「短話シリーズ」
企業戦士
会議室
はぁ~
思わず大きな溜息が出る。
役員会議でのプレゼンに向けて、企画チームで最終ミーティングをしていた。
だが、全く良いアイデアが出ない。
持ち込まれた企画がないではなかったが・・・
役員の面々、とりわけピョ・テクス社長を唸らせるにはどれも今一つで。
時間だけが過ぎて行き、だんだんと重苦しい雰囲気になってくる。
こんな状況では、良いアイデアなんて出るはずがない。
「少し、休憩にしよう。」
僕の一声を待っていたように、メンバーはホッとした顔になる。
そして、それぞれに散って行った。
僕自身は席を立つ気にもなれなくて、手元の資料を引き寄せた。
いまさら見直したところで、アイデアが出ないのは分かっている。
だけど・・・
何もしない訳にもいかず、資料を見ながら、何となしに手が動いていた。
誰かの、楽しげな笑い声に気づいて、現実の世界に引き戻される。
笑い声の主は、キムチーム長だった。
「何か、可笑しいですか?」
「いえ、可笑しいのではありません。
お上手だと感心していたのです。
・・・見せて頂いてもよろしいですか? 」
断る理由も見つからず、言われるままにその書類を手渡す。
「素敵な表情ですね。」
書類の片隅に、僕が描いた笑顔のパッカがいた。
落書き程度のものだが、確かに彼女の表情を好く捉えている、とは思う。
がやがやと人の気配がした。
「チーム長、何を見ているのですか?」
丁度、休憩を終えたメンバー達が戻ってきて、みんなしてそれを覗き込む。
「巧いですねぇ。チーム長が描かれたんですか?」
「いや、本部長だよ。」
「かわいいなあ。本部長の彼女ですか?」
「ああ、そう言えば本部長は絵の勉強をされてたんですよね。
それにしても、巧いもんだ。」
「うん、美人だ!」
口々に感想を言いながら、囃し立てる。
・・・ったく。
そのエネルギーをミーティングに活かしてくれよ。
「実物の方が、はるかに美人さ。」
「「「わあ~、ごちそうさまです!」」」
更に囃し立てられた。
ヒューと唇を鳴らす者までいる。
「君達に見せるために描いたんじゃないから、早く返してくれないか。」
少しの照れくささを隠しながら、資料を取り戻す。
「さあ、ミーティングの続きを始めるよ。」
「「「はい!」」」
皆、ニコニコしながら席に戻った。
〔パク・ハさんは、本当に才能がおありですね。
人を笑顔にする術に長けていらっしゃる。〕
僕の隣に座るキムチーム長が、小声で囁いた。
思わず彼を見る。
本当にそうだ。
さっきまでの重苦しい空気は吹き飛んでる。
ありがとう、パッカ。
さてと
僕も頑張るか。
早く、本物の君の笑顔が見たいから。
思わず緩みそうになる頬を引き締めながら、再度資料に視線を落とした。
思わず大きな溜息が出る。
役員会議でのプレゼンに向けて、企画チームで最終ミーティングをしていた。
だが、全く良いアイデアが出ない。
持ち込まれた企画がないではなかったが・・・
役員の面々、とりわけピョ・テクス社長を唸らせるにはどれも今一つで。
時間だけが過ぎて行き、だんだんと重苦しい雰囲気になってくる。
こんな状況では、良いアイデアなんて出るはずがない。
「少し、休憩にしよう。」
僕の一声を待っていたように、メンバーはホッとした顔になる。
そして、それぞれに散って行った。
僕自身は席を立つ気にもなれなくて、手元の資料を引き寄せた。
いまさら見直したところで、アイデアが出ないのは分かっている。
だけど・・・
何もしない訳にもいかず、資料を見ながら、何となしに手が動いていた。
誰かの、楽しげな笑い声に気づいて、現実の世界に引き戻される。
笑い声の主は、キムチーム長だった。
「何か、可笑しいですか?」
「いえ、可笑しいのではありません。
お上手だと感心していたのです。
・・・見せて頂いてもよろしいですか? 」
断る理由も見つからず、言われるままにその書類を手渡す。
「素敵な表情ですね。」
書類の片隅に、僕が描いた笑顔のパッカがいた。
落書き程度のものだが、確かに彼女の表情を好く捉えている、とは思う。
がやがやと人の気配がした。
「チーム長、何を見ているのですか?」
丁度、休憩を終えたメンバー達が戻ってきて、みんなしてそれを覗き込む。
「巧いですねぇ。チーム長が描かれたんですか?」
「いや、本部長だよ。」
「かわいいなあ。本部長の彼女ですか?」
「ああ、そう言えば本部長は絵の勉強をされてたんですよね。
それにしても、巧いもんだ。」
「うん、美人だ!」
口々に感想を言いながら、囃し立てる。
・・・ったく。
そのエネルギーをミーティングに活かしてくれよ。
「実物の方が、はるかに美人さ。」
「「「わあ~、ごちそうさまです!」」」
更に囃し立てられた。
ヒューと唇を鳴らす者までいる。
「君達に見せるために描いたんじゃないから、早く返してくれないか。」
少しの照れくささを隠しながら、資料を取り戻す。
「さあ、ミーティングの続きを始めるよ。」
「「「はい!」」」
皆、ニコニコしながら席に戻った。
〔パク・ハさんは、本当に才能がおありですね。
人を笑顔にする術に長けていらっしゃる。〕
僕の隣に座るキムチーム長が、小声で囁いた。
思わず彼を見る。
本当にそうだ。
さっきまでの重苦しい空気は吹き飛んでる。
ありがとう、パッカ。
さてと
僕も頑張るか。
早く、本物の君の笑顔が見たいから。
思わず緩みそうになる頬を引き締めながら、再度資料に視線を落とした。
~ Comment ~
Re: メ***様へ
メ***さま
コメありがとうございます。
癒されるのその一言に、書き続けてて良かったと思わせて頂いてます。
ウリテヨンが幸せでいられるように・・・思いを込めて書き続けます。
コメありがとうございます。
癒されるのその一言に、書き続けてて良かったと思わせて頂いてます。
ウリテヨンが幸せでいられるように・・・思いを込めて書き続けます。
Re: ま***さまへ
ま***さま
そうですね。パク・ハはみんなを笑顔にしてくれる。
笑顔が出なくなってしまった人の所へ、パク・ハを派遣したいです。
そうですね。パク・ハはみんなを笑顔にしてくれる。
笑顔が出なくなってしまった人の所へ、パク・ハを派遣したいです。
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