「短編集」
リクエスト
たのしみ
このお話は【限定記事】で公開していたリクエストをパス解除したものとなります。
カウンター 44,444 に係るリクエストにお応えした(つもりの)お話です。
楽しんで頂けると良いのですが・・・
___________________________________
ノックの音がした。
パク・ハが返事をする前にすーっとドアが開き、ひょいとイ・ガクが顔を覗かせる。
彼女はノートパソコンのディスプレイから視線をドアの方に移し、軽く肩を竦めた。
ノックをしてくるだけマシにはなった、けど・・・。
「もう!返事する前に入って来ないでよ!」
パク・ハの抗議の声にも、どこ吹く風。
「どうしたのだ?部屋に籠りきりではないか。」
イ・ガクはパク・ハに歩み寄りながら、彼女をじとっと見下ろす。
パク・ハはやれやれとでも言うように、小さく溜息を漏らした。
「あ、そうだ。チョハはどんなのがいいと思う?」
イ・ガクはパク・ハの指し示すノートパソコンの画面を覗き込んだ。
彼は一瞬目を見開き、あわてたように顔を背けた。
そして、横目でパク・ハを見ながら、またそーっと画面に視線を戻す。
スタイルの良い女性達が肌も露わにポーズをとっていた。
「な、何を見ておるのだ!」
「んー?どれがいいと思う?」
「ど、どれって・・・。」
イ・ガクがたじろいでいるのを気にする風もなく、パク・ハはマウスを動かしながら画面をスクロールしていく。
「セパレートでもいいけど・・・ワンピがいいかな?」
パク・ハはイ・ガクを見上げて、ね?と首を傾げた。
「ダイエットも兼ねて、スイミングに通おうかなって思って。」
「すいみんぐぅ?」
「そう。水泳ってね、全身運動でダイエット効果も抜群なのよ。」
「そのような格好で泳ぐと申すか?」
「水着じゃないと泳げないでしょ?」
パク・ハはさも当然だと言いたげにイ・ガクを見た。
「・・・男はおるのか?」
「え?」
「すいみんぐぅには男も来るのか、と訊いておる。」
「ああ、いるわよ、たくさん。チョハも一緒に通う?」
パク・ハはにこにことして言った。
珍しいわね、運動嫌いなのに、と首を傾げている。
「ならぬ!女だけの所ならまだしも、男も!・・・そのような所で、そのような格好で肌を晒すなど!」
はあぁ?とパク・ハは片眉を吊り上げた。
「へそまで出ておるではないか!そのように肌を晒して、女子 の慎みを持たぬのか!
・・・それとも、何か?淫らがましく男を誘惑 おうとでも言うつもりなのか?」
イ・ガクは腹立たしそうに、強い口調で言い募る。
「はあぁ?泳ぎに行くだけでしょ!何かと言えば、淫ら、淫らって!あんたの方がよぽっど、淫らでしょ!
水着ぐらいで何考えてんのよ!この、どスケベ!あんぽんたん!」
「なっ!王世子に向かって何と申すか!」
「うるさい!出てけ!このスケベ世子!!」
パク・ハは勢いよく立ち上がり、イ・ガクの肩を押しやって部屋から追い出そうとした。
不意のことでイ・ガクもバランスを崩し、そのままドアの外に押し出されてしまう。
「返事も待たずに入って来ないで!」
バタンとドアは閉じられ、ガチャリと鍵をかける音もした。
「パッカ!開けろ。開けぬか!
この屋根部屋を誰のモノだと心得る!ここを開けよ!」
激しくドアを叩いてみてもドアは開けられることはない。
イ・ガクは溜息を吐いた。
どうして分からぬのだ?へそなど晒して・・・男が何と思うと考えている?
そなたにその気がなくとも・・・男とはそういうものなのだ。
男である自分にはよく分かる。
スケベだと!この私に向かって!
はあああぁ。
・・・・スケベでないと子が生せぬではないか・・・男とは、そういうものなのだ。
ドアの内側でも、パク・ハが溜息を吐いていた。
チョハのあんぽんたん!なんで、他の男を誘惑 わなきゃなんないのよ!バカっ!
・・・私が誰を意識してダイエットしようと思ってるのか、考えもしないクセに!!
こうなったら、飛び切りスタイル良くなってびっくりさせてやるんだから!
見てなさいよ!どスケベ世子め!!!
翌日。
イ・ガクは会社で、商品企画室を訪ねた。
「あ、ヨンチーム長。何か御用ですか?」
一人の女子社員がイ・ガクに気付いて声を掛けてくる。
「・・・うむ。水着を求めたいのだが・・・。」
パッカに、人前で、まして男もいるような場所で肌を晒させる、というのは許せぬ。
だが、しかし、あの意地っ張りのパッカのこと。どんなに、ならぬ、と止めても“すいみんぐぅ”とやらには行くつもりだろう。
ならば、少しでも露出の少ないモノを、自らが選んで与えてやらねば・・・。
そう考えたイ・ガクは、手っ取り早くH&S社で問題の“水着”を手に入れることにしたのだ。
「水着、ですか?」
「すいみんぐぅとやらに通う、と・・・。」
「ああ、それなら、こちらにカタログが・・・。」
女子社員は1冊のカタログをイ・ガクが見やすいように開いてくれた。
「スイミングに通うのなら、競泳用ですかね?やっぱり。」
イ・ガクはカタログを見て、目を見開く。
何ということだ!これでは、裸も同然ではないか!
これを見てもこの女子 は何も感じぬのか?
パッカといい・・・この時代の女人は、何を考えておる?
カタログを指差しながら、最近の流行りはこれですよ、などとにこやかに説明する女子社員を凝視する。
「あ、いや、もう・・・すいみんぐぅは、止めさせることにする・・・。」
「え?ヨンチーム長?ご自身のモノをお求めではなかったのですか?」
女子社員はてっきり目の前のヨンチーム長がスイミングを始めるものと思い込み、男性用の競泳水着のページを開いて見せたのだ。
胸の筋肉も逞しい色黒の男が、爽やかそうに笑って写真に納まってはいるが・・・その爽やかな笑顔とは裏腹に、着けているのは局部の小さな布きれ1枚。
ならぬ!ならぬ!
裸も同然の男だぞ!
そこに、へそまで出して近付けば・・・襲ってくれと言うようなものではないか!
イ・ガクは踵を返して部屋を出た。女子社員が自分を呼び留めるのも無視して。
急ぎ屋根部屋に戻って来たイ・ガクは、階段を上りきった所で出かけようとするパク・ハを見咎めた。
「どこへ行く!」
「何よ?いきなり・・・どこでもいいでしょ!」
「すいみんぐぅに行くのか?」
「そのスイミングに行くための水着を買いに行くのよ。あんたには関係ないでしょ!」
イ・ガクを意識してダイエットをしようと言うのだから、大いに関係はあるのだが、そんなことは言えない。
「ならぬ!」
イ・ガクはパク・ハの手首を掴んで屋根部屋の中に連れ戻そうとした。
パク・ハはその手を振り払う。
イ・ガクは尚もパク・ハの手を捕まえようとする。
何度かそんなことを繰り返し、男の力に敵うはずもなくパク・ハは家の中に連れ戻されてしまった。
パク・ハはリビングで半ば無理矢理ソファに座らされる。
イ・ガクは掴んだパク・ハの手首を離そうともせず自分も腰掛けた。
「そなた、どういうつもりだ?」
「・・・何が?」
「そんなに男が欲しいのか?」
「は!何、言ってんのよ!」
「肩も、へそも、足も露わに、裸も同然の男に近付くとは、そういうことであろう?」
「訳の分かんないこと言ってないで!手を離しなさいよ!」
「いいや、離さぬ。淫らな女を放ってはおけぬ。」
と、突然、パク・ハがイ・ガクに口づけた。
勢いよく唇をぶつけるような、好いた恋人と交わすような甘やかさとはかけ離れた、まるで挑むような口づけだった。
「そうよ!私はあんたの言うように淫らな女ですからね!」
そう言うなり、掴まれた手首とは反対の手で着ていたシャツの裾に手を掛ける。
イ・ガクが呆然と見ている間にシャツはたくしあげられ、繋げられた手と手の間に引っかかった。
キャミソールだけになったパク・ハの姿が目に飛び込んでくる。
「あんたも男でしょ!ほら、私をどうにかしてみなさいよ!淫らに誘惑 ってやってんのよ!」
叫んでイ・ガクを睨みつけながら大粒の涙をこぼし始めた。
「・・・誘惑 われなさいよ!あんぽんたん!」
イ・ガクの手から力が抜けた。
パク・ハはその拘束から逃れ、パク・ハの着衣だったモノもはらりと落ちる。
彼女はイ・ガクの真正面に立った。
「あんたが言うように淫らな女になってやるわよ!どう?満足?」
キャミソールの裾に彼女の指が掛けられた時、イ・ガクも立ち上がり、パク・ハを掻き抱いた。
「・・・止さぬか。パッカ。・・・そのような振る舞い、そなたには、似合わぬ。」
「誰が!男を・・・あんた以外の男を!誘惑 ってるって言うのよ!」
パク・ハはしゃくりあげながらイ・ガクを見上げた。
分かっておる。・・・そなたを欲しがっているのは、私の方、なのだ。
「誰が・・・淫らに・・・」
もう、止めよ。
腕の中で、自分を見上げるパク・ハにそっと口づけを落とす。
「・・・すまぬ。・・・私が悪かった。そなたのことが、心配だったのだ。」
そなたを・・・肌を露わにしたそなたを、他の男に見せたくはない。
もう1度、唇を重ねた。
長い口づけの後、唇を離したイ・ガクが不敵に笑った。
身を屈ませると不意にパク・ハを抱き上げる。
パク・ハは思わず身を固くした。
「そなたの望みを叶えてやる。王世子が誘惑 われてやろうと言うのだ。ありがたく思うがよい。」
パク・ハは驚いて彼の双眸を見た。
熱を孕んだ男の眼。
イ・ガクの真意を悟ると、あわててその腕から逃れようとする。
彼の両腕は肩と膝にがっちりと食い込んで、びくとも動かなかった。
「おとなしく致せ。」
そう言いながら露わになっている肩に口づけを落とし、そのまま2階の自室に向かおうとする。
「・・・チョハ。さっきのは言葉のアヤと言うか、売り言葉に買い言葉と言うか・・・お願い、降ろして。」
心細げにパク・ハが言い募る。
「私はすっかりそなたに誘惑 われてしまった。」
イ・ガクは意地悪な笑みを浮かべた。
「心配せずとも、降ろしてやる。私の寝台の上に、な。」
部屋に入ると、少し乱暴に投げ出すようにしてパク・ハをベッドに降ろした。
彼女があわてて起き上がろうとすると、ドアに鍵をかけたイ・ガクが素早く戻ってきて彼女の肩をベッドに押し付ける。
首筋に口づけた後、耳元にその唇を寄せた。
「パッカ。衣を自分で脱ぐでない。着ているモノを剥ぎ取っていくのも、男の愉しみの一つなのだ。」
キャミソールの肩ひもを外す。
「ああ、しかし、私の部屋に来て、私を誘惑 いたいのなら、その時は自ら衣を脱くことも許す。
良いか?その肌を晒していいのは私にだけだ。」
分かったな?と言いながら、イ・ガクはパク・ハの肩に唇を寄せた。
___________________________________
リクエストくださった ち****様 ありがとうございました。
リクエストの内容は、「下着姿のパク・ハを見たときのイ・ガクの反応は?・・・大人(ムフっ)な話」だったのですが・・・
これってリクエストに応えてないって、言う、ね。
前振りが長すぎて・・・こうなっちまった、的な?・・・ええ、言い訳です。
でも、「イ・ガクとパク・ハなら何でも」と言って頂けてたので・・・スミマセン。甘えました。
え?続きがあるか、ですか?
さあ、どうでしょう?
カウンター 44,444 に係るリクエストにお応えした(つもりの)お話です。
楽しんで頂けると良いのですが・・・

___________________________________
ノックの音がした。
パク・ハが返事をする前にすーっとドアが開き、ひょいとイ・ガクが顔を覗かせる。
彼女はノートパソコンのディスプレイから視線をドアの方に移し、軽く肩を竦めた。
ノックをしてくるだけマシにはなった、けど・・・。
「もう!返事する前に入って来ないでよ!」
パク・ハの抗議の声にも、どこ吹く風。
「どうしたのだ?部屋に籠りきりではないか。」
イ・ガクはパク・ハに歩み寄りながら、彼女をじとっと見下ろす。
パク・ハはやれやれとでも言うように、小さく溜息を漏らした。
「あ、そうだ。チョハはどんなのがいいと思う?」
イ・ガクはパク・ハの指し示すノートパソコンの画面を覗き込んだ。
彼は一瞬目を見開き、あわてたように顔を背けた。
そして、横目でパク・ハを見ながら、またそーっと画面に視線を戻す。
スタイルの良い女性達が肌も露わにポーズをとっていた。
「な、何を見ておるのだ!」
「んー?どれがいいと思う?」
「ど、どれって・・・。」
イ・ガクがたじろいでいるのを気にする風もなく、パク・ハはマウスを動かしながら画面をスクロールしていく。
「セパレートでもいいけど・・・ワンピがいいかな?」
パク・ハはイ・ガクを見上げて、ね?と首を傾げた。
「ダイエットも兼ねて、スイミングに通おうかなって思って。」
「すいみんぐぅ?」
「そう。水泳ってね、全身運動でダイエット効果も抜群なのよ。」
「そのような格好で泳ぐと申すか?」
「水着じゃないと泳げないでしょ?」
パク・ハはさも当然だと言いたげにイ・ガクを見た。
「・・・男はおるのか?」
「え?」
「すいみんぐぅには男も来るのか、と訊いておる。」
「ああ、いるわよ、たくさん。チョハも一緒に通う?」
パク・ハはにこにことして言った。
珍しいわね、運動嫌いなのに、と首を傾げている。
「ならぬ!女だけの所ならまだしも、男も!・・・そのような所で、そのような格好で肌を晒すなど!」
はあぁ?とパク・ハは片眉を吊り上げた。
「へそまで出ておるではないか!そのように肌を晒して、
・・・それとも、何か?淫らがましく男を
イ・ガクは腹立たしそうに、強い口調で言い募る。
「はあぁ?泳ぎに行くだけでしょ!何かと言えば、淫ら、淫らって!あんたの方がよぽっど、淫らでしょ!
水着ぐらいで何考えてんのよ!この、どスケベ!あんぽんたん!」
「なっ!王世子に向かって何と申すか!」
「うるさい!出てけ!このスケベ世子!!」
パク・ハは勢いよく立ち上がり、イ・ガクの肩を押しやって部屋から追い出そうとした。
不意のことでイ・ガクもバランスを崩し、そのままドアの外に押し出されてしまう。
「返事も待たずに入って来ないで!」
バタンとドアは閉じられ、ガチャリと鍵をかける音もした。
「パッカ!開けろ。開けぬか!
この屋根部屋を誰のモノだと心得る!ここを開けよ!」
激しくドアを叩いてみてもドアは開けられることはない。
イ・ガクは溜息を吐いた。
どうして分からぬのだ?へそなど晒して・・・男が何と思うと考えている?
そなたにその気がなくとも・・・男とはそういうものなのだ。
男である自分にはよく分かる。
スケベだと!この私に向かって!
はあああぁ。
・・・・スケベでないと子が生せぬではないか・・・男とは、そういうものなのだ。
ドアの内側でも、パク・ハが溜息を吐いていた。
チョハのあんぽんたん!なんで、他の男を
・・・私が誰を意識してダイエットしようと思ってるのか、考えもしないクセに!!
こうなったら、飛び切りスタイル良くなってびっくりさせてやるんだから!
見てなさいよ!どスケベ世子め!!!
翌日。
イ・ガクは会社で、商品企画室を訪ねた。
「あ、ヨンチーム長。何か御用ですか?」
一人の女子社員がイ・ガクに気付いて声を掛けてくる。
「・・・うむ。水着を求めたいのだが・・・。」
パッカに、人前で、まして男もいるような場所で肌を晒させる、というのは許せぬ。
だが、しかし、あの意地っ張りのパッカのこと。どんなに、ならぬ、と止めても“すいみんぐぅ”とやらには行くつもりだろう。
ならば、少しでも露出の少ないモノを、自らが選んで与えてやらねば・・・。
そう考えたイ・ガクは、手っ取り早くH&S社で問題の“水着”を手に入れることにしたのだ。
「水着、ですか?」
「すいみんぐぅとやらに通う、と・・・。」
「ああ、それなら、こちらにカタログが・・・。」
女子社員は1冊のカタログをイ・ガクが見やすいように開いてくれた。
「スイミングに通うのなら、競泳用ですかね?やっぱり。」
イ・ガクはカタログを見て、目を見開く。
何ということだ!これでは、裸も同然ではないか!
これを見てもこの
パッカといい・・・この時代の女人は、何を考えておる?
カタログを指差しながら、最近の流行りはこれですよ、などとにこやかに説明する女子社員を凝視する。
「あ、いや、もう・・・すいみんぐぅは、止めさせることにする・・・。」
「え?ヨンチーム長?ご自身のモノをお求めではなかったのですか?」
女子社員はてっきり目の前のヨンチーム長がスイミングを始めるものと思い込み、男性用の競泳水着のページを開いて見せたのだ。
胸の筋肉も逞しい色黒の男が、爽やかそうに笑って写真に納まってはいるが・・・その爽やかな笑顔とは裏腹に、着けているのは局部の小さな布きれ1枚。
ならぬ!ならぬ!
裸も同然の男だぞ!
そこに、へそまで出して近付けば・・・襲ってくれと言うようなものではないか!
イ・ガクは踵を返して部屋を出た。女子社員が自分を呼び留めるのも無視して。
急ぎ屋根部屋に戻って来たイ・ガクは、階段を上りきった所で出かけようとするパク・ハを見咎めた。
「どこへ行く!」
「何よ?いきなり・・・どこでもいいでしょ!」
「すいみんぐぅに行くのか?」
「そのスイミングに行くための水着を買いに行くのよ。あんたには関係ないでしょ!」
イ・ガクを意識してダイエットをしようと言うのだから、大いに関係はあるのだが、そんなことは言えない。
「ならぬ!」
イ・ガクはパク・ハの手首を掴んで屋根部屋の中に連れ戻そうとした。
パク・ハはその手を振り払う。
イ・ガクは尚もパク・ハの手を捕まえようとする。
何度かそんなことを繰り返し、男の力に敵うはずもなくパク・ハは家の中に連れ戻されてしまった。
パク・ハはリビングで半ば無理矢理ソファに座らされる。
イ・ガクは掴んだパク・ハの手首を離そうともせず自分も腰掛けた。
「そなた、どういうつもりだ?」
「・・・何が?」
「そんなに男が欲しいのか?」
「は!何、言ってんのよ!」
「肩も、へそも、足も露わに、裸も同然の男に近付くとは、そういうことであろう?」
「訳の分かんないこと言ってないで!手を離しなさいよ!」
「いいや、離さぬ。淫らな女を放ってはおけぬ。」
と、突然、パク・ハがイ・ガクに口づけた。
勢いよく唇をぶつけるような、好いた恋人と交わすような甘やかさとはかけ離れた、まるで挑むような口づけだった。
「そうよ!私はあんたの言うように淫らな女ですからね!」
そう言うなり、掴まれた手首とは反対の手で着ていたシャツの裾に手を掛ける。
イ・ガクが呆然と見ている間にシャツはたくしあげられ、繋げられた手と手の間に引っかかった。
キャミソールだけになったパク・ハの姿が目に飛び込んでくる。
「あんたも男でしょ!ほら、私をどうにかしてみなさいよ!淫らに
叫んでイ・ガクを睨みつけながら大粒の涙をこぼし始めた。
「・・・
イ・ガクの手から力が抜けた。
パク・ハはその拘束から逃れ、パク・ハの着衣だったモノもはらりと落ちる。
彼女はイ・ガクの真正面に立った。
「あんたが言うように淫らな女になってやるわよ!どう?満足?」
キャミソールの裾に彼女の指が掛けられた時、イ・ガクも立ち上がり、パク・ハを掻き抱いた。
「・・・止さぬか。パッカ。・・・そのような振る舞い、そなたには、似合わぬ。」
「誰が!男を・・・あんた以外の男を!
パク・ハはしゃくりあげながらイ・ガクを見上げた。
分かっておる。・・・そなたを欲しがっているのは、私の方、なのだ。
「誰が・・・淫らに・・・」
もう、止めよ。
腕の中で、自分を見上げるパク・ハにそっと口づけを落とす。
「・・・すまぬ。・・・私が悪かった。そなたのことが、心配だったのだ。」
そなたを・・・肌を露わにしたそなたを、他の男に見せたくはない。
もう1度、唇を重ねた。
長い口づけの後、唇を離したイ・ガクが不敵に笑った。
身を屈ませると不意にパク・ハを抱き上げる。
パク・ハは思わず身を固くした。
「そなたの望みを叶えてやる。王世子が
パク・ハは驚いて彼の双眸を見た。
熱を孕んだ男の眼。
イ・ガクの真意を悟ると、あわててその腕から逃れようとする。
彼の両腕は肩と膝にがっちりと食い込んで、びくとも動かなかった。
「おとなしく致せ。」
そう言いながら露わになっている肩に口づけを落とし、そのまま2階の自室に向かおうとする。
「・・・チョハ。さっきのは言葉のアヤと言うか、売り言葉に買い言葉と言うか・・・お願い、降ろして。」
心細げにパク・ハが言い募る。
「私はすっかりそなたに
イ・ガクは意地悪な笑みを浮かべた。
「心配せずとも、降ろしてやる。私の寝台の上に、な。」
部屋に入ると、少し乱暴に投げ出すようにしてパク・ハをベッドに降ろした。
彼女があわてて起き上がろうとすると、ドアに鍵をかけたイ・ガクが素早く戻ってきて彼女の肩をベッドに押し付ける。
首筋に口づけた後、耳元にその唇を寄せた。
「パッカ。衣を自分で脱ぐでない。着ているモノを剥ぎ取っていくのも、男の愉しみの一つなのだ。」
キャミソールの肩ひもを外す。
「ああ、しかし、私の部屋に来て、私を
良いか?その肌を晒していいのは私にだけだ。」
分かったな?と言いながら、イ・ガクはパク・ハの肩に唇を寄せた。
___________________________________
リクエストくださった ち****様 ありがとうございました。
リクエストの内容は、「下着姿のパク・ハを見たときのイ・ガクの反応は?・・・大人(ムフっ)な話」だったのですが・・・
これってリクエストに応えてないって、言う、ね。

前振りが長すぎて・・・こうなっちまった、的な?・・・ええ、言い訳です。

でも、「イ・ガクとパク・ハなら何でも」と言って頂けてたので・・・スミマセン。甘えました。

え?続きがあるか、ですか?
さあ、どうでしょう?

~ Comment ~