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「短話シリーズ」
ごっこ遊び

ようこそ、屋根部屋へ ~テヨン編~

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屋根部屋の灯りは点いていなかった。

え?パッカ、まだ店なのか?

遅くなりそうだから先に帰ってて、とメールをして、分かった、と返信も来ていたのに。
僕は急いで玄関のロックを解除してドアに手を掛けた。


ガチャリ


「いらっしゃいませ。」


え?


肩も露わなチューブトップの黒いミニドレス姿のパッカが、薄暗がりの中、にこやかに出迎えてくれた。


どうしたの?パッカ。・・・その恰好。
・・・そんなドレス、持ってた?


驚いている僕を上目使いに見て、パッカは、こちらへどうぞ、とリビングの方へといざなおうとする。

いつもの僕の家の筈なのに、どこか違う空間に連れて来られたよう・・・。

それもそのはず、天井のメインライトは点いておらず、スタンドのオレンジ色の光も仄暗く、観葉植物の姿をぼぉっと浮かび上がらせているだけ。
テーブルの上には何本かのろうそくの炎が揺らめいていた。


パッカに導かれるままにリビングのソファに腰かけた。
どうぞ、とパッカは湯気の立つおしぼりを拡げて渡してくれる。

「ようこそ。クラブ『屋根部屋(オクタッパン)』へ。」


クラブ?屋根部屋(オクタッパン)


「何になさいます?お客様?」

・・・そういうことか。
僕は思わずほくそ笑んだ。

「じゃあ、まずはビールを。」


パッカはビールで満たされたピッチャーを運んできた。
次いで、チーズや生ハムが盛られた皿も運んでくる。

彼女はビアグラスにビールを注いで僕の目の前に置いた。

「一人じゃ乾杯できない。」

僕はソファの背もたれにもたれかかったまま、片目を瞑ってみせた。

パッカは口の端を少しだけ上げる。
彼女が持ってきたもう一つのビアグラスに、今度は僕がビールを注いだ。

「お客様、何に乾杯しましょうか?」

パッカはグラスを眼の高さに持ち上げて少し傾ける。

「君の美しさに。」

僕もグラスを持ち上げ、また片目を瞑ってみせる。
パッカは一瞬目を見開いたが、意味ありげに微笑んだ。

「お上手ね。誰にでも言ってらっしゃるんでしょう?」

「まさか。僕は、君ほどの美人を知らない。」


僕達はグラスを合わせた。


グラスもよく冷やされている。
苦み走った液体が喉を通るのが心地よい。

「疲れも吹き飛ぶ。」

パッカは、良かった、と微笑んだ。

「こんな素敵なお客様に来ていただけるなんて・・・嬉しいわ。」

「僕の方こそ、こんな美人ママのお店だったら毎日通いたいね。」

仄暗いリビングのソファで僕の向かいに腰かけるパッカの白い膝が、滑らかな肩が、
否が応にも触れてみたい衝動を煽りたてる。


パッカは僕の妻だ。何の遠慮が要るものか・・・。


しかし、パッカの仕掛けたこの妙な遊びでは、彼女はクラブのママで、僕は客。
故に己の衝動を抑えようとして、それが更に胸を高揚させるのだった。

それでも、衝動を抑えられずに、彼女の膝頭にそっと手を滑らせた。
パッカは一瞬身を捩る。

「いけない人ね。」

「どうして?」

「奥様がいらっしゃるでしょう?」

彼女は、自らの膝の上の、僕の左手の薬指のリングをゆっくりと撫でた。

「うん。妻以外の女性に触れたいとは思わないよ。」


僕は立ち上がり、彼女の隣に座り直した。
もう一度膝に手を置き、円を描くように撫でる。

「だけどね、彼女は僕以外の男にも笑いかけるんだ。」

「なっ・・・」

抗議の声を上げそうになったパッカの唇を塞ぐ。

「ジュースショップを切り盛りする僕の奥さんは、自覚なく、男を上せさせるんだよ。」

更に何か言いたげなパッカの唇を塞ぎながら、僕の手は膝から太腿の内側へと滑り込んでいった。

「でも、この店はいいね。客は僕一人で、君の笑顔は僕だけのものだ。」

「止めて。・・・お客様、止めてください。」



パッカ。まだ、続けるつもりなの?



「『お客様』なんて釣れないな。『テヨン』だよ。『テヨン』て呼ばなきゃ止めない。」

肩から首筋に向かって唇を充てながら、僕は低く囁いた。

「・・・テヨンさん、待って。」

「『さん』は要らない。ただの『テヨン』だ。」

「・・・テヨンァ・・・お願い、待って。」

何時にないその呼ばれ方に、ぞくりとした快感が背中を走る。


待つ気も、止める気も、更々ない。


僕はパッカに圧し掛かった。

「テヨンさん・・・嘘吐き。」

「パッカ、呼び方が違うよ。」

「・・・テヨンァ・・・。」

パッカは僕の名前を呼んで、観念したように瞳を閉じた。




____________



いや、なんか・・・
いつにも増して、駄文ですね・・・。

パッカに「テヨンァ」と呼ばせてみたかっただけなんです。(苦笑)

カタカナにすることに無理があるんですけれど・・・
「テヨン」の『ン』はユチョンの『ン』と違います。
ユチョンの『ン』は『n』なので『ア』を付けて呼ぶと「ユチョナ」になります。
対して、テヨンの『ン』は『ng』の発音なので・・・
ドラマで、家族がテヨンを呼ぶときの発音を聞くと、私には「テヨワ」とか聞こえます。
『ワ』のような『グァ』のような・・・鼻に掛かったような音です。
(ちなみにジェジュンの『ン』もこっちの音なんですよね。)

私、この「テヨワ」の呼び方が好きでして・・・
「さん」付でパク・ハに呼ばせていたのは、私の勝手なイメージからでしたが
文字にする時に「テヨワ」とか「テヨグァ」だとどうなんだろう?と思ってたのもあって
「テヨンァ」も伝わりにくい気がしてて・・・

韓国語の音をカタカナにって、難しいです。
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~ Comment ~

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NoTitle

きゃっ!
こんな、遊びが出来るなんてパッカもテヨンァも
余裕~でも、この勝負、テヨンァの勝ち?かな?

Re: み****様へ

み****さま

映像が目に浮かぶとは、極上の褒め言葉です!
こちらこそ、ありがとうございます。<m(__)m>

韓国語の勉強の手始めとして、CD聞きながら歌う、と言うのは入りやすいですよね。
私は勉強も停滞してて、とても字幕なしではドラマ視聴なんてできませんが・・・(汗)

ご質問もありがとうございます。
早速、確認したので記事上でお応えしますね。

上から目線なんてとんでもない。全然、ですよ!
ホント、健康でないとユチョンを愛することもできません。(笑)
お互いに気を付けましょうね。v-91

Re: ほ**様へ

ほ**さま

こんにちは。

のほほほ。楽しい「プレイ」でした?
結婚後のある夜を書いてみましたよ。

気障なセリフを照れもなく言えるのは、パッカがそんな演出をしてくれたから。
最終的には、いつものテヨンですけどね。(いや、エロ度は増してる?)(笑)

私の「放置プレイ」も楽しんで頂いて・・・って違うやろー!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
喜んでキリンになってくださってありがとうございます。(スミマセン、いつも。)

Re: t*******様へ

t*******さま

お久しぶりです。
足跡残し、ありがとうございます!ホントに嬉しい!!

はい、字幕派です、私も。
あの韓国語の独特な感じ、特に「テヨワ」とパッカが熱っぽく呼ぶところを想像したら、なんかぞくぞくするんですよね。
(私がぞくぞくしてどうする!笑)

あの音をカタカナにするには無理がある。
ご理解頂けてホント嬉しい。
t*******さんもお忙しい中、嬉しいコメを頂いて小踊っています。♪(´ε` )

Re: やすべぇ様へ

やすべぇさま

時間軸としては、無事に結婚して間もなく・・・。
二人ともそういう余裕が出てたんですかねぇ。(笑)

> でも、この勝負、テヨンァの勝ち?かな?
うふふ。そうかも知れないですね。♡

NoTitle

ありちゃんさん、こんにちは(#^.^#)

子どもの頃によくやった、懐かしのお店屋さんごっこ!
あ、いえ、こちらはかなりアダルティな感じですが・・(笑)
次の日、パク・ハが帰宅したら、今度はホストクラブになっていたりして~!
もしくは白衣を着たテヨンがいて、お医者さんごっことか・・?
嘘です、嘘です。忘れてください(笑)


更新、嬉しかったです♪
ありちゃんさんもお忙しいと思いますが、がんばってくださいね。

Re:瑞月さまへ

瑞月さま

こんにちは。

> 子どもの頃によくやった、懐かしのお店屋さんごっこ!
そうそう、それです。
仰る通り大人な遊びになってますが・・・。(笑)

> 次の日、パク・ハが帰宅したら、今度はホストクラブになっていたりして~!
あ、それは全然考えてませんでしたが・・・頂き!(ニヤリ)

> もしくは白衣を着たテヨンがいて、お医者さんごっことか・・?
あ、それはちらっと考えました。(パス付ですかね。笑)

> 嘘です、嘘です。忘れてください(笑)
いや、忘れられないです。(笑)
「ごっご遊び」とかでカテゴライズしちゃいますかね。(ニヤリ)

励ましのお言葉もありがとうございます。<m(__)m>

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Re: て*****様へ

て*****さま

こちらこそ、ありがとうございます。
そのように言って頂けて、書き手として感無量であります。\(◎o◎)/!

> やけにテヨンァが色っぽくて私はまりました。
そうですか?良かった!!

字幕なし、何事も目標を持つことは大事かと・・・。
私は、目標に向かって、早、何年経つのか・・・。(遠い目)

イ・ガク編・・・それは考えてませんでした。
ちょっと妄想の森を彷徨ってきたいと思います。(笑)
(期待に応えられるかは・・・謎ですが。期待をされることは嬉しいです。ww)
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