FX

「長編」
贈り物

贈り物 4

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開いたドアの向こうには、ここに居るはずのない人が立っていた。


「・・・パッカ。」





私の名前を呼んだのは香港に居るはずの実母ははで、玄関先でにこやかに笑っていた。

「オンマ!どうしたの?いつ、こっちへ?」

手に持っている荷物を受け取りながら、部屋の中に招き入れる。

「仕事でね。ちょっとだけ時間があったから寄ってみたの。
ねぇ、喉が渇いたわ。お水をちょうだい。」

リビングで座って待っててと言ったのだけど、母は私に付いてダイニングにやって来た。


冷蔵庫から水のペットボトルを出し、グラスに注いで手渡そうとして振り向いたら、母は目を丸くしてテーブルの上を凝視している。

「すごい食材ね。パーティーでも開くの?」

「違うわ。明日、テヨンさんの誕生日なのよ。」

お店の休憩時間に買い出しをして、手の込んだ料理は下ごしらえをしておこうと屋根部屋うちに帰って来ていたのだけれど・・・

「パーティー並みの量じゃない!」

母は驚いていた。

うん、確かに買い込み過ぎかもね。

私も思わず苦笑してしまう。

「大した惚れ込みようと言うか・・・相変わらず、仲がいいのね。」

これは、揶揄われるパターンだ!

私は慌てて話を逸らす。

「いつもなら、この時間はお店に居るところよ。オンマ、来るときは電話してね。」

「あら、そうなの?ごめんなさいね。・・・それより、テヨンさんは会社よね?
私も何か、贈り物をしたいわ。
三人で一緒に買い物に行きましょう。」

「・・・それが、テヨンさんは出張で、済州島なの。明日の夕食までには帰って来るって。」

「明日って土曜日なのに?
うまい具合に週末なのよ?・・・普通なら、
今夜から呑み明かして、明日は二人でゆっくり過ごすんじゃないの?」

・・・呑み明かすかどうかはともかく・・・仕方ないじゃない。

「テヨンさんは、忙しいから。・・・私もお店があるし、ね。」

「パッカ!」

「は、はい!」

突然大きな声で名前を呼ばれて、私も大声で返事をしてしまった。

「テヨンさんに贈り物をするわ!
今日はこのままお店を休みにして、私の買い物に付き合いなさい!
テヨンさんには、そのまま日曜日まで済州島に居てもらうから。」


そう言うなり、どこかに電話をかけ始めた。


日曜日まで済州島に居てもらう?・・・そんな、勝手に・・・。




そうして、私は母に連れ廻されることとなり、夕刻にはその母を空港まで送って行く羽目になったのだった。



夜、仕込み損ねた料理の食材を前に溜息を吐き、テヨンさんに電話をした。




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