「長編(完結)」
一年で一番甘い日
一年で一番甘い日 3
リビングで、パク・ハは溜息を吐いた。
バレンタインデイにイ・ガクに渡そうと思っていたチョコレート。
お互いの気持ちは確認し合って、今は恋人同士と言えるのだろうと思う。
イ・ガクは、パク・ハが他の男性と親しく言葉を交わそうとするのを嫌うし、臣下達にでさえ牽制しているように見えることがある。
だのに、自分はチョコレートを山のように受け取って来るなんて・・・
酷いじゃないか!と思う。
知らないものは、しょうがない・・・か。
バレンタインの真の意味を教えなかったのは、他ならぬパク・ハ自身である。
きっと、全部、義理チョコ。
・・・本命もあるかも知れないけど・・・そうと知ってたら、受け取るはずがないんだから!
イ・ガクが本当に欲しいに違いない本命チョコは、ここにある!と思う。いや、そう思いたい。
いくら甘い物が好きだからって、意味が分からないからって・・・
他の女の子から貰ったものを、美味しそうに食べないでよ!
素直にそう言って、これを食べて!と渡すことができたら、どんなにいいだろう。
もう、随分と日も過ぎちゃったし・・・
パク・ハは、その日何度目かも分からない溜息を吐いた。
その包みを、またバッグの中に仕舞い込もうとする。
「パク・ハ殿?」
振り向くとヨンスルが立っている。
「ヨンスルさん・・・。」
「それは、何ですか?」
パク・ハは慌てたようにその包みを隠したが、パク・ハがずっと眺めながら溜息を吐いていたその包みを、ヨンスルは目ざとく見つけたようだ。
ヨンスルにしてみれば、何か?などと尋ねる必要もないのであるが、ここは、パク・ハを励まし、後押ししなければならない。
ヨンスルは、パク・ハの隣に遠慮がちに座った。間に一人分の空間をとる。
「・・・チョハの人気は凄いですね。」
「・・・。」
「でも、チョハはパク・ハ殿のコトしか見ておられません。」
パク・ハはヨンスルをじっと見た。縋りつくような目である。
「パク・ハ殿以外は、チョコレートしか見ておられません。」
「・・・チョコ?」
「はい、チョコレートを貰って喜んでいるだけです。」
「・・・目的は、チョコレート・・・」
「はい。チョコレートさえ貰えれば、どうでもいいのです。」
「・・・。」
その様子を覗き見ていたチサンとマンボは、ヨンスルに向かって声にならない声で
バカ!と叫んでいた。
『どうでもいい』は無いでしょっ!『どうでもいい』は!
普段から無口なヨンスルが促せば、パク・ハも心動かすかも知れないと、そう思っての作戦だったのに、やはり、人選ミスだったようだ。
どうする?我々も行くか?
こそこそと話していると、後ろに人が立つ気配がした。
「何をしておるのだ。」
「チ、チョハっ!」
よりによって、イ・ガクが帰って来てしまった。
「チョハ、ピョ常務と出かけておられたのでは?」
「うむ。思ったより早く片付いた。・・・疲れた。」
イ・ガクはリビングに入って行く。
「パッカはおらぬか?喉が渇いた。水を・・・」
そして、パク・ハとヨンスルが並んで座っているのを見た。
拙い!
チサンとマンボは祈るように、天井を仰いだ。
ヨンスルどうなる?気の毒なヨンスルにぽちっとヨロシク!
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ヨンスルのヌケ振りが、好き。
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お互いの気持ちは確認し合って、今は恋人同士と言えるのだろうと思う。
イ・ガクは、パク・ハが他の男性と親しく言葉を交わそうとするのを嫌うし、臣下達にでさえ牽制しているように見えることがある。
だのに、自分はチョコレートを山のように受け取って来るなんて・・・
酷いじゃないか!と思う。
知らないものは、しょうがない・・・か。
バレンタインの真の意味を教えなかったのは、他ならぬパク・ハ自身である。
きっと、全部、義理チョコ。
・・・本命もあるかも知れないけど・・・そうと知ってたら、受け取るはずがないんだから!
イ・ガクが本当に欲しいに違いない本命チョコは、ここにある!と思う。いや、そう思いたい。
いくら甘い物が好きだからって、意味が分からないからって・・・
他の女の子から貰ったものを、美味しそうに食べないでよ!
素直にそう言って、これを食べて!と渡すことができたら、どんなにいいだろう。
もう、随分と日も過ぎちゃったし・・・
パク・ハは、その日何度目かも分からない溜息を吐いた。
その包みを、またバッグの中に仕舞い込もうとする。
「パク・ハ殿?」
振り向くとヨンスルが立っている。
「ヨンスルさん・・・。」
「それは、何ですか?」
パク・ハは慌てたようにその包みを隠したが、パク・ハがずっと眺めながら溜息を吐いていたその包みを、ヨンスルは目ざとく見つけたようだ。
ヨンスルにしてみれば、何か?などと尋ねる必要もないのであるが、ここは、パク・ハを励まし、後押ししなければならない。
ヨンスルは、パク・ハの隣に遠慮がちに座った。間に一人分の空間をとる。
「・・・チョハの人気は凄いですね。」
「・・・。」
「でも、チョハはパク・ハ殿のコトしか見ておられません。」
パク・ハはヨンスルをじっと見た。縋りつくような目である。
「パク・ハ殿以外は、チョコレートしか見ておられません。」
「・・・チョコ?」
「はい、チョコレートを貰って喜んでいるだけです。」
「・・・目的は、チョコレート・・・」
「はい。チョコレートさえ貰えれば、どうでもいいのです。」
「・・・。」
その様子を覗き見ていたチサンとマンボは、ヨンスルに向かって声にならない声で
バカ!と叫んでいた。
『どうでもいい』は無いでしょっ!『どうでもいい』は!
普段から無口なヨンスルが促せば、パク・ハも心動かすかも知れないと、そう思っての作戦だったのに、やはり、人選ミスだったようだ。
どうする?我々も行くか?
こそこそと話していると、後ろに人が立つ気配がした。
「何をしておるのだ。」
「チ、チョハっ!」
よりによって、イ・ガクが帰って来てしまった。
「チョハ、ピョ常務と出かけておられたのでは?」
「うむ。思ったより早く片付いた。・・・疲れた。」
イ・ガクはリビングに入って行く。
「パッカはおらぬか?喉が渇いた。水を・・・」
そして、パク・ハとヨンスルが並んで座っているのを見た。
拙い!
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