「短話シリーズ」
ごっこ遊び
ようこそ、屋根部屋へ ~イ・ガク編~
屋根部屋の灯りは点いていなかった。
パッカ?まだ帰っておらぬのか?
先に帰っておれと申しつけたに・・・。
イ・ガクは急いで玄関のロックを解除してドアに手を掛けた。
ガチャリ
「いらっしゃいませ。」
なんだと・・・?
薄暗がりの中、パク・ハがにこやかに立っている。
しかも、身に着けているのは黒いチューブトップのミニドレス。
滑らかな両肩も、白い膝も露わな、あられもない姿を見て、イ・ガクは大きく目を見開き、次には怒鳴った。
「そなた!なんだ、その恰好は!!」
パク・ハはそんな反応は承知の上なのか、笑顔を崩さずイ・ガクに会釈をした。
こちらへどうぞ、とリビングの方へ彼を誘 おうとする。
イ・ガクは、何を考えておる!慎みを持たぬのか!全く、そなたは!と、ぶつぶつと言いながらもパク・ハに付いてリビングに入った。
リビングは暗かった。
天井のメインライトは点いておらず、スタンドのオレンジ色の光も仄暗く、観葉植物の姿をぼぉっと浮かび上がらせているだけ。
テーブルの上には何本かのろうそくの炎が揺らめいていた。
パク・ハに促されてソファに腰かけたイ・ガクは訝しげパク・ハを見る。
「・・・何だ?何故、灯りを灯さぬ?」
パク・ハは意に介さず、どうぞ、と湯気の立つおしぼりを拡げてイ・ガクに手渡そうとした。
イ・ガクはおしぼりごとパク・ハの手を掴む。
「何のつもりだ?私の問いに答えよ。」
「ようこそ。クラブ『屋根部屋 』へ。」
・・・くらぶ?
確かに、ここは私の『屋根部屋 』には違いない。
しかし『くらぶ』というのは何だ?
呆気にとられるイ・ガクのその手の拘束から逃れ、パク・ハは静かに微笑んだ。
「何になさいます?お客様?」
客・・・だと?
イ・ガクは合点がいかぬ様子で辺りを見廻す。
テーブルの上には空のグラスと氷で満たされたアイスピッチャー、アルコールと思しき液体とこれまた水で満たされたウォーターピッチャー。
皿に盛られた料理は、酒の肴のようだ。
以前、接待で連れて行かれた酒の席を思い出す。
妓楼・・・のつもりか?
イ・ガクはにやりとほくそ笑んだ。
「焼酎がよい。」
ソファの背もたれにふんぞり返ってイ・ガクが言った。
パク・ハはグラスに氷を入れ、焼酎を注ぐ。
「私の隣に座れ。」
パク・ハへ命令するその高慢さは、いつもの二割増しだ。
対する彼女はいつもと違って、口答えすることなく素直にイ・ガクに従った。
従順なその様子は王世子を上機嫌にさせた。
酒がすすみイ・ガクもほろ酔い気分になってくる。
パク・ハの胸元の谷間は強調されていた。
ミニ丈のドレスの裾はせり上がり、太腿も露わだ。
遠慮のないイ・ガクの視線が、パク・ハに絡みつく。
ビジネスの相手もいないし、臣下の姿もない。
いつになく羽目を外した王世子の姿があった。
高く笑いながらパク・ハの肩に手を廻し、反対の手は彼女の白い膝の上にある。
イ・ガクの手が膝から太腿の方に滑り込んでいった。
パク・ハは一瞬身を捩る。
「止めて。・・・お客様、止めてください。」
パッカ。・・・そなた、私をもてなしてくれるのであろう?
不意にイ・ガクがパク・ハの唇を塞いだ。
長い口づけの後、パク・ハの顔を覗き込む。
「そなたも飲め。」
そう言うなりイ・ガクはグラスを手に取った。
グラスの中の液体を自らの口に含ませる。
そして、パク・ハに圧し掛かるようにして、口移しで彼女の喉に液体を注ぎ込んだ。
予想外のイ・ガクの行動に、パク・ハは思わず眉根を寄せる。
口から零れ落ちた焼酎が彼女の顎を伝った。
口づけから解放されたパク・ハは激しく咳き込んだ。
ゼイゼイと苦しむパク・ハをイ・ガクは意地悪く見つめていた。
息が整うとパク・ハは涙目になりながらイ・ガクを睨みつける。
「酷いわ! チョハ!!」
思わず振り上げた彼女の拳をイ・ガクが掴んだ。
「・・・王世子に手を上げるか?」
イ・ガクは怒ってはいない。
意地悪な笑みを浮かべたままパク・ハの滑らかな肩から首筋に向かって唇を充て低く囁く。
「そなた、妓生 なのであろう?
ならば、今宵は私の相手を致せ。」
イ・ガクの唇は彼女の首筋を這い、手は白い太腿の内側を撫でていた。
「・・・チョハ・・・。」
パク・ハは、一言イ・ガクに呼びかけ、観念したように瞳を閉じた。
___________
読者様のコメントに触発されて・・・
イ・ガク編、書いちゃいました。
いやあ
テヨンの時より・・・楽しかった。(笑)
(やってることは一緒だけど・・・チョハ、S 全開!)
現代の「クラブ」は(と言っても、「クラブ」自体を私自身はよく知らないのですが・・・
)
「妓楼」とは違いますよね。
ま、でも、女性がお酒の相手を務めるという意味で、イ・ガクは「妓楼」と理解したのだと・・・
で、妓楼に居てお酌をしてくれる女性は「妓生」である、というわけでこんな流れに・・・。
こんな風に誘ったパク・ハが悪い、とイ・ガクは思っているに違いありません。
パッカ?まだ帰っておらぬのか?
先に帰っておれと申しつけたに・・・。
イ・ガクは急いで玄関のロックを解除してドアに手を掛けた。
ガチャリ
「いらっしゃいませ。」
なんだと・・・?
薄暗がりの中、パク・ハがにこやかに立っている。
しかも、身に着けているのは黒いチューブトップのミニドレス。
滑らかな両肩も、白い膝も露わな、あられもない姿を見て、イ・ガクは大きく目を見開き、次には怒鳴った。
「そなた!なんだ、その恰好は!!」
パク・ハはそんな反応は承知の上なのか、笑顔を崩さずイ・ガクに会釈をした。
こちらへどうぞ、とリビングの方へ彼を
イ・ガクは、何を考えておる!慎みを持たぬのか!全く、そなたは!と、ぶつぶつと言いながらもパク・ハに付いてリビングに入った。
リビングは暗かった。
天井のメインライトは点いておらず、スタンドのオレンジ色の光も仄暗く、観葉植物の姿をぼぉっと浮かび上がらせているだけ。
テーブルの上には何本かのろうそくの炎が揺らめいていた。
パク・ハに促されてソファに腰かけたイ・ガクは訝しげパク・ハを見る。
「・・・何だ?何故、灯りを灯さぬ?」
パク・ハは意に介さず、どうぞ、と湯気の立つおしぼりを拡げてイ・ガクに手渡そうとした。
イ・ガクはおしぼりごとパク・ハの手を掴む。
「何のつもりだ?私の問いに答えよ。」
「ようこそ。クラブ『
・・・くらぶ?
確かに、ここは私の『
しかし『くらぶ』というのは何だ?
呆気にとられるイ・ガクのその手の拘束から逃れ、パク・ハは静かに微笑んだ。
「何になさいます?お客様?」
客・・・だと?
イ・ガクは合点がいかぬ様子で辺りを見廻す。
テーブルの上には空のグラスと氷で満たされたアイスピッチャー、アルコールと思しき液体とこれまた水で満たされたウォーターピッチャー。
皿に盛られた料理は、酒の肴のようだ。
以前、接待で連れて行かれた酒の席を思い出す。
妓楼・・・のつもりか?
イ・ガクはにやりとほくそ笑んだ。
「焼酎がよい。」
ソファの背もたれにふんぞり返ってイ・ガクが言った。
パク・ハはグラスに氷を入れ、焼酎を注ぐ。
「私の隣に座れ。」
パク・ハへ命令するその高慢さは、いつもの二割増しだ。
対する彼女はいつもと違って、口答えすることなく素直にイ・ガクに従った。
従順なその様子は王世子を上機嫌にさせた。
酒がすすみイ・ガクもほろ酔い気分になってくる。
パク・ハの胸元の谷間は強調されていた。
ミニ丈のドレスの裾はせり上がり、太腿も露わだ。
遠慮のないイ・ガクの視線が、パク・ハに絡みつく。
ビジネスの相手もいないし、臣下の姿もない。
いつになく羽目を外した王世子の姿があった。
高く笑いながらパク・ハの肩に手を廻し、反対の手は彼女の白い膝の上にある。
イ・ガクの手が膝から太腿の方に滑り込んでいった。
パク・ハは一瞬身を捩る。
「止めて。・・・お客様、止めてください。」
パッカ。・・・そなた、私をもてなしてくれるのであろう?
不意にイ・ガクがパク・ハの唇を塞いだ。
長い口づけの後、パク・ハの顔を覗き込む。
「そなたも飲め。」
そう言うなりイ・ガクはグラスを手に取った。
グラスの中の液体を自らの口に含ませる。
そして、パク・ハに圧し掛かるようにして、口移しで彼女の喉に液体を注ぎ込んだ。
予想外のイ・ガクの行動に、パク・ハは思わず眉根を寄せる。
口から零れ落ちた焼酎が彼女の顎を伝った。
口づけから解放されたパク・ハは激しく咳き込んだ。
ゼイゼイと苦しむパク・ハをイ・ガクは意地悪く見つめていた。
息が整うとパク・ハは涙目になりながらイ・ガクを睨みつける。
「酷いわ! チョハ!!」
思わず振り上げた彼女の拳をイ・ガクが掴んだ。
「・・・王世子に手を上げるか?」
イ・ガクは怒ってはいない。
意地悪な笑みを浮かべたままパク・ハの滑らかな肩から首筋に向かって唇を充て低く囁く。
「そなた、
ならば、今宵は私の相手を致せ。」
イ・ガクの唇は彼女の首筋を這い、手は白い太腿の内側を撫でていた。
「・・・チョハ・・・。」
パク・ハは、一言イ・ガクに呼びかけ、観念したように瞳を閉じた。
___________
読者様のコメントに触発されて・・・
イ・ガク編、書いちゃいました。

いやあ
テヨンの時より・・・楽しかった。(笑)
(やってることは一緒だけど・・・チョハ、S 全開!)
現代の「クラブ」は(と言っても、「クラブ」自体を私自身はよく知らないのですが・・・

「妓楼」とは違いますよね。
ま、でも、女性がお酒の相手を務めるという意味で、イ・ガクは「妓楼」と理解したのだと・・・
で、妓楼に居てお酌をしてくれる女性は「妓生」である、というわけでこんな流れに・・・。
こんな風に誘ったパク・ハが悪い、とイ・ガクは思っているに違いありません。

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- ようこそ、屋根部屋へ ~パク・ハ編~
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~ Comment ~
Re: やすべぇ様へ
やすべぇさま
> 仕掛けたパッカが丸め込まれるという
> 事態で...
ホントに、彼らの思うツボですよね。(笑)
> 仕掛けて、あたふたするパッカに萌えます。
にょほほほ。
パク・ハ編でもあたふたしてるんで、楽しんでください。ww
> 靴にビックリ!
> やっぱり180㎝は大きいんだなぁとー
そんなに大きいですか?
手も大きいし・・・足も大きいのかな?
> (匂いはいいだろうとーあまり変わりのないことをしましたが、
手は触れてないから、問題なしです!!
> きれいにクリーニングされていたのか、香りませんでした。)
うーん。それは残念。(あ、違うか・・・笑)
> 仕掛けたパッカが丸め込まれるという
> 事態で...
ホントに、彼らの思うツボですよね。(笑)
> 仕掛けて、あたふたするパッカに萌えます。
にょほほほ。
パク・ハ編でもあたふたしてるんで、楽しんでください。ww
> 靴にビックリ!
> やっぱり180㎝は大きいんだなぁとー
そんなに大きいですか?
手も大きいし・・・足も大きいのかな?
> (匂いはいいだろうとーあまり変わりのないことをしましたが、
手は触れてないから、問題なしです!!
> きれいにクリーニングされていたのか、香りませんでした。)
うーん。それは残念。(あ、違うか・・・笑)
Re: て*****様へ
て*****さま
私の方こそありがとうございます。<m(__)m>
夢ではございませんよ。(笑)
妄想脳が刺激されると、止まりませんで・・・
ムラッ気の強い更新でスミマセンです。(汗)
でも、楽しんで頂けたようで嬉しいです。!(^^)!
調子に乗ってパク・ハ編も投下しました。こちらも楽しんで頂けると嬉しいです。<m(__)m>
私の方こそありがとうございます。<m(__)m>
夢ではございませんよ。(笑)
妄想脳が刺激されると、止まりませんで・・・
ムラッ気の強い更新でスミマセンです。(汗)
でも、楽しんで頂けたようで嬉しいです。!(^^)!
調子に乗ってパク・ハ編も投下しました。こちらも楽しんで頂けると嬉しいです。<m(__)m>
Re: ほ**様へ
ほ**さま
イ・ガクの思うツボでしたね。(笑)
パッカを侍らせて楽しそう。ww
そうか、対面を保つためにSっ気全開だったんですね。
納得しました。^m^
イ・ガクの思うツボでしたね。(笑)
パッカを侍らせて楽しそう。ww
そうか、対面を保つためにSっ気全開だったんですね。
納得しました。^m^
またまた、
事態で...こういうことされると、男の人って
たまらないでしょうね~その辺り、イ ガクも
純粋な男だから、かわいいと思っちゃいますもんね!
仕掛けて、あたふたするパッカに萌えます。
ところで、いま東京の三軒茶屋で匂いを~の
DVD発売記念、衣装などの展示をやってます。
見に行ってきました。台本と靴、衣装があったのですが
靴にビックリ!我が家の男性人は背丈のわりに
小足なので、あぁ、やっぱり180㎝は大きいんだなぁとー
私みたいな人が数人いらして、衣装に触らないで!って
書いてあるのに、上着めくったり~(私はそこまで、おばさんじゃないぞ~)
と妙なプライドがちょっこと....
(匂いはいいだろうとーあまり変わりのないことをしましたが、
きれいにクリーニングされていたのか、香りませんでした。)