同じ空の下

いつのクリスマスだったろう。
お店に子供達を呼んで、クリスマスパーティーを開いた。
サンタクロースに扮したテヨンさんが、ピアノと歌声を披露してくれた。
パーティーも終わって、二人だけの時間を楽しんだ後、屋根部屋で
私だけのために唄ってくれた。
それ以来、リビングには電子ピアノが置かれてる。


結婚して、もうすぐ家族も増える。


アッパの歌声は、それは、それは、素敵なのよ。
オンマは、大好き。あなたのアッパの声が、大好きよ。




「ただいま。」

うふふ、あなたもアッパの声が分かるのね？
そんなに蹴らないでよ。

「テヨンさん、お帰りなさい。」

私達はキスを交わす。

分かったから、蹴らないで。

「テヨンさん、歌を聞かせて。坊やが聞きたがってるの。」

テヨンさんは、一瞬、目を見開いて、優しく微笑んだ。
そしてまた優しいキスをくれる。

「坊やが妬いてるわ。キスする度に、蹴られるの。」

「オンマはアッパのモノだから、今から、教育しとかないとな。」

テヨンさんがお腹をそっと撫でた。

「暴れてオンマを困らせるなよ。
・・・後で、子守唄を唄ってあげるから。」

「おとなしくなったわ。」

「随分、聞き分けがいいんだね。」

「歌を聞きたいのよ。」

「ホントに聞きたがってるのは、その子？君？どっち？」

「・・・二人共、かな?」

テヨンさんの上着を受け取る。

「約束、守ってね。」

「もちろんだよ。今夜は久しぶりのライブだな。」

テヨンさんは片目を閉じた。




テヨンさんの、優しい、優しい、歌声が私を包み込む。



ねぇ、坊や。アッパの歌声は素敵でしょう？


オンマは、大好き。あなたのアッパの声が、大好きよ。

本当に

大好き。