「短編集」
読みきり
無題
2016.06.16 *Edit
屋根部屋のインターホンを押す。
はーい、とパッカの声がした。
ドアが開くと彼女の笑顔。
駆けより、思い切り抱きしめた。
パッカはきゃっと小さく叫ぶ。
お構いなしに腕に力を込めて、彼女の肩口に顔を埋めた。
「・・・テヨンさん?・・・どうしたの?」
パッカは腕を持ち上げ、僕の背中に手を廻す。
掌で僕の背中を、優しく擦ってくれる。
ごめん。
しばらく、このままで居させて。
僕が悪いんだ。
ちょっとした隙を突かれた。
大切な人に迷惑をかけることになった。
あの時、ああしなければ
あの時、こうしていれば
色んなことを考えて
後悔もして
恨みがましい思いも出て来るけど
お願いだ。
こんな僕でも傍に居て欲しい。
君の為にしたいことは、いっぱいある。
君と共にしたいことが、たくさんある。
僕を置いて行かないで欲しい。
君に、こんなこと言えないって分かってる。
分かってるけど・・・
辛いよ。
自分が嫌になるよ。
パッカ・・・
愛してる。
◇◇◇
テヨンさんは、動かない。
私に抱きついたきり、声もなく、動かない。
ぎゅうぎゅうと力が籠められる腕。
私は彼の背中を擦り続ける。
どうしたの?
何かあった?
顔は見えないけれど・・・泣いてるのね。
こうしていたいなら、好きなだけこうしているといい。
泣きたいなら、泣いて。
今は・・・
話したくないなら、話さなくてもいい。
話したくなったら、その時に話してくれればいい。
私はテヨンさんの力になれる?
その心に寄り添いたいと思っても
本当に寄り添ってるのかは分からない。
でも
また
素敵な笑顔を見せてくれるのでしょう?
今はただ
貴方に笑顔が戻って来るって
大好きな声が聞けるって
それだけを信じる。
はーい、とパッカの声がした。
ドアが開くと彼女の笑顔。
駆けより、思い切り抱きしめた。
パッカはきゃっと小さく叫ぶ。
お構いなしに腕に力を込めて、彼女の肩口に顔を埋めた。
「・・・テヨンさん?・・・どうしたの?」
パッカは腕を持ち上げ、僕の背中に手を廻す。
掌で僕の背中を、優しく擦ってくれる。
ごめん。
しばらく、このままで居させて。
僕が悪いんだ。
ちょっとした隙を突かれた。
大切な人に迷惑をかけることになった。
あの時、ああしなければ
あの時、こうしていれば
色んなことを考えて
後悔もして
恨みがましい思いも出て来るけど
お願いだ。
こんな僕でも傍に居て欲しい。
君の為にしたいことは、いっぱいある。
君と共にしたいことが、たくさんある。
僕を置いて行かないで欲しい。
君に、こんなこと言えないって分かってる。
分かってるけど・・・
辛いよ。
自分が嫌になるよ。
パッカ・・・
愛してる。
◇◇◇
テヨンさんは、動かない。
私に抱きついたきり、声もなく、動かない。
ぎゅうぎゅうと力が籠められる腕。
私は彼の背中を擦り続ける。
どうしたの?
何かあった?
顔は見えないけれど・・・泣いてるのね。
こうしていたいなら、好きなだけこうしているといい。
泣きたいなら、泣いて。
今は・・・
話したくないなら、話さなくてもいい。
話したくなったら、その時に話してくれればいい。
私はテヨンさんの力になれる?
その心に寄り添いたいと思っても
本当に寄り添ってるのかは分からない。
でも
また
素敵な笑顔を見せてくれるのでしょう?
今はただ
貴方に笑顔が戻って来るって
大好きな声が聞けるって
それだけを信じる。