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「コラボレーション」
ヨン家の嫁

ヨン家の嫁 ~事件解決~

 ←ヨン家の嫁 ~事件発生 2~ →ヒット商品
【コラボレーション】
「ヨン家の嫁」「友情の証」は下記の順番でお読みください。
statice →ヨン家の嫁 →友情の証 →世間の目 (→小話) →聞きたかった事 →政略結婚? →新たな動き →他人の空似
他人の空似? →接近 (→小話~電話~) →狙われた彼女 →事件発生 →事件発生 2 →事件解決 ←今ここ


__________


店の外に飛び出したスヨンは、膝からがっくりとくずおれた。
当然、出てくると思っていたパク・ハが出てこない。
それどころか、入り口のガラス戸に鍵がかけられる音がした。

どうしよう。パッカ!

全身が震えて立ち上がれない。

ジョンウ!ジョンウを呼ばなきゃ・・・。

あわててスマホを探る。しかし、あるはずの場所に納まっていない。
逃げ出した時の衝撃で落としてしまったのだろうか。

助け・・・助けを呼ばなくちゃ!

「誰か!・・・助けて!助けてください!!」

スヨンはその場に頽れたまま、震える声で叫んだ。

その時。

「スヨン!」

1番来てほしかったその人の声が耳に届いた。
その場に駆け付けたジョンウが、スヨンを抱え起こしてその頭を自分の胸に押し付ける。

「スヨン!スヨン!・・・無事か?」

「わ、私は、大丈夫。中にパッカが・・・刃物を持った男もいるわ。」

くそっ、ジョンウが悪態をついて店の入口を睨みつけた。


キキキキーーッ


大きなブレーキ音がして、店の前の道路に車が停まる。

車から下りて来たのはテヨンである。


パク・ハと食事に出かけているはずのスヨンが、店の前の歩道で頽れて男性に抱き留められていた。


「ジョイさん!パッカは?・・・何があったんだ!」

「テヨンさん・・・。」

スヨンが呟き、ジョンウが振り向いた。

テヨンはその顔を見るなり、目を見開く。


ハン・ジョンウ?・・・似てるとは聞いてたけど・・・。


対するジョンウは、テヨンを見てもその容姿に対して、さほど何も感じていないようだった。
パク・ハさんの?と呟いて申し訳なさそうに眉根を寄せる。

ジョンウはスヨンの肩を抱いて、ゆっくりと立ち上がらせた。

「スヨン、大丈夫か?」

「ええ。」

スヨンの安全を確保して、ジョンウはテヨンに歩み寄る。

「パク・ハさんは中に。・・・刃物を持った男もいます。」

テヨンはハッとして、ジョンウを押し退けると店のガラス戸に手を掛けた。
しかし、鍵がかかっていて開かない。

ガタガタとドアを揺すリ続けるテヨンの手を、ジョンウが掴んだ。

「やめろ!・・・犯人を刺激しては、拙い。」

「どうしろって言うんだ!パッカが中に居るんだぞ!」

テヨンはやり場のない怒りをジョンウにぶつける。

「応援を呼びます。」

急いで電話をするジョンウを、テヨンは苦々しい思いで見ていた。


そんなの待ってられない!


テヨンは唇を噛みしめ、ハッとしたように踵を返した。
車に乗り込みエンジンをかける。
アクセルを踏み込み、縁石を乗り越え歩道に乗り入れた。

窓を開け顔を覗かせると、ジョンウとスヨンに向かって怒鳴りつける。

「そこをどけ!!」

ヴォン、ヴォンとエンジンを空ぶかししていた。

「何をする気だ!」

ジョンウはあわててスヨンの肩を抱き寄せ、庇うように脇に避ける。
二人が道を開けたのを確認し、テヨンはアクセルをぐっと踏み込んだ。


ドン!  ガッシャァーン!!


轟音と共に車はジュースショップに突っ込んだ。

ウィンドウのガラスは砕け飛び、ブラインドが無残にひん曲がっている。

車から飛び出したテヨンは、驚きに目を見開いている大柄の男に猛然とタックルしていった。

「うわぁっ!・・・何だ!お前は!」

男はテヨンに抱きつかれ引き倒されたが、持っていたナイフを彼の背中に突き立てようとしている!

「危ないっ!!」

寸でのところで、駆け込んできたジョンウがナイフを蹴り上げる。
ナイフは弾き飛ばされ弧を描いて床に落ち、カシャカシャと音を立てて回転しながらすべっていった。

「僕のパッカに何をしたっ!」

テヨンは男に馬乗りになり、思いっきり殴りつけた。

ぐえっ、とくぐもった呻き声を漏らす男を、テヨンは何度も何度も殴りつける。

「彼女はどこだっ!」

男は鼻血を流し、前歯も折られ、意識を失う寸前だ。
ようよう手を持ち上げ、壁際のドアを指差す。

「もう、それぐらいに・・・。」

手首を掴まれ、振り返るとジョンウが苦笑していた。

テヨンは掴んでいた男の胸ぐらを突き放し、ゆっくりと立ち上がる。
ゼェゼェと肩で息をしながら、壁際のトイレのドアに向かった。


パッカ!・・・パッカ!


ジョンウの方は、ぐったりとしている男を立ったまま跨ぐと、上から覗き込みながらぺちぺちとその頬を叩いている。

「おい!起きろよ!・・・おい。この、クズヤロウッ!!」

男が薄く目を開けた。
すかさずその胸ぐらを掴み起こすと、彼もその顔を殴りつける。

「俺にも殴らせろ!」

3発殴りつけた所で、今度こそ男は気を失った。

ジョンウは腕時計を見る。

「はい。午後7時57分、建造物侵入と逮捕監禁・・・他にもいろいろ、の容疑で現行犯逮捕、ね。」

男の腕を持ち上げると、カチャリと手錠をかけた。


テヨンは壁際のトイレのドアノブを廻した。当然、開くわけがない。

「パッカ。僕だよ。・・・テヨンだ。もう大丈夫・・・・だから、開けて。」

ドアの向こう、愛しい恋人に向かって優しく語りかけた。

カチャリと音がして、ドアに隙間が空く。
すかさずテヨンがその隙間に手をかけた。
勢いよく開かれたドアの内側に、呆然と立ち尽くすパク・ハがいた。

「パッカ!」

テヨンはパク・ハの手を引き彼女の華奢な身体を自らの胸に納めると、きつく抱きしめた。

「テヨン、さん?」

パク・ハはハッと我に返り、テヨンの背中に手を廻そうとして、右手にティファールのフライパンを、指が血色を失うほどに握り締めていることに気付いた。
彼女は握りしめていた指の力を緩める。

ガコン、と役目を終えたそれが床に落ちた。

テヨンにしっかりと抱きつこうとしたが、腕が震えて力が入らない。

「パッカ!パッカ。・・・パッカ!」

何度も彼女の名を繰り返しながら、テヨンはパク・ハの背中を擦る。
安心したのか、力が抜けてへなへなと頽れそうになる彼女をテヨンが支えた。

「パッカ。・・・無事で良かった。」

「・・・あんぽんたん。来るのが遅いのよ!」

パク・ハは大粒の涙をこぼし始めた。

「ごめん。パッカ。・・・本当にごめん。」

「こ、怖かったんだから!・・・私と仕事と、どっちが大切なのよ!」

今、その台詞を言うんだ?

テヨンは困ったように微笑んだ。

「・・・もちろん、君だ。」

そのままパク・ハの唇を奪う。


そんな二人を見ながら、ジョンウもスヨンの肩を抱き寄せた。
ジョンウは彼女の耳元に唇を寄せて囁く。

「なあ?・・・俺が『いかれたウサギ』ならさぁ、あいつは一体何なの?
店も車も無茶苦茶で・・・犯人、ぼこぼこだぜ?」

「ジョンウも殴ってたじゃない。」

「え?・・・3発だけ、だろ。・・・全然、殴り足りないよ。」


◇◇◇

テヨンはジョンウに頭を下げた。

「さっきはありがとうございました。」

「え?・・・ああ、ナイフの件?刺されなくて良かったよ。」

「そう言えば・・・すみません、挨拶が遅れて・・・ヨン・テヨンです。」

テヨンが人懐っこい笑顔を向けて、ジョンウに手を差し出した。

「挨拶ねぇ・・・。この状況じゃ、無理だろ?」

ジョンウは苦笑しながらテヨンの手を握る。

「・・・ハン・ジョンウです。」

車が突っ込み、惨憺さんたんたるパク・ハのジュースショップで、テヨンとジョンウの二人は握手を交わした。


自分にそっくりだというハン・ジョンウは、確かに顔かたちだけは似ていた。
いや、恋人にぞっこん惚れ込んでいるらしい、のも自分と同じ、か。
とにかく、要らぬ心配をし過ぎたみたいだ、とテヨンは思った。
それに
命の恩人でもある。


ヨン・テヨンが自分にそっくりだ、と言われて、そうか?とジョンウは思った。
確かに背格好は似ているが・・・
いや、恋人の為になら無茶もする、のも自分と同じ、か。
だけど
俺の方がイケメンだろ?とスヨンの耳許で囁く。



「スヨンって・・・面食い?」

「え?だったら、パッカもでしょ?」


瓦礫の山になった店の中に明るい笑い声が響く。


意識を失ったままの犯人は、手錠で店の柱に繋がれていた。



パトカーのサイレンの音が響いている。

「来るのが遅いよ。」

4人はまた笑った。


___________

皆様、こんばんは。

ふうっ、こんな感じで如何でしょうか。
私、額の汗を拭いながら、スポーツの後のような爽やかさを味わっております。(←要するに悦に入ってる。

kayaさん
事件は解決しました。事後処理をお願いいたします。w
ああ、今回の、気持ちの悪いニヤつき大男、は「模倣犯」の方でしたね。
ほんとの「強盗犯」までは責任持てませんよ?(笑)

一人で引っ張りまくってすみませんでした。(汗)
続き、ヨロシクであります。




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~ Comment ~

こんばんは(o^^o)
お話の更新ありがとうございます!

連続3話ドキドキの手に汗握る展開!
はぁ、ホッとしました〜
屋根部屋〜も会いたいもドラマのベースに事件があるから、こういう事件が絡む事って自然な流れだなと読んでいて思いました。
まぁ、普通に生活していて事件に巻き込まれてばかりだったらキツイですが(笑)
ヒロインのピンチを救うヒーローはカッコ良いですね!
ジョンウは、走って駆けつけてスヨンを助け出すイメージバッチリでしたが、テヨンさんてどちらかというと静のイメージ強かったけど、今回ジョンウ以上?っというくらいの活躍でしたね!
車で強制突破!(笑)
その大胆さ、何だかイガクの魂をちょっと感じちゃいました(笑)

すっごい場面でテヨンさんとジョンウご対面でしたね(笑)

それぞれの彼女たち、とーっても怖い目にあったけど、しっかり精神的フォローの方も彼らなら抜かりなさそうですね(o^^o)

続きはどうなるのか、楽しみです*\(^o^)/*

お疲れ様でした。

こんばんは!解決の文字をランキングで見つけ飛んできました(笑)
テヨンが男前でドキドキして読んでました。
パク・ハの背中を擦るシーンが好きです(笑)
ごちそうさまでした(笑)

ふ~!!

ありちゃんさん、たくさんの更新、本当にありがとうございます(^^)

いや~本当に手に汗握る展開でしたね!!
パクハがトイレに逃げ込んだ辺りからどうなるの!?と思ってましたが、まさかテヨンが車ごと店に突っ込むなんて!!
やはりいつも落ち着いてる彼だからこそ、本当に怒るととんでもない!(笑)
パクハと抱き合うシーン、思わず胸がじーんとしました(^^)

ジョンスヨも上手く絡めていただき、しかも四人が顔を合わせるシーンまで!
テヨンの反応は予想してましたが、ジョンウの反応に思わず笑ってしまいました(^^)
確かに!ジョンウは似てるとかあんまり気にしなさそう!
俺の方がイケメンだろ?って。いや、同じ顔だから(笑)
ともあれ、二人の出会いが穏便に済んでほっとしてますw

次は私ですね…どきどき。
もうちょっと事件解決の余韻に浸りつつ、ゆっくり妄想しま~す(*^^)

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Re: kachi様へ

kachiさま

こんにちは。コメントありがとうございます。
お返事が遅くなりまして申し訳ないです。(汗)

確かに日常で事件にばかり巻き込まれてたら大変ですが、(苦笑)
ヒロインのピンチに駆けつける格好いいヒーローは、鉄板ですよね!

テヨンの大胆さにイ・ガクを見てくださってありがとうございます。
何も車で突っ込まんでも・・・と私も思いました。w
まあ、でもテヨンのお蔭でスピード解決!
店と車、無茶苦茶ですけど。(汗)

テヨンとジョンウ、二人の出会いは事件の陰で霞んでしまいました。(苦笑)
テヨン的にはヤキモキしなくて、良かったんじゃないですかね。w

楽しんでお付き合いくださってありがとうございます。

Re: お疲れ様でした。 宝井朔夜さまへ

宝井朔夜さま

こんにちは。こちらへもコメありがとうございます。
お返事が遅くなって申し訳ないです。

> テヨンが男前でドキドキして読んでました。
男前でした?良かったです。(嬉)

> パク・ハの背中を擦るシーンが好きです(笑)
私もです。w

> ごちそうさまでした(笑)
お口に合ったなら幸いでした。(笑)

Re: ふ~!! kayaさまへ

kayaさま

> ありちゃんさん、たくさんの更新、本当にありがとうございます(^^)
一人で歌いまくってすみませんでした。気持ち良かったです。w

> まさかテヨンが車ごと店に突っ込むなんて!!
> やはりいつも落ち着いてる彼だからこそ、本当に怒るととんでもない!(笑)
やるときゃ、やるぜっ!ww

テヨン・パッカメインで、ジョンウ・スヨンはあっさり目に流してしまったので、
kayaさんの方で、ジョンスヨの甘々をお願いいたします。
(読者の一人としても望んでます。^^ )

> もうちょっと事件解決の余韻に浸りつつ、ゆっくり妄想しま~す(*^^)
どうぞ、焦らずじっくりお願いします。<m(__)m>

Re: 祝!事件解決 ひ***様へ

ひ***様

コメントありがとうございます。

ソリとは・・・思いつきませんでした。w
確かに、常連ですし、結婚準備に首突っ込みまくりなのでお店に来る可能性もあったですよね。
コミカル路線ならそれも面白かったかもぉ。ww

テヨンが車で突っ込んだことに皆さん驚かれた様で・・・
でも、魂がイ・ガクなら納得、の方も多かったみたいです。(笑)

ファミリー車に買い替え、いい機会だ、とかテヨンが言い出しそうですね。w

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Re: ふぅ〜 て*****様へ

て*****様

お返事遅くなってスミマセン。
一気読み感謝です。(笑)
手に汗握ってもらって良かったぁ。しかも最高の展開とは・・・。v(^O^)v♭♪
マイクを離さず(?)一気に歌った(書いた)甲斐があります。

もう~(///ω///)♪たまりません!
四人のからみもっと見たいです!
  • #1319 ハニです~(*´-`) 
  • URL 
  • 2016.03/16 18:17 
  •  ▲EntryTop 

Re: ハニです様へ

ハニです様

> 四人のからみもっと見たいです!
私も!
機会があればまた書きたいです。ww
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