「コラボレーション」
ヨン家の嫁
ヨン家の嫁 ~世間の目~
【コラボレーション】
下記の順にお読みください。
《statice →ヨン家の嫁 →友情の証
→世間の目
←今ここ
》
___________
ソリのお気に入りのデザイナー『ジョイ・ルー』はあの『スターチスの彼女』だったのだ。
店に飾るつもりで買ったスターチスの小さな花束。
道でぶつかった彼女は、恋人と喧嘩をしたと言って落ち込んでいた。
咄嗟の思い付きでスターチスをプレゼントしたのだけれど・・・。
仲直りできたみたいで良かった。
その出会いの後、テヨンに強請って買って来てもらったスターチスの花。
店をスターチスでいっぱいにしてあげる。
その言葉通り、花屋を開業できるんじゃないか、と思うほどのスターチスの花を抱えた彼を見たときには、思わず苦笑した。
どうにか半分は店に飾って、残りの半分は屋根部屋に持ち帰ったのだけれど・・・。
屋根部屋の分は、別に買って来るのに・・・。などと言うから、慌てて止めた。
今は、そのスターチスの花たちもドライフラワーになっている。
それを見ながら『彼女』は元気かしら、と何となく気になっていた。
こんな形で再会できるなんて・・・。
儚げに見えたあの彼女が、ソリが贔屓にするほどの有名なデザイナーだったとは。
「知り合いなら話は早いじゃない!
ほら、パッカ!ドレスのこと、ジョイに相談してみたら?」
興奮気味にそう話したソリの言葉をきっかけに、ソリとミラン、年配組の二人は『パク・ハのドレス選びをジョイが手伝う』方向で盛り上がり始める。
ファッションのプロである、デザイナーのジョイが、本当にドレス選びに付き合ってくれるのなら・・・
テヨンの隣に立つのに相応しい女性に仕立て上げてくれることだろう。
当事者二人を無視して盛り上がるミランとソリに慌てながらも、正直、パク・ハも、ジョイがそうしてくれたらいいな、と期待した。
ところが、ジョイは、待ってください、と二人を止めた。
そうよね、あまりにも図々しいもの・・・。
「もちろん、ドレスを一緒に選ぶのは構いません。むしろ、選ばせていただけるのなら、喜んで!
・・・でも、これは、もしパク・ハさんが良ければですが・・・
私に、パク・ハさんのドレスをデザインさせてもらえませんか?」
「「え?」」
「ちょっ・・・ジョイ!?」
パク・ハとソリが揃って驚き、あれほどソリと盛り上がっていたミランも驚きの声を上げた。
ソリも、デザインを依頼する、というところまでは考えていなかったらしい。
受けてくれるとも思わなかったのかも知れない。
まして、オーナーであるミランが戸惑っているのだ。流石のソリも躊躇している。
ジョイは、婚約者の方ともご相談下さい、返事はそれからでも・・・と言った後、
「・・・ぜひ、あなたのドレスを作ってみたいんです。お願いします。」
真剣な眼差しでそう言ってくれた。
ジョイの気持ちがひしひしと伝わって来て、ドレスよりも何よりも、再会できたその事実が、パク・ハには嬉しかった。
即答してしまっても良かったのだけれど、戸惑い気味のオーナーの様子を見れば、遠慮した方がいいのかな、とも思った。
彼女が言ってくれているように、テヨンに相談したい気もする。
それに・・・
ジョイの真剣な言葉に、先刻までの躊躇いは何処へやら、すっかりその気で浮かれてしまっているソリをこのままに話を進めてしまっては、この大叔母の意向が大いに反映されそうで・・・要するに、自分の意見は言いにくい。
ジョイの方も、彼女のファンだというソリを無視はできないだろう。
「あの、私としては・・・図々しいかも知れませんが・・・ジョイさんにお願いしたいです。
でも、一言、彼に承諾を得てもいいですか?」
テヨンは反対はしないだろう。
でも、ソリに釘を刺してもらうために今日は一旦引き上げた方がよい。
もしかしたら、彼も、大叔母には敵わないかも知れないけれど。
・・・その時は社長にお願いするまでのことだわ。
「え、パッカぁ、せっかくジョイがああ言ってくれてるんだし、この際、テヨンには事後承諾でも・・・。
ついでに、私のドレスも、ジョイに・・・。」
口の中でもごもご言っているソリにパク・ハが曖昧に微笑んだ。
そして大叔母に何か言いかけたその時、ジョイが遮るように口を挟んだ。
「もちろんです!じっくりと相談なさってください。
・・・ソリさんは、カタログの中から3点ほど選んでいただけませんか?
センスが良くていらっしゃるので、私のアドバイスなんて要らないと思いますけど・・・。」
「そんなことないわ!ジョイ!・・・私に似合うものを選んでくれるの?」
「はい。お好みのモノ、3点に絞って頂ければ、その中で一番お似合いのモノを選ばせて頂きます。」
「本当?嬉しいわ!!」
にっこり微笑むジョイに向かって、ソリは上機嫌に頷いている。
ソリの方はこれで抑えが効くだろう。
そう言えば、気になるバッグがあったのよ。
オーナー、ちょっといい?
えっ?あ、はい。
ソリはミランを従えて行ってしまった。
パク・ハはくすりと笑って、ジョイを見る。
「ジョイさん。・・・ありがとう。」
ジョイもパク・ハの「ありがとう」の真意が分かったのだろう。やはり、くすくすと笑っている。
「どういたしまして。・・・良いお返事がいただけると信じてます。
あの・・・スヨンです。本名はイ・スヨンと言います。」
パク・ハは、えっ、と呟き、またにっこりと笑った。
「ごめんなさい。挨拶もしないで・・・パク・ハです。スヨンさん、よろしく。」
パク・ハの差し出す手を、スヨンが握り返した。
帰りの車の中で、ソリはひっきりなしにしゃべっていた。
ヨン家の嫁は大変である。
屋根部屋の下で降ろしてもらって、階段を跳ねるように駆け上がる。
鼻歌交じりに最後の一段を上りきって顔を上げれば、なんと、テヨンがいた。
「テヨンさん!」
「ご機嫌だね。ドレス、決まったの?」
「仕事は?」
「たまには休ませろって、部下に押し付けて来た。僕も、今帰って来たところだよ。」
おどけて笑いながらパク・ハの肩を抱く。ドアのロックを解除して家の中に入った。
リビングで、事の顛末をテヨンに話す。
「すごいな。『ジョイ・ルー』のドレス、か。」
「知ってるの?」
「うん、まあ。新進気鋭のデザイナーだからね。」
ああ、やっぱり有名なデザイナーさんなんだわ。・・・なんだか、申し訳なくなっちゃう。
『ジョイ・ルー』の名前さえ知らなかったのに・・・こんな私の為に・・・いいのかしら?
パク・ハは急に自信がなくなってくる。
「何?急に黙り込んだりして・・・。」
「え?・・・私で務まるのかな、って。」
「何が?」
「・・・『ヨン家の嫁』。」
「そうだな・・・『ヨン家の嫁』と言うなら他にも相応しい女性 がいるのかも知れないね。」
テヨンの言葉に、胸がちくりと痛んだ。パク・ハ自身が言ったことながら、あまりもあっさりとテヨンも認めたから。
「だけど、僕は認めないよ。『ヨン・テヨンの妻』には、君しか、ね。」
テヨンはパク・ハを見つめる。
「でも、やっぱり『ヨン家の嫁』も君以外には考えられないよ。
パッカ、気付いてる?その気になれば、『ホーム&ショピング』なんて君の思いのままなんだよ。」
パッカは目を見開いて、どういうこと?と呟いた。
「香港のチャン会長。ウチの会社の大株主なんだよ?君がお母さんに泣き付けば、僕なんて、すぐ、こける。
そして、将来、お母さんの持ってる株式を引き継ぐのは、多分、君だ。」
「え、だって、お姉ちゃんもいるのに・・・。」
「セナさんを香港に呼んだのは何故だと思う?香港の会社をセナさんに、ホーム&ショッピング社の株式は君に、ってそう考えていると思うよ。」
聞いたわけじゃないけれどね、とテヨンは片目を瞑った。
「それにね、世間じゃ僕たちの結婚が何て言われてるか、知ってるかい?」
パク・ハは思いもよらぬことを言われて首を傾げた。
「政略結婚なんだってさ。
次期社長と目されているヨン・テヨンは、その地位を確固たるモノにするため、大株主の娘をたぶらかした、らしいよ。」
そう言って喉の奥でくっくと笑う。
「そんな!・・・たぶらかした、なんて。」
「社長もね、社長の椅子を守るために大叔母様をたぶらかしたんだ、って聞いたよ。
・・・敏腕社長も形無しだ。
僕だって、それなりに努力して会社に貢献してるのに、さ。
婚約者も放ったらかしで、身を粉にして働いてんのに酷いだろ?
だから、今日は仕事を投げ出して来た。」
パッカ、労わってよ、そう言ってパク・ハを抱きすくめる。
唇を重ねようとした時、パク・ハが、あ、と小さく言った。
「・・・何?」
テヨンは憮然とした声を出す。
「で、結局、ドレスのデザインはお願いしても、いいのよね?」
「ああ、もちろん、構わないけど・・・」
「けど?」
「心に留めておいてほしいことがあるんだ。」
テヨンは名残惜しげにパク・ハをその腕から解放すると、居ずまいを正した。
その様子に、パク・ハも背筋を伸ばす。
今、ウチの会社は『ジョイ・ルー』と契約したくて動いてるプロジェクトチームがあるんだ。
「ベルス」の強みは『ジョイ・ルー』を独占していること。
ジョイがデザインしたものを手に入れるには、ソウルの「ベルス」に行くしかない。
ジョイの人気は高く、国内の各地からはもちろん、海外からだって客はやって来る。
通信販売を手掛ける各社は、こぞって『ジョイ・ルー』を抱える「ベルス」と契約したがっていた。
ベルスのオーナー、ファン・ミランは、まだどこの会社とも交渉の席に着いてはいない。
そういう事情を聞けば、ミランが戸惑っていたのも頷ける。
スヨンがパク・ハのドレスをデザインする。
『ジョイ・ルー』が「ホーム&ショッピング」の次期社長の婚約者にドレスを提供する、ということ。
ジョイは、君の人柄に触れて、君に魅了されて、ドレスをデザインしたいと言ってくれてる筈だ。
そこにビジネスを絡めたいとは、思わないよ。僕は、ね。
君の為にドレスをデザインしたからと言って、必ずしもウチの会社と契約を結ぶ必要はない。
もちろん、契約のための交渉に応じてくれると言うなら、相応に交渉させてもらう、喜んで、ね。
そのことも伝えたうえで、君たちの好きにするといい。
テヨンはパク・ハを抱きしめ、今度こそ口づけた。
僕としては、単純に、『ジョイ・ルー』のドレスを纏った君を見てみたいって、そう思ってるだけだよ。
色っぽくしてって、付け加えておいてくれよ?
テヨンはにっと笑うと、再びパク・ハの唇を塞いだ。
___________
kayaさぁん、こんなになっちゃった。
テヨンも言ってるけど、ビジネスは絡めなくても、いいんじゃないかなぁ。はははははは。(乾いた笑い
)
連休中は動けそうになかったので、なんとか今夜中にUPしたくて・・・
結局、あんまり時間軸は進んでないですねぇ。(苦笑)
このコラボ、時間かかりそう・・・kayaさん、ゆっくり頑張りましょう!(自分に言い聞かす。w)
下記の順にお読みください。
《statice →ヨン家の嫁 →友情の証



___________
ソリのお気に入りのデザイナー『ジョイ・ルー』はあの『スターチスの彼女』だったのだ。
店に飾るつもりで買ったスターチスの小さな花束。
道でぶつかった彼女は、恋人と喧嘩をしたと言って落ち込んでいた。
咄嗟の思い付きでスターチスをプレゼントしたのだけれど・・・。
仲直りできたみたいで良かった。
その出会いの後、テヨンに強請って買って来てもらったスターチスの花。
店をスターチスでいっぱいにしてあげる。
その言葉通り、花屋を開業できるんじゃないか、と思うほどのスターチスの花を抱えた彼を見たときには、思わず苦笑した。
どうにか半分は店に飾って、残りの半分は屋根部屋に持ち帰ったのだけれど・・・。
屋根部屋の分は、別に買って来るのに・・・。などと言うから、慌てて止めた。
今は、そのスターチスの花たちもドライフラワーになっている。
それを見ながら『彼女』は元気かしら、と何となく気になっていた。
こんな形で再会できるなんて・・・。
儚げに見えたあの彼女が、ソリが贔屓にするほどの有名なデザイナーだったとは。
「知り合いなら話は早いじゃない!
ほら、パッカ!ドレスのこと、ジョイに相談してみたら?」
興奮気味にそう話したソリの言葉をきっかけに、ソリとミラン、年配組の二人は『パク・ハのドレス選びをジョイが手伝う』方向で盛り上がり始める。
ファッションのプロである、デザイナーのジョイが、本当にドレス選びに付き合ってくれるのなら・・・
テヨンの隣に立つのに相応しい女性に仕立て上げてくれることだろう。
当事者二人を無視して盛り上がるミランとソリに慌てながらも、正直、パク・ハも、ジョイがそうしてくれたらいいな、と期待した。
ところが、ジョイは、待ってください、と二人を止めた。
そうよね、あまりにも図々しいもの・・・。
「もちろん、ドレスを一緒に選ぶのは構いません。むしろ、選ばせていただけるのなら、喜んで!
・・・でも、これは、もしパク・ハさんが良ければですが・・・
私に、パク・ハさんのドレスをデザインさせてもらえませんか?」
「「え?」」
「ちょっ・・・ジョイ!?」
パク・ハとソリが揃って驚き、あれほどソリと盛り上がっていたミランも驚きの声を上げた。
ソリも、デザインを依頼する、というところまでは考えていなかったらしい。
受けてくれるとも思わなかったのかも知れない。
まして、オーナーであるミランが戸惑っているのだ。流石のソリも躊躇している。
ジョイは、婚約者の方ともご相談下さい、返事はそれからでも・・・と言った後、
「・・・ぜひ、あなたのドレスを作ってみたいんです。お願いします。」
真剣な眼差しでそう言ってくれた。
ジョイの気持ちがひしひしと伝わって来て、ドレスよりも何よりも、再会できたその事実が、パク・ハには嬉しかった。
即答してしまっても良かったのだけれど、戸惑い気味のオーナーの様子を見れば、遠慮した方がいいのかな、とも思った。
彼女が言ってくれているように、テヨンに相談したい気もする。
それに・・・
ジョイの真剣な言葉に、先刻までの躊躇いは何処へやら、すっかりその気で浮かれてしまっているソリをこのままに話を進めてしまっては、この大叔母の意向が大いに反映されそうで・・・要するに、自分の意見は言いにくい。
ジョイの方も、彼女のファンだというソリを無視はできないだろう。
「あの、私としては・・・図々しいかも知れませんが・・・ジョイさんにお願いしたいです。
でも、一言、彼に承諾を得てもいいですか?」
テヨンは反対はしないだろう。
でも、ソリに釘を刺してもらうために今日は一旦引き上げた方がよい。
もしかしたら、彼も、大叔母には敵わないかも知れないけれど。
・・・その時は社長にお願いするまでのことだわ。
「え、パッカぁ、せっかくジョイがああ言ってくれてるんだし、この際、テヨンには事後承諾でも・・・。
ついでに、私のドレスも、ジョイに・・・。」
口の中でもごもご言っているソリにパク・ハが曖昧に微笑んだ。
そして大叔母に何か言いかけたその時、ジョイが遮るように口を挟んだ。
「もちろんです!じっくりと相談なさってください。
・・・ソリさんは、カタログの中から3点ほど選んでいただけませんか?
センスが良くていらっしゃるので、私のアドバイスなんて要らないと思いますけど・・・。」
「そんなことないわ!ジョイ!・・・私に似合うものを選んでくれるの?」
「はい。お好みのモノ、3点に絞って頂ければ、その中で一番お似合いのモノを選ばせて頂きます。」
「本当?嬉しいわ!!」
にっこり微笑むジョイに向かって、ソリは上機嫌に頷いている。
ソリの方はこれで抑えが効くだろう。
そう言えば、気になるバッグがあったのよ。
オーナー、ちょっといい?
えっ?あ、はい。
ソリはミランを従えて行ってしまった。
パク・ハはくすりと笑って、ジョイを見る。
「ジョイさん。・・・ありがとう。」
ジョイもパク・ハの「ありがとう」の真意が分かったのだろう。やはり、くすくすと笑っている。
「どういたしまして。・・・良いお返事がいただけると信じてます。
あの・・・スヨンです。本名はイ・スヨンと言います。」
パク・ハは、えっ、と呟き、またにっこりと笑った。
「ごめんなさい。挨拶もしないで・・・パク・ハです。スヨンさん、よろしく。」
パク・ハの差し出す手を、スヨンが握り返した。
帰りの車の中で、ソリはひっきりなしにしゃべっていた。
ヨン家の嫁は大変である。
屋根部屋の下で降ろしてもらって、階段を跳ねるように駆け上がる。
鼻歌交じりに最後の一段を上りきって顔を上げれば、なんと、テヨンがいた。
「テヨンさん!」
「ご機嫌だね。ドレス、決まったの?」
「仕事は?」
「たまには休ませろって、部下に押し付けて来た。僕も、今帰って来たところだよ。」
おどけて笑いながらパク・ハの肩を抱く。ドアのロックを解除して家の中に入った。
リビングで、事の顛末をテヨンに話す。
「すごいな。『ジョイ・ルー』のドレス、か。」
「知ってるの?」
「うん、まあ。新進気鋭のデザイナーだからね。」
ああ、やっぱり有名なデザイナーさんなんだわ。・・・なんだか、申し訳なくなっちゃう。
『ジョイ・ルー』の名前さえ知らなかったのに・・・こんな私の為に・・・いいのかしら?
パク・ハは急に自信がなくなってくる。
「何?急に黙り込んだりして・・・。」
「え?・・・私で務まるのかな、って。」
「何が?」
「・・・『ヨン家の嫁』。」
「そうだな・・・『ヨン家の嫁』と言うなら他にも相応しい
テヨンの言葉に、胸がちくりと痛んだ。パク・ハ自身が言ったことながら、あまりもあっさりとテヨンも認めたから。
「だけど、僕は認めないよ。『ヨン・テヨンの妻』には、君しか、ね。」
テヨンはパク・ハを見つめる。
「でも、やっぱり『ヨン家の嫁』も君以外には考えられないよ。
パッカ、気付いてる?その気になれば、『ホーム&ショピング』なんて君の思いのままなんだよ。」
パッカは目を見開いて、どういうこと?と呟いた。
「香港のチャン会長。ウチの会社の大株主なんだよ?君がお母さんに泣き付けば、僕なんて、すぐ、こける。
そして、将来、お母さんの持ってる株式を引き継ぐのは、多分、君だ。」
「え、だって、お姉ちゃんもいるのに・・・。」
「セナさんを香港に呼んだのは何故だと思う?香港の会社をセナさんに、ホーム&ショッピング社の株式は君に、ってそう考えていると思うよ。」
聞いたわけじゃないけれどね、とテヨンは片目を瞑った。
「それにね、世間じゃ僕たちの結婚が何て言われてるか、知ってるかい?」
パク・ハは思いもよらぬことを言われて首を傾げた。
「政略結婚なんだってさ。
次期社長と目されているヨン・テヨンは、その地位を確固たるモノにするため、大株主の娘をたぶらかした、らしいよ。」
そう言って喉の奥でくっくと笑う。
「そんな!・・・たぶらかした、なんて。」
「社長もね、社長の椅子を守るために大叔母様をたぶらかしたんだ、って聞いたよ。
・・・敏腕社長も形無しだ。
僕だって、それなりに努力して会社に貢献してるのに、さ。
婚約者も放ったらかしで、身を粉にして働いてんのに酷いだろ?
だから、今日は仕事を投げ出して来た。」
パッカ、労わってよ、そう言ってパク・ハを抱きすくめる。
唇を重ねようとした時、パク・ハが、あ、と小さく言った。
「・・・何?」
テヨンは憮然とした声を出す。
「で、結局、ドレスのデザインはお願いしても、いいのよね?」
「ああ、もちろん、構わないけど・・・」
「けど?」
「心に留めておいてほしいことがあるんだ。」
テヨンは名残惜しげにパク・ハをその腕から解放すると、居ずまいを正した。
その様子に、パク・ハも背筋を伸ばす。
今、ウチの会社は『ジョイ・ルー』と契約したくて動いてるプロジェクトチームがあるんだ。
「ベルス」の強みは『ジョイ・ルー』を独占していること。
ジョイがデザインしたものを手に入れるには、ソウルの「ベルス」に行くしかない。
ジョイの人気は高く、国内の各地からはもちろん、海外からだって客はやって来る。
通信販売を手掛ける各社は、こぞって『ジョイ・ルー』を抱える「ベルス」と契約したがっていた。
ベルスのオーナー、ファン・ミランは、まだどこの会社とも交渉の席に着いてはいない。
そういう事情を聞けば、ミランが戸惑っていたのも頷ける。
スヨンがパク・ハのドレスをデザインする。
『ジョイ・ルー』が「ホーム&ショッピング」の次期社長の婚約者にドレスを提供する、ということ。
ジョイは、君の人柄に触れて、君に魅了されて、ドレスをデザインしたいと言ってくれてる筈だ。
そこにビジネスを絡めたいとは、思わないよ。僕は、ね。
君の為にドレスをデザインしたからと言って、必ずしもウチの会社と契約を結ぶ必要はない。
もちろん、契約のための交渉に応じてくれると言うなら、相応に交渉させてもらう、喜んで、ね。
そのことも伝えたうえで、君たちの好きにするといい。
テヨンはパク・ハを抱きしめ、今度こそ口づけた。
僕としては、単純に、『ジョイ・ルー』のドレスを纏った君を見てみたいって、そう思ってるだけだよ。
色っぽくしてって、付け加えておいてくれよ?
テヨンはにっと笑うと、再びパク・ハの唇を塞いだ。
___________
kayaさぁん、こんなになっちゃった。

テヨンも言ってるけど、ビジネスは絡めなくても、いいんじゃないかなぁ。はははははは。(乾いた笑い

連休中は動けそうになかったので、なんとか今夜中にUPしたくて・・・
結局、あんまり時間軸は進んでないですねぇ。(苦笑)
このコラボ、時間かかりそう・・・kayaさん、ゆっくり頑張りましょう!(自分に言い聞かす。w)
~ Comment ~
NoTitle
私もそこが気になってました。
ドラマ仕立てだと、一人2役でユチョンが演じるのでしょうか?
私の頭の中では全くの別人物ですけど~
でも、おもしろいですね。こんな遊びが出来るのは
大人?ですよね!(日頃、ドラマやユチョンに嵌ってしまうのは
少し大人げないかと、ちょっとだけ反省したりもしてるので~)
ドラマ仕立てだと、一人2役でユチョンが演じるのでしょうか?
私の頭の中では全くの別人物ですけど~
でも、おもしろいですね。こんな遊びが出来るのは
大人?ですよね!(日頃、ドラマやユチョンに嵌ってしまうのは
少し大人げないかと、ちょっとだけ反省したりもしてるので~)
やっと!
ありちゃんさん、早速の更新ありがとうございます(^^)
朝から更新に気付きつつ、やーっと今、ゆっくり読みに来れました!
うーむ、そう来ましたか。ビジネス…。
でもテヨン、今結婚式のためにお仕事頑張ってますもんね。
テヨンのために、ビジネス絡めていきましょう(^^)
スヨンはともかく、ミランはお金大好きですし(笑)
続き、頑張りまーす!
あ、でも昨日からウチの双子が揃ってダウンしまして(>_<")
この連休は看病漬けになりそうなので、次の更新は少し遅れそうです。。
どうかゆるーくお待ちください(^^)
Kaya
朝から更新に気付きつつ、やーっと今、ゆっくり読みに来れました!
うーむ、そう来ましたか。ビジネス…。
でもテヨン、今結婚式のためにお仕事頑張ってますもんね。
テヨンのために、ビジネス絡めていきましょう(^^)
スヨンはともかく、ミランはお金大好きですし(笑)
続き、頑張りまーす!
あ、でも昨日からウチの双子が揃ってダウンしまして(>_<")
この連休は看病漬けになりそうなので、次の更新は少し遅れそうです。。
どうかゆるーくお待ちください(^^)
Kaya
- #975 kaya
- URL
- 2015.10/10 21:50
- ▲EntryTop
Re: なるほど、なるほど 阿波の局さまへ
阿波の局さま
> kayaさんとのコラボならではの展開になってきましたねぇ〜
はいぃ。勝手にお話が動くんですぅ。
> なるほど。世間ではテヨンとパク・ハ、ソリとテクスのカップルをそう見るんですね。確かにね〜
ある意味、反対されなくていいと思うんですよね。
> しかし、この先テヨンとジョンウの絡みはあるんだろうか?
> やっぱりそこが気になる…
あ、やっぱり?
なしって訳にはいかない気がしますが・・・どうでしょう?(汗)
> kayaさんとのコラボならではの展開になってきましたねぇ〜
はいぃ。勝手にお話が動くんですぅ。
> なるほど。世間ではテヨンとパク・ハ、ソリとテクスのカップルをそう見るんですね。確かにね〜
ある意味、反対されなくていいと思うんですよね。
> しかし、この先テヨンとジョンウの絡みはあるんだろうか?
> やっぱりそこが気になる…
あ、やっぱり?
なしって訳にはいかない気がしますが・・・どうでしょう?(汗)
Re: やすべぇ様へ
やすべぇ様
> 私もそこが気になってました。
> ドラマ仕立てだと、一人2役でユチョンが演じるのでしょうか?
> 私の頭の中では全くの別人物ですけど~
ええ、別人ですよね。・・・顔は一緒ですけど。(苦笑)
> でも、おもしろいですね。こんな遊びが出来るのは大人?ですよね!
うふふ、二次小説ならでは。しかもコラボだからできるって言うか・・・。
引き続き、お楽しみ頂けると嬉しいです。
> 私もそこが気になってました。
> ドラマ仕立てだと、一人2役でユチョンが演じるのでしょうか?
> 私の頭の中では全くの別人物ですけど~
ええ、別人ですよね。・・・顔は一緒ですけど。(苦笑)
> でも、おもしろいですね。こんな遊びが出来るのは大人?ですよね!
うふふ、二次小説ならでは。しかもコラボだからできるって言うか・・・。
引き続き、お楽しみ頂けると嬉しいです。
Re: やっと! kaya様へ
kaya様
> うーむ、そう来ましたか。ビジネス…。
はははは、何故か、そうなった・・・。
> でもテヨン、今結婚式のためにお仕事頑張ってますもんね。
> テヨンのために、ビジネス絡めていきましょう(^^)
おお、ありがとうございます。テヨンに代わって御礼申し上げます。<m(__)m>
> スヨンはともかく、ミランはお金大好きですし(笑)
あはは、そうですね。(笑)
> 続き、頑張りまーす!
ご無理のないように、お願いします。
お子様、お大事に。<m(__)m>
> うーむ、そう来ましたか。ビジネス…。
はははは、何故か、そうなった・・・。
> でもテヨン、今結婚式のためにお仕事頑張ってますもんね。
> テヨンのために、ビジネス絡めていきましょう(^^)
おお、ありがとうございます。テヨンに代わって御礼申し上げます。<m(__)m>
> スヨンはともかく、ミランはお金大好きですし(笑)
あはは、そうですね。(笑)
> 続き、頑張りまーす!
ご無理のないように、お願いします。
お子様、お大事に。<m(__)m>
なるほど、なるほど
なるほど。世間ではテヨンとパク・ハ、ソリとテクスのカップルをそう見るんですね。確かにね〜
そんなことには振り回されず、パク・ハとスヨンが友情を育てられるといいですね。
しかし、この先テヨンとジョンウの絡みはあるんだろうか?
やっぱりそこが気になる…