「長編(完結)」
贈り物
贈り物 8
テヨンに何を贈るか・・・。
誕生日、クリスマス、ヴァレンタイン・・・
記念日、イベントはたくさんあって、その度にサプライズという訳にもいくまい。
だけれども、何が欲しい?と尋ねるのも楽しみが半減するような気がして・・・。
パク・ハが頭を悩ませていた時、偶然通りかかったジュエリーショップで、店の老紳士に声を掛けられた。
テヨンが贔屓にしているらしいその店は、彼の少々無茶な要求にも応えてきたらしい。
親切な老紳士が示してくれたアイデアは、パク・ハも納得の『贈り物』となり、受け取ったテヨン自身もことのほか喜んだ。
その箱に納まっていたのは、白金 の蝶。
「カフリンクスを贈られては如何でしょうか?」
「カフリンクス?」
「はい。いわゆるカフスボタンのことでございます。」
なるほど、パーティーやセレモニーに参加する機会も多いテヨンには、使用頻度の高そうな装身具である。
「お勧めのデザインがございますので、少々お待ちくださいませ。」
そう言って老紳士は奥に引っ込んだ。
ほどなくして、デザイン画を手にして戻って来る。
「こちらでございます。」
「・・・アジョッシ、これって・・・。」
「はい。今もお嬢様の耳許を飾っている、ピアスのデザイン画でございます。
加えて、これはテヨン様の手によるものです。」
老紳士は微笑んだ。
「こちらのデザインで、カフリンクスをお造りになって贈られましたら、
テヨン様も大変お喜びになられるのではないでしょうか?
お嬢様にもお喜び頂けるものと、確信いたします。」
そう言って、深々と頭を下げる。
テヨンがパク・ハとの出会いを考える時、蝶の存在は欠かせない。
彼は『幸福の使い』だと言って、金 の蝶をパク・ハに贈った。
「アジョッシ、ありがとうございます!とても、素敵だわ!!」
「金 ですと、少々華美になり過ぎるかと思いますので、白金 などは如何でしょうか?」
「アジョッシにお任せします!」
「かしこまりました。・・・ところで、お嬢様。」
「はい?」
「無事にお品が出来上がって参りまして、テヨン様にお贈りなさいますときには、
著作権の侵害で訴えたりはしないで欲しい、と合わせてお伝えくださいませ。」
真面目くさって頭を下げられ、パク・ハは一瞬キョトンとした。
「アジョッシ!大丈夫です!!訴えるなら私を訴えてって彼に言いますから。」
二人の明るい笑い声が響く。
パク・ハの耳許で羽を休める蝶。
テヨンの袖口には、パク・ハのそれよりも少し大きめの蝶が、羽を休めることだろう。
◇◇◇
「これを着けて、食事に行こう。」
二人は微笑み合ってどちらからともなくキスを交わす。
「食事を楽しんだ後は、君のドレス のリボンを解くからね。」
「もう、知らないわよっ!・・・あんぽんたん!」
「本当は、今すぐ君を食べたいんだよ?」
「あんぽんたん!」
「君は僕を食べたくないの?」
「もう!!本当のホントに、あんぽんたん!!」
テヨンはパク・ハの蝶にキスをする。
「君のお母さんとの会食のつもりだったからではあるけど・・・
スーツを着て来て正解だったな。」
テヨンは袖口に手を伸ばした。
彼自身が選んで、ダブルカフを留めてあったカフリンクス。
それを外そうとした。
が、ふと動きを止めると、外しかけた留め具を元に戻す。
「こっちに着けるよ。」
蝶を一頭摘み取ると、スーツの襟元、フラワーホールに差し込んだ。
「君も、髪を上げて。・・・耳許の蝶が、よく見えるように。」
髪を上げたパク・ハの両の耳許には金 の蝶。
テヨンのスーツの襟元には白金 の蝶。
幸福の使いは二人を祝福するようにきらりと光った。
___________
金の蝶のピアスは、昨年のクリスマスにプレゼントされました。
一連のお話はこちら → クリスマス
誕生日、クリスマス、ヴァレンタイン・・・
記念日、イベントはたくさんあって、その度にサプライズという訳にもいくまい。
だけれども、何が欲しい?と尋ねるのも楽しみが半減するような気がして・・・。
パク・ハが頭を悩ませていた時、偶然通りかかったジュエリーショップで、店の老紳士に声を掛けられた。
テヨンが贔屓にしているらしいその店は、彼の少々無茶な要求にも応えてきたらしい。
親切な老紳士が示してくれたアイデアは、パク・ハも納得の『贈り物』となり、受け取ったテヨン自身もことのほか喜んだ。
その箱に納まっていたのは、
「カフリンクスを贈られては如何でしょうか?」
「カフリンクス?」
「はい。いわゆるカフスボタンのことでございます。」
なるほど、パーティーやセレモニーに参加する機会も多いテヨンには、使用頻度の高そうな装身具である。
「お勧めのデザインがございますので、少々お待ちくださいませ。」
そう言って老紳士は奥に引っ込んだ。
ほどなくして、デザイン画を手にして戻って来る。
「こちらでございます。」
「・・・アジョッシ、これって・・・。」
「はい。今もお嬢様の耳許を飾っている、ピアスのデザイン画でございます。
加えて、これはテヨン様の手によるものです。」
老紳士は微笑んだ。
「こちらのデザインで、カフリンクスをお造りになって贈られましたら、
テヨン様も大変お喜びになられるのではないでしょうか?
お嬢様にもお喜び頂けるものと、確信いたします。」
そう言って、深々と頭を下げる。
テヨンがパク・ハとの出会いを考える時、蝶の存在は欠かせない。
彼は『幸福の使い』だと言って、
「アジョッシ、ありがとうございます!とても、素敵だわ!!」
「
「アジョッシにお任せします!」
「かしこまりました。・・・ところで、お嬢様。」
「はい?」
「無事にお品が出来上がって参りまして、テヨン様にお贈りなさいますときには、
著作権の侵害で訴えたりはしないで欲しい、と合わせてお伝えくださいませ。」
真面目くさって頭を下げられ、パク・ハは一瞬キョトンとした。
「アジョッシ!大丈夫です!!訴えるなら私を訴えてって彼に言いますから。」
二人の明るい笑い声が響く。
パク・ハの耳許で羽を休める蝶。
テヨンの袖口には、パク・ハのそれよりも少し大きめの蝶が、羽を休めることだろう。
◇◇◇
「これを着けて、食事に行こう。」
二人は微笑み合ってどちらからともなくキスを交わす。
「食事を楽しんだ後は、君の
「もう、知らないわよっ!・・・あんぽんたん!」
「本当は、今すぐ君を食べたいんだよ?」
「あんぽんたん!」
「君は僕を食べたくないの?」
「もう!!本当のホントに、あんぽんたん!!」
テヨンはパク・ハの蝶にキスをする。
「君のお母さんとの会食のつもりだったからではあるけど・・・
スーツを着て来て正解だったな。」
テヨンは袖口に手を伸ばした。
彼自身が選んで、ダブルカフを留めてあったカフリンクス。
それを外そうとした。
が、ふと動きを止めると、外しかけた留め具を元に戻す。
「こっちに着けるよ。」
蝶を一頭摘み取ると、スーツの襟元、フラワーホールに差し込んだ。
「君も、髪を上げて。・・・耳許の蝶が、よく見えるように。」
髪を上げたパク・ハの両の耳許には
テヨンのスーツの襟元には
幸福の使いは二人を祝福するようにきらりと光った。
___________
金の蝶のピアスは、昨年のクリスマスにプレゼントされました。
一連のお話はこちら → クリスマス
~ Comment ~
Re: て*****様へ
て*****様
お返事、遅くてごめんなさい。<m(__)m>
ナイスでした?もう、プレゼント何にするか悩んで悩んで。WW(誰が?パッカ、かな?)
もちろん、まだ完結してません。
リボンを解くとテヨンも予告してますし・・・。
少し・・・(もしかしたら、かなり?)お時間を頂きます。(汗)
お返事、遅くてごめんなさい。<m(__)m>
ナイスでした?もう、プレゼント何にするか悩んで悩んで。WW(誰が?パッカ、かな?)
もちろん、まだ完結してません。
リボンを解くとテヨンも予告してますし・・・。
少し・・・(もしかしたら、かなり?)お時間を頂きます。(汗)
Re: か****様へ
か****様
でしょう?♪
テヨン、大喜びですよね!
か****さん、良かったらメルアドを教えてくださいませんか?
パス申請の時のは、パスをお送りしたら、即、削除するんです。
もし、良かったら、連絡先を教えてください。<m(__)m>
でしょう?♪
テヨン、大喜びですよね!
か****さん、良かったらメルアドを教えてくださいませんか?
パス申請の時のは、パスをお送りしたら、即、削除するんです。
もし、良かったら、連絡先を教えてください。<m(__)m>
Re: ま***様へ
ま***さま
ほんと、何をプレゼントにするか悩みましたぁ。
でも、多くの読者様の賛同を得られて嬉しいです。
スーツの襟元のは、フラワーホールと言って、結婚式ではホントに花を挿す場合があります。
結婚の承諾の証として、花嫁がブーケから1輪抜いて挿すのだとか。
私は、ずっと、社員章とかのバッチを挿すところだと思ってました。(苦笑)
調べたら、カフスボタンを挿してお洒落を楽しむ男性もいるとのことだったので、テヨンにさせてみました。(#^.^#)
ほんと、何をプレゼントにするか悩みましたぁ。
でも、多くの読者様の賛同を得られて嬉しいです。
スーツの襟元のは、フラワーホールと言って、結婚式ではホントに花を挿す場合があります。
結婚の承諾の証として、花嫁がブーケから1輪抜いて挿すのだとか。
私は、ずっと、社員章とかのバッチを挿すところだと思ってました。(苦笑)
調べたら、カフスボタンを挿してお洒落を楽しむ男性もいるとのことだったので、テヨンにさせてみました。(#^.^#)
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