「短話シリーズ」
雷
かみなり
だって、仕方ないじゃない。
雷が・・・・怖かったんだもの。
雨脚が強まって、雷も鳴り出して・・・。
イヤだなぁ、って思いながら外を眺めていたの。
雷は好きじゃない。
やっぱり、少し怖い。
だから、なんとなく人の傍に居たかった。
それがテヨンさんなら、言うことはないんだけれど・・・・
遂に落雷!
ガラガラガラ!ドッシャーン!!
同時に天井もビリビリと震える。
「きゃあっ!!」
私は叫んでテヨンさんにしがみ付いたの。
ところが
テヨンさんじゃぁ、なかった、の・・・よね、これが。
抱き心地が違う、と思ったし
すぐに受け止めてくれる優しい腕が下りてこないのも、変だ、と思った。
キムチーム長だ!
しまった、と思った瞬間、当のテヨンさんが来てしまった。
どうしよう、どうしよう・・・
今までの彼の行動を考えれば、絶対に嫉妬する。
キムチーム長に迷惑をかけちゃう・・・どうしたら・・・
停電していたライトが点いて、私はそれまでぎゅっと瞑っていた目を開けた。
チーム長から手を離す。
一瞬のうちに考えて・・・
とりあえず、何事もなかったように、普通に、ごく普通に・・・
キムチーム長、ごめんなさい!
心の中でチーム長に謝りながら、いつものようにテヨンさんに接した。
そしたら、また落雷!
ガラガラガラ!ドン!ドッシャーン!
「きゃあっ!!」
今度こそテヨンさんにしがみ付いた。
しがみ付く私を、テヨンさんは、きつく抱きしめてくれた。
安心したわ。
いろいろ・・・
雷の怖さも和らいだけど、キムチーム長のことも。
大丈夫だ、と思ったのだけれけど・・・甘かった。
テヨンさんは、後ろにチーム長がいるって分かってて濃厚なキスを仕掛けてくる。
私は恥ずかしさでどうにかなりそうだったけど・・・
彼の熱に取り込まれてしまってた。
・・・認めたくないけど、私も、少しは・・・。
その後、テヨンさんとキムチーム長はいたって冷静なやり取りをして、
治まってきた雨の中、キムチーム長が出て行った。
「パッカ。」
やはりそこは恥ずかしくて、真っ赤になって俯いていたの。
「パッカ。」
いくらなんでも恥ずかしいよ・・・。
「何?聞き取れないよ。」
「・・・あんぽんたん!もう恥ずかしくて、キムチーム長に会えないわ!」
違う。あんぽんたんは、私の方。
「大丈夫だよ。」
テヨンさんは呆れ気味に言った。
「大丈夫じゃない!!」
実際、大丈夫だなんて思えない。
キムチーム長はきっと何事もなかったように接してくれるとは、思う。
帰り際も私のことは一切見なかったし・・・。
顔中が火照って熱い。そのままテヨンさんを軽く睨んだ。
「君が悪いんだよ。」
困ったように彼が言う。
その通りだけど・・・
「どうして!」
テヨンさん、ごめんね。心の内では謝りながら、彼に楯突いてる私。
テヨンさんは心底呆れたって顔だった。
「キムチーム長に抱き付いた君が悪い!」
ううぅ、やだ、もう・・・。
そのことは忘れてよ。・・・テヨンさん、お願いよ。
「は?私がいつ、キムチーム長に抱き付いたのよ!」
私は、シラを切ることに決めた。
ごめん、テヨンさん。なかったことにして。
キムチーム長の為にも・・・。
「抱き付いたのは、テヨンさんに、でしょ!
人前で、あんなキスして・・・
あんぽんたん!抱き付くんじゃなかった!」
テヨンさんが、一瞬がくりと肩を落とした。
その後、素早く店の入口の鍵を締めて、店中のライトも消す。
「パッカ。人前じゃなければいいんだろう?」
さっきよりは優し目のキスだったけど、激しいキスを繰り返された。
いくらライトが消されてると言っても、ブラインドは下げられていない。
だから、拒みたい・・・けど、拒めない。
彼の熱に取り込まれてしまって・・・。
「パッカ、行こう。」
え?・・・どこに?
疑問を口にする前に、彼が呼んだらしいタクシーに押し込まれた。
連れて来られたのは、ホテルで・・・それは、一流と言われるホテルだった。
フロントで、部屋を取るテヨンさんの後ろ姿をぼーっと見ていた。
私の今の服装って、このホテルにそぐわないわよね、なんてこともぼんやりと考えた。
テヨンさんは、ホテルマンの案内を断ってカードキーを受け取る。
エレベーターは上へ上へと上昇していった。
部屋へ入るといきなり腕を引き寄せられて、激しく口づけられた。
そのまま壁に追い詰められて、なおも吐息を奪われる。
すごく豪華な部屋だったのだけれど、そんなことに感嘆している暇もない。
ベッドに押し倒されて上から跨られ、自由を奪われた。
「この部屋、ロイヤルスイートなの?」
こんな質問している場合じゃない気はするけど・・・
「・・・いや、三番目の部屋。ここしか空きがなかった。」
テヨンさんは律儀に答えてくれる。
「パッカ。随分、余裕があるんだね。」
彼は意地悪く笑った。
・・・嫉妬に駆られた時の、意地悪な微笑み。
意地悪なのに愛おしくて、不敵なのに優しい。
ぞくりとするのに嬉しくて、怖いと思うのに抗えない。
私は雷に打たれたように、彼に溺れていく。
繰り返される愛の言葉とは裏腹に、私を責めたて続ける彼の手、指、唇。
私は翻弄され続け、意識も混濁していた。
「テ・・・ヨンさん、ごめ・・・なさい。
お願い・・・もう、ゆるし、て。」
激しい熱が彼から発せられ
雷のように
私を貫いた。
きつく抱きしめられ、私は意識を・・・手放す。
雷が・・・・怖かったんだもの。
雨脚が強まって、雷も鳴り出して・・・。
イヤだなぁ、って思いながら外を眺めていたの。
雷は好きじゃない。
やっぱり、少し怖い。
だから、なんとなく人の傍に居たかった。
それがテヨンさんなら、言うことはないんだけれど・・・・
遂に落雷!
ガラガラガラ!ドッシャーン!!
同時に天井もビリビリと震える。
「きゃあっ!!」
私は叫んでテヨンさんにしがみ付いたの。
ところが
テヨンさんじゃぁ、なかった、の・・・よね、これが。
抱き心地が違う、と思ったし
すぐに受け止めてくれる優しい腕が下りてこないのも、変だ、と思った。
キムチーム長だ!
しまった、と思った瞬間、当のテヨンさんが来てしまった。
どうしよう、どうしよう・・・
今までの彼の行動を考えれば、絶対に嫉妬する。
キムチーム長に迷惑をかけちゃう・・・どうしたら・・・
停電していたライトが点いて、私はそれまでぎゅっと瞑っていた目を開けた。
チーム長から手を離す。
一瞬のうちに考えて・・・
とりあえず、何事もなかったように、普通に、ごく普通に・・・
キムチーム長、ごめんなさい!
心の中でチーム長に謝りながら、いつものようにテヨンさんに接した。
そしたら、また落雷!
ガラガラガラ!ドン!ドッシャーン!
「きゃあっ!!」
今度こそテヨンさんにしがみ付いた。
しがみ付く私を、テヨンさんは、きつく抱きしめてくれた。
安心したわ。
いろいろ・・・
雷の怖さも和らいだけど、キムチーム長のことも。
大丈夫だ、と思ったのだけれけど・・・甘かった。
テヨンさんは、後ろにチーム長がいるって分かってて濃厚なキスを仕掛けてくる。
私は恥ずかしさでどうにかなりそうだったけど・・・
彼の熱に取り込まれてしまってた。
・・・認めたくないけど、私も、少しは・・・。
その後、テヨンさんとキムチーム長はいたって冷静なやり取りをして、
治まってきた雨の中、キムチーム長が出て行った。
「パッカ。」
やはりそこは恥ずかしくて、真っ赤になって俯いていたの。
「パッカ。」
いくらなんでも恥ずかしいよ・・・。
「何?聞き取れないよ。」
「・・・あんぽんたん!もう恥ずかしくて、キムチーム長に会えないわ!」
違う。あんぽんたんは、私の方。
「大丈夫だよ。」
テヨンさんは呆れ気味に言った。
「大丈夫じゃない!!」
実際、大丈夫だなんて思えない。
キムチーム長はきっと何事もなかったように接してくれるとは、思う。
帰り際も私のことは一切見なかったし・・・。
顔中が火照って熱い。そのままテヨンさんを軽く睨んだ。
「君が悪いんだよ。」
困ったように彼が言う。
その通りだけど・・・
「どうして!」
テヨンさん、ごめんね。心の内では謝りながら、彼に楯突いてる私。
テヨンさんは心底呆れたって顔だった。
「キムチーム長に抱き付いた君が悪い!」
ううぅ、やだ、もう・・・。
そのことは忘れてよ。・・・テヨンさん、お願いよ。
「は?私がいつ、キムチーム長に抱き付いたのよ!」
私は、シラを切ることに決めた。
ごめん、テヨンさん。なかったことにして。
キムチーム長の為にも・・・。
「抱き付いたのは、テヨンさんに、でしょ!
人前で、あんなキスして・・・
あんぽんたん!抱き付くんじゃなかった!」
テヨンさんが、一瞬がくりと肩を落とした。
その後、素早く店の入口の鍵を締めて、店中のライトも消す。
「パッカ。人前じゃなければいいんだろう?」
さっきよりは優し目のキスだったけど、激しいキスを繰り返された。
いくらライトが消されてると言っても、ブラインドは下げられていない。
だから、拒みたい・・・けど、拒めない。
彼の熱に取り込まれてしまって・・・。
「パッカ、行こう。」
え?・・・どこに?
疑問を口にする前に、彼が呼んだらしいタクシーに押し込まれた。
連れて来られたのは、ホテルで・・・それは、一流と言われるホテルだった。
フロントで、部屋を取るテヨンさんの後ろ姿をぼーっと見ていた。
私の今の服装って、このホテルにそぐわないわよね、なんてこともぼんやりと考えた。
テヨンさんは、ホテルマンの案内を断ってカードキーを受け取る。
エレベーターは上へ上へと上昇していった。
部屋へ入るといきなり腕を引き寄せられて、激しく口づけられた。
そのまま壁に追い詰められて、なおも吐息を奪われる。
すごく豪華な部屋だったのだけれど、そんなことに感嘆している暇もない。
ベッドに押し倒されて上から跨られ、自由を奪われた。
「この部屋、ロイヤルスイートなの?」
こんな質問している場合じゃない気はするけど・・・
「・・・いや、三番目の部屋。ここしか空きがなかった。」
テヨンさんは律儀に答えてくれる。
「パッカ。随分、余裕があるんだね。」
彼は意地悪く笑った。
・・・嫉妬に駆られた時の、意地悪な微笑み。
意地悪なのに愛おしくて、不敵なのに優しい。
ぞくりとするのに嬉しくて、怖いと思うのに抗えない。
私は雷に打たれたように、彼に溺れていく。
繰り返される愛の言葉とは裏腹に、私を責めたて続ける彼の手、指、唇。
私は翻弄され続け、意識も混濁していた。
「テ・・・ヨンさん、ごめ・・・なさい。
お願い・・・もう、ゆるし、て。」
激しい熱が彼から発せられ
雷のように
私を貫いた。
きつく抱きしめられ、私は意識を・・・手放す。
~ Comment ~
Re: な*様へ
な*様
いつもありがとうございます。
ホントに疲れたときは、休ませてもらいますね。
かみなり3部作、完結です。w
結局、行き着くところはホテルかぁい!な展開でしたね。(苦笑)
テヨンが笑って、パク・ハが笑って、読者様が笑顔なら、私はそれが嬉しいです。
いつもありがとうございます。
ホントに疲れたときは、休ませてもらいますね。
かみなり3部作、完結です。w
結局、行き着くところはホテルかぁい!な展開でしたね。(苦笑)
テヨンが笑って、パク・ハが笑って、読者様が笑顔なら、私はそれが嬉しいです。
Re: ほ**様へ
ほ**様
ホントだ、感謝しなきゃ!
テヨンの直帰、キムチーム長がうまく処理してくれてるはずですしねぇ。
勤務時間中に何やってんの、って話ですよね。(笑)
そうか、パッカが「かみなり」だったのか!そうかも知れないです!!
ホントだ、感謝しなきゃ!
テヨンの直帰、キムチーム長がうまく処理してくれてるはずですしねぇ。
勤務時間中に何やってんの、って話ですよね。(笑)
そうか、パッカが「かみなり」だったのか!そうかも知れないです!!
管理人のみ閲覧できます