勤して行く彼らに、今日も彼女は向日葵みたいな笑顔をおくる。
「いってらっしゃい。」
本当は、その言葉、僕にだけ言ってほしいんだ。
いってらっしゃい。気を付けてね。早く帰って来てね。
そう言って、満面の笑顔を僕にだけ向けて欲しい。
だけど
いってらっしゃい、の後にキスできるのは僕だけ。
彼女の口づけだけでなく、その笑顔も、見送りの言葉も、待ち侘びるその言葉も、彼女の全部を、独り占めしたいと思うのはわがままなのだろうか。
「テヨンさん、いってらっしゃい。」
「うん。・・・今夜は早く帰れるよ。」
「ええ、待ってるわ。」
いつものように口づけを交わして、彼女は車を降りた。
今朝も、向日葵みたいな笑顔で、お客さんに「いってらっしゃい」を言うために。
笑顔で手を振る彼女に、いってきます、と声を掛け車を発進させる。
いってらっしゃい、と言ってもらえる幸せ。
その言葉は、あなたを待っています、っていう意味だ。
僕は、いってきます、と言いながら、待ってて、必ず君の許へ還るから、って言ってるんだよ。
ねえ、パッカ。分かってる?
手を振る彼女が、小さくバックミラーに映っていた。
こじんまりしたセンスのいいお店で、もちろんジュースもおいしいと評判の店だ。いや、贔屓目でなく、ホントに。
だけど、ジュースの味よりも何よりも、彼女自身がお客さんを魅了している、と僕は思う。
正直言って、妬ける、時もある。
彼女は向日葵みたいな笑顔を、誰にでも向ける。
ああ、もちろん、客商売だ、無愛想じゃ拙いのも分かってる。
だけど、誰にでも、・・・特に男性客にその笑顔を向けるのは如何なものか・・・。
彼女の店は朝が早い。
通勤途中のサラリーマンやOLの為にも早めに行って準備する。
本来の開店時間の15分前には、店のドアのカギを開ける彼女。
ジュースを片手に出勤して行く彼らに、今日も彼女は向日葵みたいな笑顔をおくる。
「いってらっしゃい。」
本当は、その言葉、僕にだけ言ってほしいんだ。
いってらっしゃい。気を付けてね。早く帰って来てね。
そう言って、満面の笑顔を僕にだけ向けて欲しい。
だけど
いってらっしゃい、の後にキスできるのは僕だけ。
彼女の口づけだけでなく、その笑顔も、見送りの言葉も、待ち侘びるその言葉も、彼女の全部を、独り占めしたいと思うのはわがままなのだろうか。
「テヨンさん、いってらっしゃい。」
「うん。・・・今夜は早く帰れるよ。」
「ええ、待ってるわ。」
いつものように口づけを交わして、彼女は車を降りた。
今朝も、向日葵みたいな笑顔で、お客さんに「いってらっしゃい」を言うために。
笑顔で手を振る彼女に、いってきます、と声を掛け車を発進させる。
いってらっしゃい、と言ってもらえる幸せ。
その言葉は、あなたを待っています、っていう意味だ。
僕は、いってきます、と言いながら、待ってて、必ず君の許へ還るから、って言ってるんだよ。
ねえ、パッカ。分かってる?
手を振る彼女が、小さくバックミラーに映っていた。
ああ、いいな
こういうの、好きです。
久しぶりに歌が詠みたくなりました。
もしできたら、リンク貼らせていただいていいですか?