「短話シリーズ」
七夕
星に願いを
今日も元気に営業していた。
客の波が途絶えたと思ったその時、カランと音がした。
「いらっしゃいませ。」
「パッカ、元気?久しぶりね。」
やって来たのはソリだった。
「お久しぶりです。元気です。おば様もお変わりなく?」
「ええ、もちろん!テヨンも元気?」
「はい。」
「あら、これ、なあに?」
カウンターの上に置いてあったポップに目を留めて、ソリが言った。
『星に願いを。
フルーツポンチ(短冊 付いてます)』
「七夕用の商品なんです。
と言っても、中のフルーツを星形にしてるってだけで、味は普段のと同じですけど。
短冊に願い事を書いてもらって、あそこの笹飾りに吊り下げてもらってます。」
パク・ハが指し示す方を振り返る。
なるほど、色とりどりの飾りが吊るしてある笹に、これまた色とりどりの短冊が揺れている。
「へえぇ、素敵じゃない。私にもちょうだい。」
「はい。ありがとうございます。」
パク・ハは慣れた手つきでフルーツポンチを作る。
「誰でも読めちゃいますから、見られてもいい願い事にして下さいね。」
パク・ハは商品と短冊を手渡しながら、うふふ、と笑った。
「私の願い事なんて決まってるのよ。
あのヒトが忙しすぎるから、少しは暇になりますようにって!」
『あの社長が、朝食だけは大叔母様に付き合ってるって聞いたよ。
大叔母様と一緒に食事するのも大変なんだからさ。
やっぱり社長は、大叔母様を大切に思ってるんだよ。
大叔母様自身は、不満そうだけどね。』
苦笑混じりの、いつかのテヨンの言葉を思い出す。
ソリはもっと構って欲しいのだろう。
テクスも愛情表現が下手なのだ。
「パッカは何か書いたの?」
「私は・・・」
大切なあの人が、いつも穏やかでいられますように。
大切なあの人が、いつも笑っていられますように。
大切なあの人が、同じ空を見上げてくれますように。
大切なあの人が、涙を流すことがありませんように。
大切なあの人の大切にしている総ての人が、共に笑っていられますように。
「短冊、一枚じゃ足らないんです。欲張り過ぎて。」
パク・ハは穏やかに笑った。
客の波が途絶えたと思ったその時、カランと音がした。
「いらっしゃいませ。」
「パッカ、元気?久しぶりね。」
やって来たのはソリだった。
「お久しぶりです。元気です。おば様もお変わりなく?」
「ええ、もちろん!テヨンも元気?」
「はい。」
「あら、これ、なあに?」
カウンターの上に置いてあったポップに目を留めて、ソリが言った。
『星に願いを。
フルーツポンチ(短冊 付いてます)』
「七夕用の商品なんです。
と言っても、中のフルーツを星形にしてるってだけで、味は普段のと同じですけど。
短冊に願い事を書いてもらって、あそこの笹飾りに吊り下げてもらってます。」
パク・ハが指し示す方を振り返る。
なるほど、色とりどりの飾りが吊るしてある笹に、これまた色とりどりの短冊が揺れている。
「へえぇ、素敵じゃない。私にもちょうだい。」
「はい。ありがとうございます。」
パク・ハは慣れた手つきでフルーツポンチを作る。
「誰でも読めちゃいますから、見られてもいい願い事にして下さいね。」
パク・ハは商品と短冊を手渡しながら、うふふ、と笑った。
「私の願い事なんて決まってるのよ。
あのヒトが忙しすぎるから、少しは暇になりますようにって!」
『あの社長が、朝食だけは大叔母様に付き合ってるって聞いたよ。
大叔母様と一緒に食事するのも大変なんだからさ。
やっぱり社長は、大叔母様を大切に思ってるんだよ。
大叔母様自身は、不満そうだけどね。』
苦笑混じりの、いつかのテヨンの言葉を思い出す。
ソリはもっと構って欲しいのだろう。
テクスも愛情表現が下手なのだ。
「パッカは何か書いたの?」
「私は・・・」
大切なあの人が、いつも穏やかでいられますように。
大切なあの人が、いつも笑っていられますように。
大切なあの人が、同じ空を見上げてくれますように。
大切なあの人が、涙を流すことがありませんように。
大切なあの人の大切にしている総ての人が、共に笑っていられますように。
「短冊、一枚じゃ足らないんです。欲張り過ぎて。」
パク・ハは穏やかに笑った。
~ Comment ~
ここ2~3年
とても七夕など忘れてしまうくらい、介護に明け暮れていました。
でもでも、明日は晴れてくれるようですし、短冊に
祈りをしたためたいと思います。
でもでも、明日は晴れてくれるようですし、短冊に
祈りをしたためたいと思います。
Re: やすべぇ様へ
やすべぇ様
普段ならさらっと流しちゃうような行事かなと、私自身もそうです。(苦笑)
祈りは束となって、天に届く。
皆様の願いが叶いますように。
普段ならさらっと流しちゃうような行事かなと、私自身もそうです。(苦笑)
祈りは束となって、天に届く。
皆様の願いが叶いますように。
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