「短編集」
読みきり
刻印 後編
テヨンの口づけは相変わらず乱暴だった。
息苦しさにその端麗な眉根を寄せる。
彼女が苦しがっているのもお構いなしに、テヨンは舌を使って口内を掻き混ぜた。
言葉も、意識も、何もかもを奪い取ろうとでもしているかのように激しく吸い上げる。
すっかり力が抜けてしまった彼女は、くったりとテヨンにその身を預けた。
「家に帰ろう。」
ジャケットを脱ぐと華奢な肩に着せかけた。手首を掴んで歩き始める。
ふらふらと、テヨンにその腕を引かれるまま、彼の後ろを付いて行くしかなかった。
幸いにも店の人間に見咎められることはなかった。
見咎められたところで、彼は強引に彼女を連れ出したに違いない。
散らばった氷はそのままだが、誰かが片付けることだろう。
ボックス席に戻ったテヨンの後ろに、ヨンァ嬢が呆然自失と言う態で立っていた。
その肩にはテヨンのジャケットを着せかけられ、より小さく見える。
「どうしたんですか?ヨン本部長・・・。」
皆の驚きを代表してチェ部長が口を開いた。
「廊下で彼女がうずくまってて・・・熱もあるみたいです。」
まあ、大変!とソジン嬢が黒服を呼びに席を立った。
チェ部長とその部下達はテヨンとヨンァ嬢を座らせようと席を空けようとしたが、テヨンが手を上げて制した。
「聞けば、彼女の家は帰り途みたいです。僕も急用ができたのでもう帰ります。」
黒服が駆けつけて来たのへ、僕が彼女を送ります、と告げた。
彼女に着せかけてあったジャケットの内ポケットを探り財布を取り出す。
まとまった札束を取り出し、黒服に手渡した。
「これで足りますか?」
朝まで飲んでもお釣りがきそうな額である。
「ここの支払いは私が!」
慌てたようにそう言うチェ部長に向かってテヨンは頭を振る。
「チェ部長、来季の契約は倍にします。
僕はこれで失礼しますが、このまま楽しんでください。」
チェ部長とその部下二人は背筋を伸ばし、そのまま腰から九十度の角度で身体を折り曲げた。
「「「ありがとうございます!」」」
そのままの姿勢の三人に、いえ、と一言だけ言って黒服に声を掛ける。
「タクシーを呼んでくれ。」
◇◇◇
車内は静まり返っていた。
エンジンの振動とウィンカーのカチカチという音だけが強調されて聞こえる。
テヨンは、ヨンァ嬢、もとい、パク・ハの手首を掴んだままシートにその身を預け目を瞑っていた。
「・・・寝てるの?」
手首に感じる力加減で、彼は眠ってなどいない、と分かっていたが敢えてそう声を掛けてみる。
テヨンは目を開けパク・ハを見た。
「テヨンさん。聞いて。」
「・・・家で聞くよ。」
彼はまた目を閉じた。
深夜の道は空いていた。
タクシーは飛ぶように進んでいて、いつもよりも時間はかかっていないはずなのに、なぜか屋根部屋までの道のりを遠く感じる。
パク・ハは溜息を吐いた。
タクシーを降り、階段を上がる時もテヨンはパク・ハの手首を掴んだまま離そうとしない。
玄関のロックを解除しようとするときもそのままだった。
バタン
玄関のドアが閉じるのを合図にテヨンはパク・ハを引き寄せその胸に掻き抱いた。
そして、また
乱暴な口づけを繰り返す。
「・・・パッカ。説明して。」
///////
その日、ジュースショップの閉店直後、ベッキーが駆け込んできた。
「パッカ。今夜、なんか予定ある?」
「ううん。」
パク・ハは頭を横に振った。
少し考えるような素振りをしたが、何か閃いて、そうだ!と続ける。
「テヨンさんも遅くなるって言うし・・・一緒に食事に行かない? ミミも誘って!」
「ごめん!私の代わりにバイトに行ってくれない?」
ベッキーは、お願い!と両手を合わせて頭を下げた。
「・・・今夜?」
夜のアルバイトなんて・・・・。
「9時から12時まで。・・・飲食店で飲み物や料理を出すだけだから。お願い!」
ベッキーは更に頭を低くする。
「モデルの仕事とかち合っちゃって。・・・断ると、もう仕事貰えなくなるかもしれないの。
結構ワリのいいバイトで・・・だから、パッカ、お願い!」
テヨンさんも遅くなるって言うし・・・ウエイトレスなら・・・大丈夫かな。
「・・・しょうがないなあ。今度、食事でも奢ってよね。」
「パッカ、ありがとう!食事も奢るし・・・今夜のバイト代はパッカが受け取ってくれていいから。」
「当たり前よ!働いた分は貰うわ。」
衣装は店で借りられるから、と言われ、『衣装』?ユニフォームの事かしら?なんて思ったけれど、その時は流してしまった。
ベッキーに手渡されたメモを頼りにアルバイト先だと言う店に行ってみたら、なんとキャバクラだったのである。
まさか、知り合いが来たりしないわよね。
そうして、恐れていたことが現実になってしまった。
知り合いどころか、夫であるテヨンの姿を見た時には血の気が引いた。
///////
「・・・いい友達だね。」
事情を聞いたテヨンは、皮肉を言って溜息を吐いた。
パク・ハの肩を抱きリビングへ移ると、一緒にソファに腰かける。
事情は分かったよ。・・・あの店で君を見た時は、息が止まるかと思った。
・・・それは、私もだけど・・・テヨンさん、あんな店、行くんだ?
接待だって言っただろ?自分から行くもんか!
本当に?
何だよ、その言い方!
・・・だいたい自覚がないのは君の方だろ?君は僕の妻なんだよ。分かってる?
分かってる、わよ。
唇を尖らせるが、自分の方が少々分が悪い、とパク・ハ自身も思っていた。
「分かってないよ。」
テヨンは溜息を吐いた。
「あの場にいたチェ部長達は君の顔を知らなかったから良かったけどね。
もし、知っている人だったらどうするつもりだったの?
もし、僕が部下を連れていたら、どうなっていたと思うの?」
「あ・・・」
ヨン本部長の奥さんはキャバクラで働いている。
どんな尾ひれが付いて噂が広まるか分かったものではない。
「ヨン本部長は、来季の契約倍増を口止め料に、キャバクラの女のコを『お持ち帰り』して来ただけさ。
・・・チェ部長は君に感謝しているだろうね。」
口止め料とは言っても、テヨンがキャバクラ嬢に手を出した、という噂は広まるに違いない。
「・・・ごめんなさい。」
「僕自身の事は何を言われても構わないけどね。・・・君が傷つくことは耐え難いんだよ。」
それに、と言って、テヨンはパク・ハに羽織らせていた彼のジャケットを脱がせた。
「男たちが、どんな目で君を見てたと思う?」
パク・ハの肩を指先でつーっとなぞり、スリップドレスの頼りないストラップを片側だけ外す。
「パッカ。・・・その“いかにも”なドレスを脱いでくれないか?」
「・・・ごめんなさい。着替えて来るね。」
パク・ハは外されたストラップを戻しながら立ち上がりかけたが、その手首をテヨンが掴んだ。
「着替える必要はない。・・・ここで、脱いで。」
パク・ハは驚き、テヨンを振り返る。
「今から、このまま君を抱くから、そのドレスを脱ぐんだ。」
「テヨンさん。・・・冗談よね?」
「いや、本気だ。そのつもりで君を『お持ち帰り』してきたんだからね。」
テヨンは熱っぽい目でパク・ハを見つめた。
パク・ハは固まったように動かない。
「君は僕の妻だろう?傷ついた夫を慰めてはくれないの?」
「・・・せめて、灯りを・・・」
「ダメだ。・・・綺麗なパッカを、よく見せて。」
パク・ハはおずおずと肩のストラップを片方、外した。
更に反対のストラップも外側にずらして、落とす。
後は背中のジッパーを下げれば、ドレスはストンと落ちるに違いない。
「・・・意地悪しないで。」
パク・ハは自分の肩を抱きしめた格好でテヨンに訴えた。
「意地悪?言いがかかりだ。意地悪は君の方だろう?」
テヨンはパク・ハを引き寄せた。
「さあ、脱いで。」
湿った吐息がパク・ハの肩に直接かかる。
「・・・約束して。僕以外の男の前で、こんなドレス、着たりしないって。」
テヨンはパク・ハの顎に吸い付き、そのまま唇を下方へ這わせ始めた。
パク・ハの口からは甘い声が漏れる。
彼女の鎖骨の下あたりに来るとテヨンはその動きを止め、ちゅーっと音がしそうなほど吸い付いた。
時折、息継ぎをしながらその一点を吸い上げる。
パク・ハの鎖骨に、赤い花びらが、ひとひら散った。
「一つだけじゃ・・・全然、足らない。」
テヨンは、まるで自分の持ち物に印を付けるかのように、
赤い花びらを
パク・ハの身体のあらゆるところに刻み付けていったのだった。
__________
皆様、こんにちは。
今度は「ごっこ遊び」ではなく
ホントのキャバクラで、パク・ハがキャバ嬢になるお話でした。
ええ、私、キャバクラがどんな所かも存じ上げておりません。
雰囲気で流してください。(汗)
えー、少々、補足。
パク・ハの使った偽名(源氏名?)ですが・・・
ヨン・テヨンの『ヨン』に彼女の名前『ハ』を合わせてみただけです。
ならば『ヨン・ハ』と表記すればよかったのですが・・・
それだとパク・ハだとバレバレですし(あ、いや、そうでなくてもバレバレでしたかね?苦笑)
女と見紛う美しきナムジャ、『ク・ヨンハ』を想起するよねぇ(私が)と思いまして・・・
テヨンの苗字の「ヨン」の「ン」も「ng」の発音であります。
その後続けて「ハ」を発音すると「h」の音が弱まって「ア」のように聞こえます。
「パク・ハ」が「パッカ」と聞こえるように「ヨグァ」のような「ヨワ」のような音になるはずでして・・・
英語表記にすると分かりやすいですかね。
「Yong Ha」の「H」が抜け落ちるんです。
ドラマのように顔が見えるわけではありません。
文章には文章の楽しみ方があると思いまして、
「この女性、誰?」と皆様に思って頂きたかったんです。
テヨンが興味を示して、肩を抱き、果てにはキスぅ?(しかも濃厚!ww)
「え?パク・ハよね?」と思って頂きたかったのです。
なので「ヨンァ」 → 「ヨン・ハ」 → 「パク・ハ」でありました。
かなり無理矢理ですけども。(汗)
(それにこんな補足しなきゃなんないような、力不足でスミマセン。)
それでも、楽しんで頂けたなら幸いです。
息苦しさにその端麗な眉根を寄せる。
彼女が苦しがっているのもお構いなしに、テヨンは舌を使って口内を掻き混ぜた。
言葉も、意識も、何もかもを奪い取ろうとでもしているかのように激しく吸い上げる。
すっかり力が抜けてしまった彼女は、くったりとテヨンにその身を預けた。
「家に帰ろう。」
ジャケットを脱ぐと華奢な肩に着せかけた。手首を掴んで歩き始める。
ふらふらと、テヨンにその腕を引かれるまま、彼の後ろを付いて行くしかなかった。
幸いにも店の人間に見咎められることはなかった。
見咎められたところで、彼は強引に彼女を連れ出したに違いない。
散らばった氷はそのままだが、誰かが片付けることだろう。
ボックス席に戻ったテヨンの後ろに、ヨンァ嬢が呆然自失と言う態で立っていた。
その肩にはテヨンのジャケットを着せかけられ、より小さく見える。
「どうしたんですか?ヨン本部長・・・。」
皆の驚きを代表してチェ部長が口を開いた。
「廊下で彼女がうずくまってて・・・熱もあるみたいです。」
まあ、大変!とソジン嬢が黒服を呼びに席を立った。
チェ部長とその部下達はテヨンとヨンァ嬢を座らせようと席を空けようとしたが、テヨンが手を上げて制した。
「聞けば、彼女の家は帰り途みたいです。僕も急用ができたのでもう帰ります。」
黒服が駆けつけて来たのへ、僕が彼女を送ります、と告げた。
彼女に着せかけてあったジャケットの内ポケットを探り財布を取り出す。
まとまった札束を取り出し、黒服に手渡した。
「これで足りますか?」
朝まで飲んでもお釣りがきそうな額である。
「ここの支払いは私が!」
慌てたようにそう言うチェ部長に向かってテヨンは頭を振る。
「チェ部長、来季の契約は倍にします。
僕はこれで失礼しますが、このまま楽しんでください。」
チェ部長とその部下二人は背筋を伸ばし、そのまま腰から九十度の角度で身体を折り曲げた。
「「「ありがとうございます!」」」
そのままの姿勢の三人に、いえ、と一言だけ言って黒服に声を掛ける。
「タクシーを呼んでくれ。」
◇◇◇
車内は静まり返っていた。
エンジンの振動とウィンカーのカチカチという音だけが強調されて聞こえる。
テヨンは、ヨンァ嬢、もとい、パク・ハの手首を掴んだままシートにその身を預け目を瞑っていた。
「・・・寝てるの?」
手首に感じる力加減で、彼は眠ってなどいない、と分かっていたが敢えてそう声を掛けてみる。
テヨンは目を開けパク・ハを見た。
「テヨンさん。聞いて。」
「・・・家で聞くよ。」
彼はまた目を閉じた。
深夜の道は空いていた。
タクシーは飛ぶように進んでいて、いつもよりも時間はかかっていないはずなのに、なぜか屋根部屋までの道のりを遠く感じる。
パク・ハは溜息を吐いた。
タクシーを降り、階段を上がる時もテヨンはパク・ハの手首を掴んだまま離そうとしない。
玄関のロックを解除しようとするときもそのままだった。
バタン
玄関のドアが閉じるのを合図にテヨンはパク・ハを引き寄せその胸に掻き抱いた。
そして、また
乱暴な口づけを繰り返す。
「・・・パッカ。説明して。」
///////
その日、ジュースショップの閉店直後、ベッキーが駆け込んできた。
「パッカ。今夜、なんか予定ある?」
「ううん。」
パク・ハは頭を横に振った。
少し考えるような素振りをしたが、何か閃いて、そうだ!と続ける。
「テヨンさんも遅くなるって言うし・・・一緒に食事に行かない? ミミも誘って!」
「ごめん!私の代わりにバイトに行ってくれない?」
ベッキーは、お願い!と両手を合わせて頭を下げた。
「・・・今夜?」
夜のアルバイトなんて・・・・。
「9時から12時まで。・・・飲食店で飲み物や料理を出すだけだから。お願い!」
ベッキーは更に頭を低くする。
「モデルの仕事とかち合っちゃって。・・・断ると、もう仕事貰えなくなるかもしれないの。
結構ワリのいいバイトで・・・だから、パッカ、お願い!」
テヨンさんも遅くなるって言うし・・・ウエイトレスなら・・・大丈夫かな。
「・・・しょうがないなあ。今度、食事でも奢ってよね。」
「パッカ、ありがとう!食事も奢るし・・・今夜のバイト代はパッカが受け取ってくれていいから。」
「当たり前よ!働いた分は貰うわ。」
衣装は店で借りられるから、と言われ、『衣装』?ユニフォームの事かしら?なんて思ったけれど、その時は流してしまった。
ベッキーに手渡されたメモを頼りにアルバイト先だと言う店に行ってみたら、なんとキャバクラだったのである。
まさか、知り合いが来たりしないわよね。
そうして、恐れていたことが現実になってしまった。
知り合いどころか、夫であるテヨンの姿を見た時には血の気が引いた。
///////
「・・・いい友達だね。」
事情を聞いたテヨンは、皮肉を言って溜息を吐いた。
パク・ハの肩を抱きリビングへ移ると、一緒にソファに腰かける。
事情は分かったよ。・・・あの店で君を見た時は、息が止まるかと思った。
・・・それは、私もだけど・・・テヨンさん、あんな店、行くんだ?
接待だって言っただろ?自分から行くもんか!
本当に?
何だよ、その言い方!
・・・だいたい自覚がないのは君の方だろ?君は僕の妻なんだよ。分かってる?
分かってる、わよ。
唇を尖らせるが、自分の方が少々分が悪い、とパク・ハ自身も思っていた。
「分かってないよ。」
テヨンは溜息を吐いた。
「あの場にいたチェ部長達は君の顔を知らなかったから良かったけどね。
もし、知っている人だったらどうするつもりだったの?
もし、僕が部下を連れていたら、どうなっていたと思うの?」
「あ・・・」
ヨン本部長の奥さんはキャバクラで働いている。
どんな尾ひれが付いて噂が広まるか分かったものではない。
「ヨン本部長は、来季の契約倍増を口止め料に、キャバクラの女のコを『お持ち帰り』して来ただけさ。
・・・チェ部長は君に感謝しているだろうね。」
口止め料とは言っても、テヨンがキャバクラ嬢に手を出した、という噂は広まるに違いない。
「・・・ごめんなさい。」
「僕自身の事は何を言われても構わないけどね。・・・君が傷つくことは耐え難いんだよ。」
それに、と言って、テヨンはパク・ハに羽織らせていた彼のジャケットを脱がせた。
「男たちが、どんな目で君を見てたと思う?」
パク・ハの肩を指先でつーっとなぞり、スリップドレスの頼りないストラップを片側だけ外す。
「パッカ。・・・その“いかにも”なドレスを脱いでくれないか?」
「・・・ごめんなさい。着替えて来るね。」
パク・ハは外されたストラップを戻しながら立ち上がりかけたが、その手首をテヨンが掴んだ。
「着替える必要はない。・・・ここで、脱いで。」
パク・ハは驚き、テヨンを振り返る。
「今から、このまま君を抱くから、そのドレスを脱ぐんだ。」
「テヨンさん。・・・冗談よね?」
「いや、本気だ。そのつもりで君を『お持ち帰り』してきたんだからね。」
テヨンは熱っぽい目でパク・ハを見つめた。
パク・ハは固まったように動かない。
「君は僕の妻だろう?傷ついた夫を慰めてはくれないの?」
「・・・せめて、灯りを・・・」
「ダメだ。・・・綺麗なパッカを、よく見せて。」
パク・ハはおずおずと肩のストラップを片方、外した。
更に反対のストラップも外側にずらして、落とす。
後は背中のジッパーを下げれば、ドレスはストンと落ちるに違いない。
「・・・意地悪しないで。」
パク・ハは自分の肩を抱きしめた格好でテヨンに訴えた。
「意地悪?言いがかかりだ。意地悪は君の方だろう?」
テヨンはパク・ハを引き寄せた。
「さあ、脱いで。」
湿った吐息がパク・ハの肩に直接かかる。
「・・・約束して。僕以外の男の前で、こんなドレス、着たりしないって。」
テヨンはパク・ハの顎に吸い付き、そのまま唇を下方へ這わせ始めた。
パク・ハの口からは甘い声が漏れる。
彼女の鎖骨の下あたりに来るとテヨンはその動きを止め、ちゅーっと音がしそうなほど吸い付いた。
時折、息継ぎをしながらその一点を吸い上げる。
パク・ハの鎖骨に、赤い花びらが、ひとひら散った。
「一つだけじゃ・・・全然、足らない。」
テヨンは、まるで自分の持ち物に印を付けるかのように、
赤い花びらを
パク・ハの身体のあらゆるところに刻み付けていったのだった。
__________
皆様、こんにちは。
今度は「ごっこ遊び」ではなく
ホントのキャバクラで、パク・ハがキャバ嬢になるお話でした。
ええ、私、キャバクラがどんな所かも存じ上げておりません。
雰囲気で流してください。(汗)
えー、少々、補足。
パク・ハの使った偽名(源氏名?)ですが・・・
ヨン・テヨンの『ヨン』に彼女の名前『ハ』を合わせてみただけです。
ならば『ヨン・ハ』と表記すればよかったのですが・・・
それだとパク・ハだとバレバレですし(あ、いや、そうでなくてもバレバレでしたかね?苦笑)
女と見紛う美しきナムジャ、『ク・ヨンハ』を想起するよねぇ(私が)と思いまして・・・
テヨンの苗字の「ヨン」の「ン」も「ng」の発音であります。
その後続けて「ハ」を発音すると「h」の音が弱まって「ア」のように聞こえます。
「パク・ハ」が「パッカ」と聞こえるように「ヨグァ」のような「ヨワ」のような音になるはずでして・・・
英語表記にすると分かりやすいですかね。
「Yong Ha」の「H」が抜け落ちるんです。
ドラマのように顔が見えるわけではありません。
文章には文章の楽しみ方があると思いまして、
「この女性、誰?」と皆様に思って頂きたかったんです。
テヨンが興味を示して、肩を抱き、果てにはキスぅ?(しかも濃厚!ww)
「え?パク・ハよね?」と思って頂きたかったのです。
なので「ヨンァ」 → 「ヨン・ハ」 → 「パク・ハ」でありました。
かなり無理矢理ですけども。(汗)
(それにこんな補足しなきゃなんないような、力不足でスミマセン。)
それでも、楽しんで頂けたなら幸いです。
~ Comment ~
Re:やすべぇ様へ
やすべぇ様
すみませ~ん。<m(__)m>
そんなに驚かれました?
いや、なんか、いつもより文字が詰まってて、
自分でもちょっと深刻?(って程でもないですが)とは思ってはいたんです。(汗)
1話完結のつもりで書いてたのですが長くなってきて・・・
一応書き上げたら、長すぎて読みにくい。どこかで区切って前・後編で行こうと思いまして・・・
変なところで区切ってすみませんでした。
> キリンの首が折れる~!
きゃぁ、ごめんなさい。そんな怖いことできません!
> これは、パッカが一方的に良くない。
そうですね。スミマセン。パッカに代わってお詫びを。
でも、実はベッキーが一番悪いと思っています。(笑)
> 後は、テヨンの成すがままに~で
> 機嫌をなおしてもらって、結局どちらも
> 損をしない...ところで、仲直りしましょ!
大丈夫。ものすごい「仲良し」な夜だったと思います。(笑)
すみませ~ん。<m(__)m>
そんなに驚かれました?
いや、なんか、いつもより文字が詰まってて、
自分でもちょっと深刻?(って程でもないですが)とは思ってはいたんです。(汗)
1話完結のつもりで書いてたのですが長くなってきて・・・
一応書き上げたら、長すぎて読みにくい。どこかで区切って前・後編で行こうと思いまして・・・
変なところで区切ってすみませんでした。
> キリンの首が折れる~!
きゃぁ、ごめんなさい。そんな怖いことできません!
> これは、パッカが一方的に良くない。
そうですね。スミマセン。パッカに代わってお詫びを。
でも、実はベッキーが一番悪いと思っています。(笑)
> 後は、テヨンの成すがままに~で
> 機嫌をなおしてもらって、結局どちらも
> 損をしない...ところで、仲直りしましょ!
大丈夫。ものすごい「仲良し」な夜だったと思います。(笑)
Re: て*****様へ
て*****様
あ、やはり驚かれて?
待ち遠しく思って頂けてありがとうございました。<m(__)m>
実践、そうですね。練習して本番です!(笑)
強引なテヨンも良いですよねぇ。
私も「お持ち帰り」されたい。テヨンになら。
あ、やはり驚かれて?
待ち遠しく思って頂けてありがとうございました。<m(__)m>
実践、そうですね。練習して本番です!(笑)
強引なテヨンも良いですよねぇ。
私も「お持ち帰り」されたい。テヨンになら。
Re: 宝***様へ
宝***さま
おはようございます。
あ、焦らせちゃってスミマセン。
あれは、テヨンの浮気を疑ってしまいますよね。
私が疑わせたんですけどね。(苦笑)
聞き上手、よく言われますよね。私には無理だわ。(いや、その前に見た目が無理!)
おはようございます。
あ、焦らせちゃってスミマセン。
あれは、テヨンの浮気を疑ってしまいますよね。
私が疑わせたんですけどね。(苦笑)
聞き上手、よく言われますよね。私には無理だわ。(いや、その前に見た目が無理!)
Re: ほ**様へ
ほ**様
ほう、グッジョブとな?
言われてみれば・・・うん、確かに、良いお仕事しましたね。(笑)
そして、花びらは隠れる所に・・・。
テヨン、毎晩確認です。(笑)
ほう、グッジョブとな?
言われてみれば・・・うん、確かに、良いお仕事しましたね。(笑)
そして、花びらは隠れる所に・・・。
テヨン、毎晩確認です。(笑)
Re: k***様へ
k***さま
お久しぶりです!
お元気そうで、何よりです。
もうね、もっとSだったんですよ。最初は!(◎_◎;)
文字に起こす前に私が卒倒しそうだったんで、抑えた表現にしました。(笑)
「ごっこ遊び」の方も楽しんでくださってありがとうございます!
お久しぶりです!
お元気そうで、何よりです。
もうね、もっとSだったんですよ。最初は!(◎_◎;)
文字に起こす前に私が卒倒しそうだったんで、抑えた表現にしました。(笑)
「ごっこ遊び」の方も楽しんでくださってありがとうございます!
驚いた~
する新しいお話が始まってしまったのかと~
お話の更新は嬉しいので、コメントしたいけど、
どうしたものやらと、昨日から考えあぐねておりました。
もし、2~3日中に次のお話がなければ、非公開で
直訴するつもりでおりました。
キリンの首が折れる~!
これは、パッカが一方的に良くない。
後は、テヨンの成すがままに~で
機嫌をなおしてもらって、結局どちらも
損をしない...ところで、仲直りしましょ!