「長編(完結)」
贈り物
贈り物 1
激しく降り続いた雨も上がり、それまでの雨が嘘のようにからりと晴れ渡った暑いほどの日のことでございました。
一人の女性が、当店のショウウィンドウを熱心にご覧になっていらっしゃいます。
私は何とはなしにその女性を見ていたのですが、ふとお顔をお上げになった時、もしや、と思ったのでございます。
足早に表に出て声をお掛け致しました。
「お客様。」
私の呼び声に、その女性は私のことを真っ直ぐにご覧になられます。
胸元には見覚えのある翡翠のペンダントトップ、
髪を掻き揚げられた左手薬指には翡翠の刳り貫きリング、
リングに埋め込まれた小さなダイヤが太陽の光を受けて美しい輝きを放っていました。
間違いございません。
「失礼ですが・・・ヨン・テヨン様のご婚約者の方ではあられませんか?」
女性は驚いたように私を見つめておられましたが、ご自身の左手に目を遣り、ああ、と呟かれました。
「はい、そうです。ヨン・テヨンさんは・・・私の、婚約者です。」
照れておられるのか、少し躊躇いがちに、後半は小さな声で、でもはっきりとそう仰られました。
「店内 からお見かけしまして、
翡翠のネックレスが見えたものですから・・・。」
「え?・・・これは・・・。」
「はい。当店でご用意したのはリングの方でございます。
その翡翠のトップと対になるような指輪を、と承ってお造りしたものでございます。」
「・・・そうでしたか・・・。」
胸元の翡翠を手で包み込むようになさって、感慨深げに佇んでおられました。
「・・・時間がおありでしたら、店内 でお茶など如何ですか?」
そう申し上げましたら、女性はにっこりと笑って、ありがとう、と仰いました。
「思いもかけず、こうして、ヨン・テヨン様の意中のお嬢様にお会いできようとは・・・大変、光栄でございます。
申し遅れましたが、ご婚約、おめでとうございます。」
私が頭を下げましたら、ありがとうございます、とお嬢様も嬉しそうに頭を下げられました。
「もう、結婚式の日取りはお決まりになったのですか?」
「それが・・・彼が忙しくて・・・とりあえず婚約式をすることに。」
「そうでございますか。
テヨン様は、結婚指輪は二人でお決めになりたいと仰っておられましたので・・・
何れ、お二人でご来店いただけるものと信じております。」
私が片目を瞑りましたら、お嬢様は、楽しそうにお笑いになられました。
「もちろんです。必ず、こちらで!」
「ありがとうございます。
ですが・・・テヨン様は、いつも無理難題を言って来られる・・・。
お嬢様から、それとなく釘を刺しておいてくださいませんか?」
お嬢様は大きく目を見開いておいででした。
「・・・この指輪・・・そんなに大変だったんですか?」
「いえいえ、刳り貫き加工自体はさほど難しいことではございません。
ですが、ダイヤの埋め込みにはやはり骨が折れたようでございます。
・・・不具合はございませんか?」
「全然!問題ないです。」
「ようございました。職人も腕に覚えのある者ばかりですから、間違いないと信じてはおりますが・・・
テヨン様は、お申し付けの期限がいつも短くていらっしゃいまして・・・。」
私は思わず苦笑しておりました。
もう少し余裕を持ってお申し付け頂きたい、と言うのが本音なのでございます。
「すみません!特注だろうなぁ、とは思ってたんですけど・・・
彼がそんな無茶を言ってたなんて知らなくて・・・
この指輪、とっても素敵で、すごく感動して・・・」
お嬢様は、何度も何度も謝られながら頭をお下げになられます。
あまりにも熱心に謝って下さるので、私の方が申し訳なくなるほどでございました。
ヨン・テヨン様の運命の赤い糸に繋がっているお嬢様は、本当に素敵な方でございます。
「どうぞ顔をお上げください。
私が余計なことを申し上げたばかりに、かえって申し訳ございませんでした。」
私はお嬢様に申し訳がなくて、話題を変えようと思ったのでございます。
「ところで、今日は、何かお探しでいらっしゃいましたか?」
お嬢様は少し考える素振りをなさいました。
「・・・男性に、アクセサリーを贈るのって、どうなんでしょう?」
聞けば、お誕生日に何を贈ったらいいのか、と悩んでいらっしゃるとのこと。
「お相手は、もちろんテヨン様でいらっしゃっいますよね?」
お嬢様はこくりと頷かれます。
「ご婚約者様は大変お洒落でいらっしゃって、
ネックレスやブレスレットも嫌味なく着けていらっしゃるではございませんか。
当店のモデルになって頂きたいほどです。」
彼に、ジュエリーやアクセサリーを贈ることに問題があるとは思えません。
「そうなんですけど・・・着る物も、小物も、シンプルだけどいい物ばかりを持っていて・・・
下手な物は贈れないかなって思うんです。」
お嬢様は小さく溜息を吐かれました。
「それに、欲しい物は何でも自分で手に入れられる人ですし、ね。」
「確かにそのような方ではあられますが、
お嬢様から贈られる物であれば、それが何であろうとも、特別な物としてお喜びいただけるのではありませんか?」
そうでしょうか?と力なく仰るので、
そうですとも!と力強く断言いたしました。
そして、私はあることを閃いたのでございます。
「お嬢様。私にお任せいただけませんか?
テヨン様に・・・いえ、お二人に、相応しいお品をご用意できるかと存じます。」
お嬢様は不思議そうなお顔をなさって私を見られました。
「テヨン様にはもちろんのこと、お嬢様にもご満足いただけるお品を、ご用意できるものと確信いたします。」
私は深々と頭を下げたのでございます。
____________________________________
皆様、こんにちは。お久しぶりでございます。
はたと気付けばもう6月。
明日はユチョンのお誕生日じゃございませんか!
ここはテヨンの誕生日に置き換えて・・・
パク・ハはどうにかお誕生日プレゼントを準備したようです。
ですが、明日、(私が)間に合わせられないかも知れません。(>_<)
でも、準備しようとはしたのよ!ってことで、なんとも中途半端ですがここまでをUP致します。
続きを明日中にUPできると良いのですが・・・とっても怪しい。
(なんせ、全く書けておりません。
)
もっと早くに発注してよね!
(誰が、誰に?・・・私が、私に!であります。)
ジュエリーショップのハラボジの気持ちがよぉく分かります。
きちんと書き上げられたら、また、明日お目に掛かりましょう!
ところで、PC版の表紙ページに、可愛らしいブログパーツを貼り付けてみました。
スマフォやタブレットからは見れないのですが(PC表示にしても表示されません)
設定した記念日に、打ち上げ花火が上がるそうなんですよ!
もちろん、明日、花火、上がります!(ハズです。)
それだけでも見に来てください。(PCからしか見られませんが)
一緒に、ユチョンのバースデーをお祝い致しましょう!
翡翠のリングのお話はこちら
↓
赤い糸
一人の女性が、当店のショウウィンドウを熱心にご覧になっていらっしゃいます。
私は何とはなしにその女性を見ていたのですが、ふとお顔をお上げになった時、もしや、と思ったのでございます。
足早に表に出て声をお掛け致しました。
「お客様。」
私の呼び声に、その女性は私のことを真っ直ぐにご覧になられます。
胸元には見覚えのある翡翠のペンダントトップ、
髪を掻き揚げられた左手薬指には翡翠の刳り貫きリング、
リングに埋め込まれた小さなダイヤが太陽の光を受けて美しい輝きを放っていました。
間違いございません。
「失礼ですが・・・ヨン・テヨン様のご婚約者の方ではあられませんか?」
女性は驚いたように私を見つめておられましたが、ご自身の左手に目を遣り、ああ、と呟かれました。
「はい、そうです。ヨン・テヨンさんは・・・私の、婚約者です。」
照れておられるのか、少し躊躇いがちに、後半は小さな声で、でもはっきりとそう仰られました。
「
翡翠のネックレスが見えたものですから・・・。」
「え?・・・これは・・・。」
「はい。当店でご用意したのはリングの方でございます。
その翡翠のトップと対になるような指輪を、と承ってお造りしたものでございます。」
「・・・そうでしたか・・・。」
胸元の翡翠を手で包み込むようになさって、感慨深げに佇んでおられました。
「・・・時間がおありでしたら、
そう申し上げましたら、女性はにっこりと笑って、ありがとう、と仰いました。
「思いもかけず、こうして、ヨン・テヨン様の意中のお嬢様にお会いできようとは・・・大変、光栄でございます。
申し遅れましたが、ご婚約、おめでとうございます。」
私が頭を下げましたら、ありがとうございます、とお嬢様も嬉しそうに頭を下げられました。
「もう、結婚式の日取りはお決まりになったのですか?」
「それが・・・彼が忙しくて・・・とりあえず婚約式をすることに。」
「そうでございますか。
テヨン様は、結婚指輪は二人でお決めになりたいと仰っておられましたので・・・
何れ、お二人でご来店いただけるものと信じております。」
私が片目を瞑りましたら、お嬢様は、楽しそうにお笑いになられました。
「もちろんです。必ず、こちらで!」
「ありがとうございます。
ですが・・・テヨン様は、いつも無理難題を言って来られる・・・。
お嬢様から、それとなく釘を刺しておいてくださいませんか?」
お嬢様は大きく目を見開いておいででした。
「・・・この指輪・・・そんなに大変だったんですか?」
「いえいえ、刳り貫き加工自体はさほど難しいことではございません。
ですが、ダイヤの埋め込みにはやはり骨が折れたようでございます。
・・・不具合はございませんか?」
「全然!問題ないです。」
「ようございました。職人も腕に覚えのある者ばかりですから、間違いないと信じてはおりますが・・・
テヨン様は、お申し付けの期限がいつも短くていらっしゃいまして・・・。」
私は思わず苦笑しておりました。
もう少し余裕を持ってお申し付け頂きたい、と言うのが本音なのでございます。
「すみません!特注だろうなぁ、とは思ってたんですけど・・・
彼がそんな無茶を言ってたなんて知らなくて・・・
この指輪、とっても素敵で、すごく感動して・・・」
お嬢様は、何度も何度も謝られながら頭をお下げになられます。
あまりにも熱心に謝って下さるので、私の方が申し訳なくなるほどでございました。
ヨン・テヨン様の運命の赤い糸に繋がっているお嬢様は、本当に素敵な方でございます。
「どうぞ顔をお上げください。
私が余計なことを申し上げたばかりに、かえって申し訳ございませんでした。」
私はお嬢様に申し訳がなくて、話題を変えようと思ったのでございます。
「ところで、今日は、何かお探しでいらっしゃいましたか?」
お嬢様は少し考える素振りをなさいました。
「・・・男性に、アクセサリーを贈るのって、どうなんでしょう?」
聞けば、お誕生日に何を贈ったらいいのか、と悩んでいらっしゃるとのこと。
「お相手は、もちろんテヨン様でいらっしゃっいますよね?」
お嬢様はこくりと頷かれます。
「ご婚約者様は大変お洒落でいらっしゃって、
ネックレスやブレスレットも嫌味なく着けていらっしゃるではございませんか。
当店のモデルになって頂きたいほどです。」
彼に、ジュエリーやアクセサリーを贈ることに問題があるとは思えません。
「そうなんですけど・・・着る物も、小物も、シンプルだけどいい物ばかりを持っていて・・・
下手な物は贈れないかなって思うんです。」
お嬢様は小さく溜息を吐かれました。
「それに、欲しい物は何でも自分で手に入れられる人ですし、ね。」
「確かにそのような方ではあられますが、
お嬢様から贈られる物であれば、それが何であろうとも、特別な物としてお喜びいただけるのではありませんか?」
そうでしょうか?と力なく仰るので、
そうですとも!と力強く断言いたしました。
そして、私はあることを閃いたのでございます。
「お嬢様。私にお任せいただけませんか?
テヨン様に・・・いえ、お二人に、相応しいお品をご用意できるかと存じます。」
お嬢様は不思議そうなお顔をなさって私を見られました。
「テヨン様にはもちろんのこと、お嬢様にもご満足いただけるお品を、ご用意できるものと確信いたします。」
私は深々と頭を下げたのでございます。
____________________________________
皆様、こんにちは。お久しぶりでございます。
はたと気付けばもう6月。
明日はユチョンのお誕生日じゃございませんか!
ここはテヨンの誕生日に置き換えて・・・
パク・ハはどうにかお誕生日プレゼントを準備したようです。
ですが、明日、(私が)間に合わせられないかも知れません。(>_<)
でも、準備しようとはしたのよ!ってことで、なんとも中途半端ですがここまでをUP致します。
続きを明日中にUPできると良いのですが・・・とっても怪しい。
(なんせ、全く書けておりません。

もっと早くに発注してよね!
(誰が、誰に?・・・私が、私に!であります。)
ジュエリーショップのハラボジの気持ちがよぉく分かります。

きちんと書き上げられたら、また、明日お目に掛かりましょう!
ところで、PC版の表紙ページに、可愛らしいブログパーツを貼り付けてみました。
スマフォやタブレットからは見れないのですが(PC表示にしても表示されません)
設定した記念日に、打ち上げ花火が上がるそうなんですよ!
もちろん、明日、花火、上がります!(ハズです。)
それだけでも見に来てください。(PCからしか見られませんが)
一緒に、ユチョンのバースデーをお祝い致しましょう!
翡翠のリングのお話はこちら
↓
赤い糸
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