「短話シリーズ」
ごっこ遊び
ようこそ、屋根部屋へ ~パク・ハ編~
屋根部屋の灯りは点いていなかった。
あれ?
テヨンさん、出掛けてるのかしら?
今日は午後から家でするコトがあるって言ってたのに・・・。
私は急いで玄関のロックを解除してドアに手を掛けた。
ガチャリ
「いらっしゃいませ。」
え?
薄暗がりの中、テヨンさんが迎えてくれる。
でも・・・その姿は・・・。
スーツの中の薄紫色のカラーシャツは胸元までボタンが外され、ゴールドのネックレスが揺れているのが見えた。
左耳にはピアスも光っている。
髪はワックスで立ち上げられ、形の良い額が露わになっていた。・・・いつもと印象が、違う。
テヨンさんは、私の手からスーパーの袋を掠め取ると、こちらへどうぞ、とリビングの方へと誘 おうとする。
私は何だかドキドキして彼の後に付いて行った。
リビングは暗かった。
天井のメインライトは点いておらず、スタンドのオレンジ色の光も仄暗く、観葉植物の姿をぼぉっと浮かび上がらせているだけ。
テーブルの上には何本かのろうそくの炎が揺らめいていた。
ソファに座るよう促されたのだけれど、・・・私は緊張してしまって、浅く腰掛けていた。
テヨンさんは床に片膝をついて、どうぞ、と湯気の立つおしぼりを拡げて手渡してくれる。
「ようこそ。クラブ『屋根部屋 』へ。」
クラブ?屋根部屋 ?
「お嬢さん 、楽にして。
最初は何をお持ちしましょうか?ビール?焼酎?」
え?・・・これって、ホストクラブのつもりなの?
「えっと・・・ビールを。」
「分かりました。」
テヨンさんは微笑んで応じてくれた。その笑顔がやけにセクシーで、私はドキドキが止まらない。
部屋が暗くて、良かったかも・・・火照った頬を見られずに、済む。
テヨンさんはビールで満たされたピッチャーとビアグラスを二つ運んできた。
次いで、チーズや生ハムが盛られた皿も持ってくる。
ビアグラスに液体を注ぎ入れ、一つは私に渡してくれた。もう一つはテヨンさん自身が手に取り、私の隣にすっと腰かける。
彼は身体ごと私の方を向いてグラスを傾け・・・またセクシーに微笑んだ。
「お近づきに、乾杯しましょう。」
私は彼の顔をまともに見ていられなくて、グラスを持つ少し骨ばった長い指に視線を固定していた。
「お嬢さん の美しさに、乾杯。」
そのままの流れでグラスを合わせたけれど・・・。
“美しい”なんて、言葉のチョイスが間違ってる、と思う。
今日の私の格好ときたら、何の飾り気もない白い綿のシャツに細身のジーンズ、上にパーカーを羽織っただけの普段着。
化粧だって全くしてないわけではないけれど・・・。
思わず、溜息が出ちゃう。
「浮かない顔だね?お嬢さん 。」
「その“お嬢さん ”って言うの、止めて。
いつも通り“パッカ”って呼んでよ。」
私は唇を突き出して抗議した。
テヨンさんは優しく微笑んでいる。
それは、いつもの優しい微笑みの筈なのに・・・何かが、違う。艶があると言うのか・・・。
「パッカ。」
彼は、低く湿っぽい声で私を呼んだ。
「パッカ。・・・これで、いい?」
私は呪縛に掛かったみたいにテヨンさんの瞳に捉えられて、動けない。
何なの?どうしちゃったの?
「それで?パッカ、浮かない顔の理由は何?」
「・・・私・・・美しく、ないよ。」
「どうして?綺麗で、可愛いよ。」
私は首を横に振った。
「困ったお嬢さん だね。僕を信じてはくれないのか・・・。」
「だって!私、普段着よ?
テヨンさんがこんな風にお酒が飲みたかったのなら・・・
私だって、飛び切りのお洒落をしたのに!」
テヨンさんは一瞬目を見開いて、次にはにこりと笑った。
・・・どきっとする。
「それは嬉しいね。・・・僕もお洒落をした甲斐があったってことだ。
パッカは・・・」
テヨンさんの腕が伸びてきて、身体をグッと引き寄せられた。
「こういうの、好き?」
私はどぎまぎして・・・それでも、こくりと頷いた。
「僕、イケてるかい?」
「・・・素敵よ。・・・ドキドキする。」
「じゃあ、僕の店『屋根部屋 』に通ってくれるね?」
・・・何、それ?
この遊び、そんなにしょっちゅうするつもりなの?
「どうしようかしら?あなた、モテそうだもの。お客さん、いっぱい付いてるでしょ?」
わざとそっぽを向いて、目だけで彼のことを見る。
テヨンさんは悪戯っぽく笑ってた。
「それが、パッカだけなんだよね。・・・パッカだけだから、特別サービスするよ。」
テヨンさんはやおらビアグラスを掴んだ。
グラスに口を着けてビールを飲む。
・・・違う。口に含んでるだけだわ。
と思ってる間に、そのまま口づけられてしまった。
テヨンさんの冷たい唇から、もっと冷たくてほろ苦い液体が注ぎ込まれてくる。
・・・こんなの、悪酔いしそう。
私がビールを飲み下したのを確認して、彼はその舌で私の唇に残る液体を舐めとった。
そのまま顎から首筋へと彼の冷えた唇が下がっていく。
「・・・テヨンさん、待って。」
「サービスは、これからだよ。」
私は抵抗できなくなって、そっと瞳を閉じた。
___________
そして、遂にパク・ハ編。
こちらも読者様のコメントに触発されての妄想でした。
いやあ、
テヨンのホストクラブ・・・行ってみたい。
(ホストクラブなんて行ったことありません。なので、どんなところかも知りません。
)
バレンタインには間に合いませんでしたが・・・
クラブ『屋根部屋 』3部作ってことで、お楽しみ頂けたら幸いです。
いや、元々バレンタイン企画ってワケでもなかったんですけどね。
連載、頑張るって、誰が言ったのかなぁ。
あれ?
テヨンさん、出掛けてるのかしら?
今日は午後から家でするコトがあるって言ってたのに・・・。
私は急いで玄関のロックを解除してドアに手を掛けた。
ガチャリ
「いらっしゃいませ。」
え?
薄暗がりの中、テヨンさんが迎えてくれる。
でも・・・その姿は・・・。
スーツの中の薄紫色のカラーシャツは胸元までボタンが外され、ゴールドのネックレスが揺れているのが見えた。
左耳にはピアスも光っている。
髪はワックスで立ち上げられ、形の良い額が露わになっていた。・・・いつもと印象が、違う。
テヨンさんは、私の手からスーパーの袋を掠め取ると、こちらへどうぞ、とリビングの方へと
私は何だかドキドキして彼の後に付いて行った。
リビングは暗かった。
天井のメインライトは点いておらず、スタンドのオレンジ色の光も仄暗く、観葉植物の姿をぼぉっと浮かび上がらせているだけ。
テーブルの上には何本かのろうそくの炎が揺らめいていた。
ソファに座るよう促されたのだけれど、・・・私は緊張してしまって、浅く腰掛けていた。
テヨンさんは床に片膝をついて、どうぞ、と湯気の立つおしぼりを拡げて手渡してくれる。
「ようこそ。クラブ『
クラブ?
「
最初は何をお持ちしましょうか?ビール?焼酎?」
え?・・・これって、ホストクラブのつもりなの?
「えっと・・・ビールを。」
「分かりました。」
テヨンさんは微笑んで応じてくれた。その笑顔がやけにセクシーで、私はドキドキが止まらない。
部屋が暗くて、良かったかも・・・火照った頬を見られずに、済む。
テヨンさんはビールで満たされたピッチャーとビアグラスを二つ運んできた。
次いで、チーズや生ハムが盛られた皿も持ってくる。
ビアグラスに液体を注ぎ入れ、一つは私に渡してくれた。もう一つはテヨンさん自身が手に取り、私の隣にすっと腰かける。
彼は身体ごと私の方を向いてグラスを傾け・・・またセクシーに微笑んだ。
「お近づきに、乾杯しましょう。」
私は彼の顔をまともに見ていられなくて、グラスを持つ少し骨ばった長い指に視線を固定していた。
「
そのままの流れでグラスを合わせたけれど・・・。
“美しい”なんて、言葉のチョイスが間違ってる、と思う。
今日の私の格好ときたら、何の飾り気もない白い綿のシャツに細身のジーンズ、上にパーカーを羽織っただけの普段着。
化粧だって全くしてないわけではないけれど・・・。
思わず、溜息が出ちゃう。
「浮かない顔だね?
「その“
いつも通り“パッカ”って呼んでよ。」
私は唇を突き出して抗議した。
テヨンさんは優しく微笑んでいる。
それは、いつもの優しい微笑みの筈なのに・・・何かが、違う。艶があると言うのか・・・。
「パッカ。」
彼は、低く湿っぽい声で私を呼んだ。
「パッカ。・・・これで、いい?」
私は呪縛に掛かったみたいにテヨンさんの瞳に捉えられて、動けない。
何なの?どうしちゃったの?
「それで?パッカ、浮かない顔の理由は何?」
「・・・私・・・美しく、ないよ。」
「どうして?綺麗で、可愛いよ。」
私は首を横に振った。
「困った
「だって!私、普段着よ?
テヨンさんがこんな風にお酒が飲みたかったのなら・・・
私だって、飛び切りのお洒落をしたのに!」
テヨンさんは一瞬目を見開いて、次にはにこりと笑った。
・・・どきっとする。
「それは嬉しいね。・・・僕もお洒落をした甲斐があったってことだ。
パッカは・・・」
テヨンさんの腕が伸びてきて、身体をグッと引き寄せられた。
「こういうの、好き?」
私はどぎまぎして・・・それでも、こくりと頷いた。
「僕、イケてるかい?」
「・・・素敵よ。・・・ドキドキする。」
「じゃあ、僕の店『
・・・何、それ?
この遊び、そんなにしょっちゅうするつもりなの?
「どうしようかしら?あなた、モテそうだもの。お客さん、いっぱい付いてるでしょ?」
わざとそっぽを向いて、目だけで彼のことを見る。
テヨンさんは悪戯っぽく笑ってた。
「それが、パッカだけなんだよね。・・・パッカだけだから、特別サービスするよ。」
テヨンさんはやおらビアグラスを掴んだ。
グラスに口を着けてビールを飲む。
・・・違う。口に含んでるだけだわ。
と思ってる間に、そのまま口づけられてしまった。
テヨンさんの冷たい唇から、もっと冷たくてほろ苦い液体が注ぎ込まれてくる。
・・・こんなの、悪酔いしそう。
私がビールを飲み下したのを確認して、彼はその舌で私の唇に残る液体を舐めとった。
そのまま顎から首筋へと彼の冷えた唇が下がっていく。
「・・・テヨンさん、待って。」
「サービスは、これからだよ。」
私は抵抗できなくなって、そっと瞳を閉じた。
___________
そして、遂にパク・ハ編。
こちらも読者様のコメントに触発されての妄想でした。

いやあ、
テヨンのホストクラブ・・・行ってみたい。

(ホストクラブなんて行ったことありません。なので、どんなところかも知りません。

バレンタインには間に合いませんでしたが・・・
クラブ『
いや、元々バレンタイン企画ってワケでもなかったんですけどね。

連載、頑張るって、誰が言ったのかなぁ。

~ Comment ~
Re: おでこ て*****様へ
て*****さま
よかったですか?
よかったぁ。
^m^
一応、髪を立ち上げてるユチョンのステキ写真を見ながら、文章にしようと四苦八苦してたんですが・・・
そっちを思い浮かべちゃいましたか。ww
7:3分けのホストって・・・。(笑)
でも、楽しんで頂けたので、結果オーライです!
ありがとうございました。(^^ゞ
よかったですか?
よかったぁ。

一応、髪を立ち上げてるユチョンのステキ写真を見ながら、文章にしようと四苦八苦してたんですが・・・
そっちを思い浮かべちゃいましたか。ww
7:3分けのホストって・・・。(笑)
でも、楽しんで頂けたので、結果オーライです!
ありがとうございました。(^^ゞ
Re: t*******様へ
t*******さま
もう、どうしてこうツボをつくコメントをくださるんですかね。ww
嬉しいです。
はい、文章遊びです。(^.^)
また寒の戻りがあって、昨日、今日はここら辺りでも雪がチラついてたりしてるんですが・・・
雪の中から顔を出すフキノトウのごとく、春を感じてもらえたですかね?
(ってt*******さんのコメントもらうまでは、そんな素敵なコト考えもしてませんでしたが・・・汗)
もう、どうしてこうツボをつくコメントをくださるんですかね。ww
嬉しいです。
はい、文章遊びです。(^.^)
また寒の戻りがあって、昨日、今日はここら辺りでも雪がチラついてたりしてるんですが・・・
雪の中から顔を出すフキノトウのごとく、春を感じてもらえたですかね?
(ってt*******さんのコメントもらうまでは、そんな素敵なコト考えもしてませんでしたが・・・汗)
Re: t*********0様へ
t*********0さま
楽しんで頂いて、何よりです。
こちらこそ、ありがとうございます。
ホストのイ・ガク、ですか。
ビジュアル的にはテヨンと一緒ですが・・・そのSっぷりが、人気を博するかも?ww
楽しんで頂いて、何よりです。
こちらこそ、ありがとうございます。
ホストのイ・ガク、ですか。
ビジュアル的にはテヨンと一緒ですが・・・そのSっぷりが、人気を博するかも?ww
Re: p********53様へ
p********53さま
あ、ウケた。^m^
そうそう、「結局行き着くところは、そこなんだ。(゜o゜)」というお話でした。(笑)
心安ーい感じで書けるので、私もこういうお話、好きです。ww
ホント、暖かかったり、寒かったり・・・昨日、今日なんて雪がチラついてますよ!
ですが、私も旦那も元気です。ありがとうございます。<m(__)m>
p*******53さんもお身体、気を付けてくださいね。
あ、ウケた。^m^
そうそう、「結局行き着くところは、そこなんだ。(゜o゜)」というお話でした。(笑)
心安ーい感じで書けるので、私もこういうお話、好きです。ww
ホント、暖かかったり、寒かったり・・・昨日、今日なんて雪がチラついてますよ!
ですが、私も旦那も元気です。ありがとうございます。<m(__)m>
p*******53さんもお身体、気を付けてくださいね。
Re: ほ**様へ
ほ**さま
はい。テヨンはチャラ男にはなり切れませんよねぇ。^m^
口移しのアルコール、テヨンならイ・ガクと違って、優しーく飲ませてくれると思います。
こんな飲まされ方なら、水でも悪酔いしそうです。(笑)
「極上ホスト」!
ホントだ!!
私もユチョンに貢いじゃってる!!∑(゚Д゚ )
ドンペリ(DVD)も予約しちゃった!ww
はい。テヨンはチャラ男にはなり切れませんよねぇ。^m^
口移しのアルコール、テヨンならイ・ガクと違って、優しーく飲ませてくれると思います。
こんな飲まされ方なら、水でも悪酔いしそうです。(笑)
「極上ホスト」!
ホントだ!!
私もユチョンに貢いじゃってる!!∑(゚Д゚ )
ドンペリ(DVD)も予約しちゃった!ww
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