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「ユチョン応援☆妄想祭り」
同じ空の下

居場所

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街に買出しに出かけた。

新作メニューも考えたいから、たくさんのお店をまわろう。
私はウキウキと街を歩いていた。

いつも買い物に付き合ってくれるテヨンさんは、今日はいない。
彼は最近仕事が忙しくて、今日も、帰りが遅くなるよ、と言って出かけて行った。

彼が居れば、もっと楽しかったんだろうけど。


それは、目星のお店を何軒かまわった後のこと。

道路を挟んだ反対側にテヨンさんを見つけた。

こういう偶然は、すごく、幸せ!

私は、嬉しくて、本当に嬉しくて
テヨンさん!
そう声を掛けようとしたわ。


・・・・・。


勢いよく挙げかけた手を、静かに下ろす。


テヨンさん。
・・・その女性ヒトは誰?


彼の傍には綺麗な女性がいた。
二人とも、とても楽しそうに話している。

そして、その女性は彼の腕をとって、自分の腕を絡めた。


待って。・・・そこは、私の居場所よ。
テヨンさん
ねぇ、そうでしょう?



そこからどうやって屋根部屋まで帰って来たのか、覚えていない。
玄関を開けた途端、我慢していた涙が溢れ出した。


彼はそんな男性ヒトじゃない!

だけど・・・

男の人だもの。
私に不満があった、のかな?


盤石だったはずの足元が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。
心が、何物かによって暗く冷たい地の底に引きずり込まれていく。


私の五感すべてが停止した。




「ただいま。」

テヨンさんは囁くように、そっと帰宅を告げた。

泣き疲れた私は眠ってしまっていた、らしい。

私を起こさないようにと、そっとかけられた小さな声だったけれど、私の身体は彼の声に反応して
覚醒した。


どうしよう、どんな顔をしたらいい?


考える時間も
逃げる場所も
なく・・・


ソファでうずくまっていた私は、すぐにテヨンさんに見つかってしまった。

「パッカ!こんなところでどうしたの?具合でも悪い?」

いつもと変わらない優しい声。

「泣いていたの?・・・何が、あったんだ。」

私の泣きはらした目を見て、彼の声に悲しみの色が混じった。

テヨンさん、お帰りなさい。

そう言って、笑いたい。
だけど、口を開けば、涙が溢れそう。



私は

覚悟を、決めた。

ゆっくりと言葉を紡ぐ。

「あの女性ヒトは誰?」

「あのヒトって?何の事?」

「とぼけないで、本当のことを教えて。
今日、見かけたの。綺麗な女性ヒトと一緒に歩いてたでしょ。」

思い当たったようで、彼が黙った。


なんで黙っちゃうの?
しまった、とか思ってる?


覚悟を決めたはずなのに、心はグラグラ揺れて・・・押し潰されてしまいそう。
目にしたもの総てが嘘であってほしい、と心の底から願った。


「パッカは僕の事、信じられない?」

彼が悲しげに言う。

「信じてる。・・・けど、信じたいけど・・・」

また涙が溢れ出した。

「あの女性はね、会社の新しいCMに出るモデルさんだよ。」

テヨンさんは困ったような顔で言った。

「だって、とても仲良さそうに腕を組んだり・・・」

「・・・そんなのも見てたんだ。」

まいったな、と口の中で呟くテヨンさん。

「パッカ、僕の話をよく聴いて。」

彼はそう言うと、長く息を吐いて、吸った。

「彼女はなかなかの野心家でね、僕に気に入られようと必死らしいんだ。
マネージャーさんが電話をかける為に外したちょっとした隙に、
腕まで組んできたんだよ。」

「・・・本当に?」

「君に嘘は吐かない。絶対に。」

テヨンさんは真剣な顔で、瞳を逸らさず私を見つめる。
その瞳を見ていたら、心が解き放たれるのを感じた。

「しっかりと断ったよ。
僕には大切な女性がいるから、止めてくれ。はっきり言って迷惑だ。
今までどうだったかは知らないけれど、僕はこんな事で仕事を選んだりしない、ってね。」

彼の優しい腕が私をすっぽりと包み込む。
夢見るように、抱きしめられた。


私の、大切な、居場所。
一番好きな、居場所。


「パッカ、ごめん。」

「何もないなら、どうして謝るのよ?」

一瞬、緊張が走る。

「僕の油断で、君を悲しませたから。」

・・・貴方、優しすぎるわよ。
なんで信じられないんだ!って怒っていいのに。

「・・・私が勝手に早合点したんだもの。」


「パッカ、ごめん。」

「もう、謝らないで。」

「いや、君に悲しい思いをさせたくはないんだけど・・・
妬いてくれたんだと思うと、嬉しくて・・・。」

私の肩口に顔を埋めて、本当に嬉しそうに、喉の奥で笑ってる。

もうっ!
前言撤回!やっぱり、意地悪だ!

「あんぽんたん!」

テヨンさんは顔を上げると、私の顔を覗き込んできた。
まだ嬉しそうに笑ってる。

・・・その笑顔、ずるいわ。テヨンさんて、ずるいわよ!

思わず唇を尖らせた。

唇を尖らせれば、彼は必ずキスしてくる。


・・・キスして欲しい


の合図、でもある。


彼は、リップ音を立てて啄むようなキスをくれた。
そして、にっこりと笑ったの。


「やっと、いつものパッカだ。
僕が大好きなパッカだよ。」



私の居場所は、ここにしか、ない。




二人おでこをくっつけて、笑った。





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Re: な*様へ

な*さま

鬼リピおつです。(笑)

な*さんに同感!ちょっとでいいから、貸してほしい。貸してくれんだろうけど・・・。
てか、パッカが良いって言ってもテヨンが許さなそう。

Re: p********53様へ

p********53さま

そうです、そうです。仰る通り!
ひたすら、いちゃついててもらいましょう。
p********53さんも、私も、他の読者様も、みんなが和むのならば。(笑)

Re: ほ**様へ

ほ**様

そうですよね。お互いが大切な居場所。
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