「長編(完結)」
一年で一番甘い日
一年で一番甘い日 2
マンボがパソコンの画面を見ながら難しい顔をしている。
「ちょっと、これを見てください。」
マンボに言われ、チサンとヨンスルもパソコンを覗き込んだ。
「・・・パッカヌイは『お返し』をしろと言っていたよな?」
「・・・全部にか?」
三人とも、バレンタインのチョコレートを紙袋いっぱいに貰っていて、イ・ガクに至ってはその紙袋が両手で持ちきれないほどになっている。
パク・ハの言葉を受けて、バレンタインの意味とその『お返し』をするべきホワイトデイの意味を調べていた。
『お返し』をイ・ガクが自ら準備するであろうはずもなく、臣下として当然の仕事をしていたわけであるが・・・
義理チョコにお返しをしなければならないのは分かるが、その数が尋常ではない。
マンボは、ちっちっちと立てた指を揺らした。
「いや、部署ごとにまとめて配ると言う手もあるだろうし・・・
そっちが問題ではありません。」
「では、何が問題なのだ?」
「パク・ハさんです。」
え?とチサンとヨンスルは顔を見合わせた。
「鈍い人達だなぁ。パク・ハさんがチョハにチョコレートをお渡ししているのを、見ましたか?」
「・・・いや、見てない。」
「こっそり、渡されたのでは?」
またマンボは立てた指を振る。
「パク・ハさんは『義理チョコ』の山を見て、お出しになることができなかったんですよ。
意地っ張りだから・・・。」
二人は、確かに、と頷いた。
それに、王世子の方にもそんな素振りは見えない。
パク・ハから『愛の告白』のチョコレートを受け取ろうものなら、もっと機嫌が良いはずで、何やかやとパク・ハにちょっかいを掛けてはそのことをからかうに違いない。
場合によっては、臣下を排除して二人きりになろうとすることも考えられる。
しかし今のところ、彼は集まって来たチョコレートを毎日食べて喜んではいるが、ただそれだけにしか見えないのだ。
「どうやら、チョハは『本命チョコ』のことをご存知ではあられないようですね。」
マンボの言葉に、チサンとヨンスルも同意し頷いた。
「チョハがお知りになる前に、パク・ハさんからチョコレートを渡していただかねば・・・。」
マンボが呟くと
「・・・チョコレートケーキをお出ししていたではないか。」
ヨンスルが不満気に言った。
「あれは、我々にも食べさせてたじゃないですか。『義理チョコ』ですよ。
そのこともチョハがお知りになったら・・・」
「お怒りになるな。」
チサンが首を竦める。
パク・ハの気持ちも分からないではない。
あのチョコレートの山を見れば、嫉妬の一つもしそうである。
気強く、「そんなの受け取らないでよ!」と嫉妬心を剥き出しにでもすれば、それはそれでイ・ガクも喜びそうであるのに。
しかし、そのことを黙ったまま、自分の気持ちを抑え込んでしまうような奥ゆかしさも併せ持っているのだ。
イ・ガクの方もバレンタインの意味を知ったとして、「何故、私に寄こさぬ!」などとパク・ハに詰め寄りそうである。
そんなことになれば、意地っ張りのパク・ハと喧嘩になるだろう。
臣下三人は溜息を吐いた。
「パク・ハさんを説き伏せて、チョハにチョコレートをお渡し頂こう。」
「パク・ハ殿は承知なさるだろうか?」
「・・・チョハを説得するより、パッカヌイに働きかける方が、はるかに簡単だと思いますよ。」
お二人とも、不器用なんだよな。
傍迷惑な恋路に、三人はまた溜息を吐いたのだった。
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臣下三人の気苦労も気の毒ですが・・・
私は、チョハが虫歯にならないかと、それが心配です。(^_^;)
「ちょっと、これを見てください。」
マンボに言われ、チサンとヨンスルもパソコンを覗き込んだ。
「・・・パッカヌイは『お返し』をしろと言っていたよな?」
「・・・全部にか?」
三人とも、バレンタインのチョコレートを紙袋いっぱいに貰っていて、イ・ガクに至ってはその紙袋が両手で持ちきれないほどになっている。
パク・ハの言葉を受けて、バレンタインの意味とその『お返し』をするべきホワイトデイの意味を調べていた。
『お返し』をイ・ガクが自ら準備するであろうはずもなく、臣下として当然の仕事をしていたわけであるが・・・
義理チョコにお返しをしなければならないのは分かるが、その数が尋常ではない。
マンボは、ちっちっちと立てた指を揺らした。
「いや、部署ごとにまとめて配ると言う手もあるだろうし・・・
そっちが問題ではありません。」
「では、何が問題なのだ?」
「パク・ハさんです。」
え?とチサンとヨンスルは顔を見合わせた。
「鈍い人達だなぁ。パク・ハさんがチョハにチョコレートをお渡ししているのを、見ましたか?」
「・・・いや、見てない。」
「こっそり、渡されたのでは?」
またマンボは立てた指を振る。
「パク・ハさんは『義理チョコ』の山を見て、お出しになることができなかったんですよ。
意地っ張りだから・・・。」
二人は、確かに、と頷いた。
それに、王世子の方にもそんな素振りは見えない。
パク・ハから『愛の告白』のチョコレートを受け取ろうものなら、もっと機嫌が良いはずで、何やかやとパク・ハにちょっかいを掛けてはそのことをからかうに違いない。
場合によっては、臣下を排除して二人きりになろうとすることも考えられる。
しかし今のところ、彼は集まって来たチョコレートを毎日食べて喜んではいるが、ただそれだけにしか見えないのだ。
「どうやら、チョハは『本命チョコ』のことをご存知ではあられないようですね。」
マンボの言葉に、チサンとヨンスルも同意し頷いた。
「チョハがお知りになる前に、パク・ハさんからチョコレートを渡していただかねば・・・。」
マンボが呟くと
「・・・チョコレートケーキをお出ししていたではないか。」
ヨンスルが不満気に言った。
「あれは、我々にも食べさせてたじゃないですか。『義理チョコ』ですよ。
そのこともチョハがお知りになったら・・・」
「お怒りになるな。」
チサンが首を竦める。
パク・ハの気持ちも分からないではない。
あのチョコレートの山を見れば、嫉妬の一つもしそうである。
気強く、「そんなの受け取らないでよ!」と嫉妬心を剥き出しにでもすれば、それはそれでイ・ガクも喜びそうであるのに。
しかし、そのことを黙ったまま、自分の気持ちを抑え込んでしまうような奥ゆかしさも併せ持っているのだ。
イ・ガクの方もバレンタインの意味を知ったとして、「何故、私に寄こさぬ!」などとパク・ハに詰め寄りそうである。
そんなことになれば、意地っ張りのパク・ハと喧嘩になるだろう。
臣下三人は溜息を吐いた。
「パク・ハさんを説き伏せて、チョハにチョコレートをお渡し頂こう。」
「パク・ハ殿は承知なさるだろうか?」
「・・・チョハを説得するより、パッカヌイに働きかける方が、はるかに簡単だと思いますよ。」
お二人とも、不器用なんだよな。
傍迷惑な恋路に、三人はまた溜息を吐いたのだった。
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臣下三人の気苦労も気の毒ですが・・・
私は、チョハが虫歯にならないかと、それが心配です。(^_^;)
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Re: か****様へ
か****さま
おはようございます!
例え、義理チョコとは言え、たくさんもらって来てたら、出しづらくなっちゃいますよね。
お返しはお徳用パックで配る?
王世子たる者、そうはいかないかも知れません。(笑)
虫歯!そう、私も放っておいたために抜歯するしかなくなって・・・
左下の奥歯、欠損しております。(汗)
抜歯の後は痛いですよねぇ。お大事にぃ。
おはようございます!
例え、義理チョコとは言え、たくさんもらって来てたら、出しづらくなっちゃいますよね。
お返しはお徳用パックで配る?
王世子たる者、そうはいかないかも知れません。(笑)
虫歯!そう、私も放っておいたために抜歯するしかなくなって・・・
左下の奥歯、欠損しております。(汗)
抜歯の後は痛いですよねぇ。お大事にぃ。
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