FX

「長編(連載中)」
生まれ変わっても -朝鮮編-

生まれ変わっても 54

 ←拍手コメントへのお返事です。 →絶対に成功するデートプラン
~今までのあらすじ~

テヨンはパク・ハと共にやって来た昌徳宮で芙蓉池に落ちてしまい、独り朝鮮時代へと飛ばされてきた。
運よくヨンスル、チサン、マンボら三人の臣下の許へ落ちた彼は、臣下達の助けを借りて現代に還る方法を探すことに。

まずはパク・ハの前世であるプヨンの消息を知りたがったテヨンだが、プヨンは姉の身代わりとなって既に亡くなっていた。
プヨンの墓を訪れたテヨンは王世子イ・ガクを訪ねたいと申し出る。

イ・ガクに会うために湯治場を訪れるが、なんとイ・ガクは麻疹に罹り意識不明だったのだ。
王命を受けた臣下達は、テヨンに、イ・ガクの代役を務め力を貸してほしいと助けを求める。

テヨンは、イ・ガクの看病をかつて麻疹に罹ったことのある青年チャ・チスに任せ、自らは王世子イ・ガクとなって都へ向かった。
その途中で立ち寄った恵民署は閉鎖され、中では麻疹に罹った者達が苦しんでいた。

恵民署で唯一助かった医員ハン・ヨンジンによると、恵民署の二人の堤調のうち皆の尊敬を集めるソ・ヒョンドクの行方が分からないという。
もう一人の堤調で吏曹判書を兼任するカン・ヨンチョルは恵民署の薬剤を横流しにし、私腹を肥やしていた。

王宮で王に謁見したテヨンは、王に疑われることなく、疫病退治の王命を賜った。
ところが、イ・ガクの現在の世子嬪ソン・ユンジュは、一目で王世子を別人だと見抜いていた。そして、テヨンのことも、パク・ハのことさえもイ・ガクから聞かされて知っていたのである。

テヨンが王宮で王や世子嬪と会っていた頃、ヨンスルはテヨンの命を受けてカン・ヨンチョルを探っていた。
恵民署を閉鎖したのはカン・ヨンチョルで、麻疹の流行を報告に上がろうとしていたソ・ヒョンドクを監禁したのもカン・ヨンチョルだったのだ。
ヨンスルに助け出されたソ・ヒョンドクは、王世子の命で朝議に赴くことになる。

テヨンの戦いはこれからである。




////////////



高級官吏から下級官吏に至るまで総ての官吏が集められた(*)便殿ピョンジョン
常ならぬ早朝に呼び集められ、皆ざわめいていた。


何事だ?
チョハが病を得られたとは真か?
いや、ご健勝なお姿を拝見したぞ。


内官が、王と王世子の訪れを声高に告げる。
途端にしんと静まり返り、それぞれが頭を垂れる気配だけが便殿内に満ちた。

王が着座し、続いて王世子も座に着く。

「皆の者、面を上げよ。」

その場にいる総ての者が顔を上げた。

「皆、早朝より大義である。」

王は皆を見渡し、短く息を吐いた。

「今・・・我が朝鮮は大変な難局に直面しておる。
故に、皆の忌憚ない意見を求めたい。」

王は目を瞑り、顎髭を撫でつけた。そして、意を決したように、重々しく言葉を繋ぐ。

「余は、此度の件に関して、総てを王世子に一任する。
王世子の言葉は余の言葉、王世子の命ずることは王命と心得よ。
王世子に従い、問題解決に尽力してもらいたい。」

王の言葉を受けて、どよめきが起こる。

王は王世子に視線を送って呼びかけた。

「世子・・・。」

王世子も王に頷き返し、正面を向く。

深呼吸をして姿勢を正した。
テヨンはゆっくりと口を開く。

「噂を耳にしている者も居ろう。・・・麻疹が流行し始めている。」

王世子の一言に更に大きなどよめきが起こる。


なんと!
恐ろしい疫病ではないか!


テヨンは手を挙げて皆を制した。
再び静まり返った便殿にテヨンの声だけが響き渡る。

「幸い、病人は恵民署に隔離され、都への病の侵入は水際で食い止められておる。
しかし、このままではいつ都に飛び火するやも知れぬ。
ついては、その発生源となった村へ赴き・・・病の封じ込めを図る!!」

最後ははらに力を込めて、高らかに宣言をした。


皆が息を飲む中、(*)左義政チャイジョンが口を開く。

「チョハ。恐れながら・・・」

「申せ。・・・総ての者に発言を許す。意見のある者は自由に述べよ。」

「発生源の村、と仰せでしたが・・・チョハはそこまでご存知であらせられますか?」

「まだ不確かだが・・・おそらく間違いはあるまい。病を得た者に、直接 聞いた。」

「直接、ですと!?」

左義政は眉をひそめた。

「そうだ。私自身が恵民署に於いて確認した内容だ。」

「なんと!病人に直接会われたのでございますか!
国の未来を担う王世子が・・・。
王世子にあるまじき行為ですぞ!」


・・・そっちを突っ込んでくるのか?


テヨンは呆れると共に、気を抜けばイ・ガクの立場は簡単に揺さぶられるという事実を、実感を伴って認識したのだった。

「国の未来を担うからこそ!
この病を封じ込めねば国の未来はない!」

テヨンの気迫に、左義政も一瞬怯む。

「麻疹は一度罹れば二度は罹らぬと聞く。
私は一度病に倒れたが、生還した。」

テヨンの声は静かだったが、重々しかった。皆が息を飲んでいる。
誰かが何かを言い出す前に更に畳み掛けなければ・・・。

「私は、もう麻疹には罹らぬ。天は私を生かした。
何故だ?
此度の病を封じ込め、国の未来を失わせてはならぬ。そういうことではないのか?」

誰も何も言わない。いや、言えないのだ。

「私をおいて他に、誰がこの国の未来を担うことができようか!
王世子 イ・ガク 王命を賜った。王、すなわち天。これは天命である。
故に必ずや此度の疫病、封じ込めてみせる。
皆、私に従い、私に協力せよ。」

便殿内はしんと静まり返っている。
テヨンは尚も続けた。

「私と共にその村へ赴く者は、既に内医院で選出済みだ。
貧しさ故に民の健康状態が悪い。病が流行ればすぐに広がるであろう。
各々の邸に備蓄してある、米、麦などの食糧、絹、綿などの織物、
余剰分を民の為に供出致せ。」

どよめきが広がった。

「チョハ!皆、何かあった時の為にと備蓄しております。
それを強引に引き渡せとは・・・搾取なさるおつもりか!」


よく言うよ!
民衆から搾取してるのはあんたらの方だろう?


テヨンは不機嫌さを隠さず唇を歪めた。

「此度の件、国の危機であると王は申された。
そちの言う『何かあった時』とはどのような時だ?
今がその時ではないのか?
民に病が広がれば、そち等の邸の使用人も病を得るかも知れぬな。
病は人を選びはせぬ。
栄養状態の良い者であれば、或いは助かるであろう。・・・私のように、な。
天が生かしてくれるかどうか・・・試してみるのも悪くはあるまい。」

皮肉たっぷりに左義政を睨めつける。

「食糧を分け与えるだけで、疫病を防げましょうや?」

「それは分からぬ。だが、病を免れる者、命を落とさずに済む者は、確実に増える!」

テヨンはそう断言した後、居並ぶ臣下達の末席、一番後方にいた人物を真っ直ぐに見た。

「そうであろう?・・・ソ堤調?」

「チョハの仰せの通りにございます。」

恵民署の堤調、ソ・ヒョンドクは深々と頭を下げた。






__________



便殿ピョンジョン = 王が普段生活しながら政も行った宮殿。  

左義政チャイジョン = 義政府ウィジョンブ(現代の内閣に相当する行政の最高機関)の高官。NO.2。現代の副首相。


皆様 こんにちは。
実に1年半ぶりの『なり切りテヨン』でございます。
もう、書いてる私自身もストーリーを忘れかけ、登場人物も、誰?このおっさんは?状態で。(苦笑)
ラブラブ、あまあま、まるでなし。おっさんがわんさか出てきそうな予感もするし・・・。
そんでもって、またまたこんなところで終わるんかぁい!な状態ですし・・・。

それでも、楽しんで頂けたなら嬉しいのであります。






ツイッターに更新通知がツイートされるように設定しました。お気軽にフォローしてやってください。

  ↓↓↓







 【 お礼画像と、時々SS 掲載してます 

↓↓↓ランキングに参加中!ぽちっ と応援 ヨロシク!


↓↓↓ 更新通知を受け取れます。
  
生まれ変わっても -朝鮮編-の関連記事
総もくじ 3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ 3kaku_s_L.png 長編
総もくじ 3kaku_s_L.png 長編(連載中)
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編集
総もくじ 3kaku_s_L.png 短話シリーズ
総もくじ 3kaku_s_L.png ユチョン応援☆妄想祭り
総もくじ 3kaku_s_L.png コラボレーション
総もくじ 3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png 長編
総もくじ  3kaku_s_L.png 長編(連載中)
もくじ  3kaku_s_L.png 短期連載中
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編集
総もくじ  3kaku_s_L.png 短話シリーズ
総もくじ  3kaku_s_L.png ユチョン応援☆妄想祭り
総もくじ  3kaku_s_L.png コラボレーション
総もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png お礼
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ
もくじ  3kaku_s_L.png 限定記事
もくじ  3kaku_s_L.png その他
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類


 




  • 【拍手コメントへのお返事です。】へ
  • 【絶対に成功するデートプラン】へ

~ Comment ~

長いリードタイムでも

こんにちは!更新、すごくうれしいです。
最初前を読み返さないと解らないかと思いましたが、
読み進むうちに、思い出しながら、お話の最後まで
一気に読んでしまいました。
きっとありちゃんの頭のなかは次々と物語は
続いているのでしょうが、ほんとに楽しみに待って
ますので、無理をしないで、小出しにでも
聞かせて下さい。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re:やすべぇ様へ

やすべぇ様

お久しぶりです。
お返事が遅くてごめんなさい。<m(__)m>


> 最初前を読み返さないと解らないかと思いましたが、
> 読み進むうちに、思い出しながら、お話の最後まで
> 一気に読んでしまいました。
 
ありがとうございます。
私自身も忘れてて、あらすじを書くために読み返しました。(苦笑)

> きっとありちゃんの頭のなかは次々と物語は
> 続いているのでしょうが、

・・・それがですねぇ。止まってて・・・(汗)
もちろんだいたいの構想はあるのですが・・・細かいところが・・・

> ほんとに楽しみに待ってますので、無理をしないで、小出しにでも
> 聞かせて下さい。

ありがとうございます。
励みになります。

Re: ほ**様へ

ほ**さま

いつのコメへの返答かってくらい遅いです。ごめんなさい。<m(__)m>

テヨン、カッコいいでしょう?(#^.^#)
もう、書きながら悶えてましたから!(←変な書き手だ)

そうですよね。テヨンの力量が試されてます。そして、それはそのまま私の力量も試されているのでありました。(苦笑)
精進しますので、ゆっくりとお付き合いくださいませ。<m(__)m>

Re: ま***様へ

ま***さま

お返事が遅くてごめんなさい。<m(__)m>

小気味よいと言って頂けてホッとしてます。
ええ、ええ、テヨンが悪者を懲らしめてくれますよん。

続き・・・いつになるんだろう。(汗)
でも、まさか、また1年以上も空けるとか、馬鹿な真似はしないつもりですので・・・
今後もよろしくお願いいたします。<m(__)m>

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: ま***様へ

ま***さま

あらすじ書かなきゃなんないほどの放置っぷりって、酷い書き手ですよね。(苦笑)
そんななのに、ありがとうございます。<m(__)m>
ラブラブは短編で織り交ぜますね。このお話はどシリアスなんだもんなぁ。(今の所は・・・)
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【拍手コメントへのお返事です。】へ
  • 【絶対に成功するデートプラン】へ