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「長編(完結)」
夫婦円満の秘訣

夫婦円満の秘訣 2

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夕食の後、キッチンの入口で私のことを見ているテヨンさんに気付いた。
洗い物をする私を、じっと見ている。

なんだろう?

「もうすぐ終わるから、待ってて。コーヒー淹れるね。」

振り返ってそう言った私に、うん、と彼は小さく頷いた。
・・・なんか、様子が変。緊張していると言うのか・・・。
彼はそのまま立ち尽くしている。

「・・・リビングで待ってて。」

「え?ああ、うん。」

どうしたのかしら?


洗い物を終えてコーヒーを淹れた。

あれ?・・・ホイップクリームを切らしちゃってる。買って来なきゃ。

テヨンさんはブラックコーヒーを飲むことが多いけれど、たまに、ホイップたっぷりのウインナコーヒーを飲みたがる時がある。
実は、甘い生クリームが大好きらしい。
そういう時、なんだかチョハを思い出して懐かしく思う時がある。

とりあえず、今夜はブラックでいいよね。
ウインナコーヒーがいい時は先にそう言うし、今日は何も言ってなかったから。


コーヒーカップを手にリビングに向かった。

テヨンさんはソファに腰かけていた。
いつものようにカップを手渡して、隣に座る。
テヨンさんは、ありがとうと言って受け取ったカップをそのままテーブルに置いた。
そして、両肘を自分の膝の上に乗せるようにして両手を組む。
長い指が強調されてて・・・見惚れてしまう。

「・・・パッカ。」

「はい?」

呆けてた自分が恥ずかしかったのもあるけど・・・
テヨンさんの声音から彼の緊張が伝わるようで、私は思わず背筋を伸ばしていた。

「話があるんだ。」

私もカップをテーブルに置く。ことりと音がした。
身体をテヨンさんの方に向ける。
彼も私に向き直り、私をじっと見てくる。

なぁに?なんなの?

「パッカ。・・・これを見てくれないか?」

そう言って、彼はブルーレイデッキのリモコンを手に取り、スイッチを入れた。

「え?うん。」

ブルーレイ?
私はまた身体を正面に向けて、テレビ画面に視線を移す。

映し出されたのは・・・


オフィスと思しき場所で、上司が部下の女子社員を・・・
そういうセッティングのスタジオで、そういう役に扮する男女二人が・・・


何よ!これっ!AVじゃないの!


「・・・テヨンさん、何の冗談なの!」

テヨンさんを振り返り、思わず睨んだら・・・彼は真剣な顔をしていた。

「・・・冗談のつもりはないよ。真面目な話だ。
・・・今後の夫婦の在り方を話し合うべきかな、って思って。」

・・・今後の?・・・夫婦の在り方?

「テヨンさん・・・こういうの、望んでるの?」

「いや、望んでるって言うか・・・君さえ良ければ・・・。」

訳が分からない。
夫婦の在り方と、この映像とどういう関わりが・・・?

「なんで?」

「なんで、って・・・」

「なんで、こういうの見せるの?」

思わず、カチンときていらいらとそう言った。

「・・・ごめん。どう話を切り出していいのか、分からなくて。」

彼は申し訳なさそうに、視線を逸らす。

まさか・・・会社に好きなヒトでもできたって言うの?
こういうことしてみたい女性がいるの?
だったら、最初からそう言えばいいじゃない!
こんな映像見せて・・・別れ話のきっかけにするなんて、信じらんない!

「・・・パッカ、怒らないで。大事な話だよ。」

「ええ、そうね。大事な話だわ。
それで?・・・テヨンさんはどうしたいの?」

「僕のことはいいんだ。君がどう思ってるかが、知りたい。」

どうって・・・私はテヨンさんを・・・
だけど、当のテヨンさんが私を嫌いになったって言うなら、どうしようもないじゃない。

画面の中では、制服のスカートをたくし上げられた女子社員が嬌声を上げている。

・・・ああ!もう!
私は思わず、テレビのスイッチをぶちっと切ってしまった。

「・・・テヨンさん、オフィスで・・・」

あんなことしたいの?そういう女性がいるの?
私は、俯いて唇を噛んだ。

「え?オフィスで?」

テヨンさんの視線を感じる。

「・・・パッカが良ければ・・・それでも、いいよ。」

は?それでもいいって何よ?
まさか、私とのことはそのままに、不倫でもしようって言うの?
それを承諾しろって言うつもりなの?
いくら、昔、王世子だったからって!それは、ないんじゃないの?

「それは・・・あまりにも失礼なんじゃないの?」

相手の女性にも、私に対しても!

「・・・失礼?・・・そうかな?」

「そうでしょ!」

顔を上げ、テヨンさんをキッと睨んだ。

「ごめん。・・・パッカ、もっと本音を聞かせてくれないか?
僕は、君が僕にあわせるあまりにイヤなことを我慢していたり、演技までしてるんじゃないかって・・・気になっていたんだ。」

我慢なんてしてない!演技って何よ!

「テヨンさんこそ!私に不満があるなら、そう言ってくれたら良かったのに!」

「え?君に不満なんてないよ。」

テヨンさんは慌てたようにそう言った。

「うそ!不満がないなら・・・どうして?」

「そりゃ・・・正直言って、男として?
いろいろ試してみたいことがあったりは、するさ。
でも、そういうのって君の意志も大事だろ?嫌がることを無理強いはしたくない。」

・・・試したいって・・・二股を?しかも、堂々と?

「正直に言っていいの?」

「もちろんだよ。」

なんなの?その笑顔!

「・・・私、テヨンさんとうまくいってるもんだと思ってた。」

「僕だってうまくいってるとは思ってるよ?・・・でも、こうしてほしいとか、逆に、こういうのはイヤだとか、本音を言って欲しいんだ。そうすれば、もっとうまくいくと思わない?」

うまくいってると思ってるのに・・・こんな話なの?
私だけを愛してるって、過去も、現在も、未来も!あれは嘘だったの?
私だけを愛してよ!同時に他のヒトも愛するだなんて・・・そんなこと、できるの?

「あんぽんたん!テヨンさんのバカッ!」

私はわっと泣き崩れた。

「パッカ!」

テヨンさんは慌てて私との間を詰めてきて、その両手で私の肩を抱こうとした。
私は身を捩り、テヨンさんの手を振りほどく。

「パッカ、どうしたんだ!」

テヨンさんは私を包み込むように抱きしめ、ぎゅっと力を入れた。

離して!

でも、言葉にはならなかった。








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パク・ハ、盛大に勘違いしちゃってます。
テヨン、何でそんな映像、見せた?

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