「長編(完結)」
一年で一番甘い日
一年で一番甘い日 13
その額にイ・ガクの唇が触れた。
パク・ハは瞑っていた目を開け微笑む。
「パッカ・・・大丈夫か?」
パク・ハは微かに頷いた。
「・・・腹は空いておらぬか?」
そう言えば陽も沈みかけている。壁に掛かる時計を見れば、それなりの時刻にはなっていた。時計もお洒落よね、なんてことを思いながら改めてイ・ガクの方を見た。
「チョハは、空いてる?」
イ・ガクはその身を起こすと、ちょっと考える素振りをして唇の片端を上げた。
「体力を使ったからな。」
パク・ハは頬を染めた。
「どうした?今更、照れておるのか?」
横になったまま胸元までブランケットを被っていたが、パク・ハはそれを目元まで引き上げて目から下を隠した。
そうしておると、プヨンを見ているようだ。
パク・ハは目だけでイ・ガクを睨みつけている。
・・・プヨンは私を睨みつけたりはしなかったがな。・・・まあ、良い。
イ・ガクはわざとらしく顔を近づけ、パク・ハを覗き込んだ。
「そなたの方が体力を消耗したであろう?・・・私の上で、激しく動いておったではないか。」
今度は耳まで赤くなる。
「あんぽ―――」
―――んたん。
お決まりの台詞は、イ・ガクの口づけで阻まれた。
「愛している。・・・可憐であった。その美しさに息を飲んだぞ。」
イ・ガクは悪戯っぽく微笑んだ。
「嬉しく思う。そなたの示した愛に、私は、全力を尽くして応えるであろう。」
パク・ハはがばりと起き上がり、大好きなあの柔らかな笑みを浮かべるイ・ガクの首にその手を廻し、夢中で縋り付いた。
「なんだ?また、誘っておるのか?」
何も着けていないパク・ハの胸が、やはり裸のイ・ガクの胸板に当たっている。
パク・ハが何か言おうとするより早く、イ・ガクはまた口づけを落とした。
「私は、それでも構わぬのだが・・・まだ、たっぷりと時間はある。
そなたは少し、休息を取るがよい。」
「え?」
「・・・これで、終わりだと思っていたのか?」
「・・・・!」
思わす彼を見上げるパク・ハの額にキスをして、イ・ガクは立ち上がった。
何も纏っていないイ・ガクの広い背中と、すらりとした足に続くはずのその部分が目に飛び込んできて、さっと目を伏せる。
彼はそのままドアを開けて出て行ったと思ったら、ほどなくしてバスローブを身に着けて戻って来た。パク・ハの方にもバスローブを放って寄こす。
「夕餉の膳が運ばれてくるまでに時間がある。その前に飲み物を持って来るように申し付けた。」
「じゃあ、服を着なきゃ!」
パク・ハはバスローブを急いで羽織ると、脱ぎ捨てた下着と服を拾い上げた。
ルームサービスのホテルマンにこんな格好で会えるわけがない。
「どうせ、湯あみもせねばならぬ。そのままで居らぬか。」
「でも・・・」
そう言っているうちに部屋のインターホンが鳴った。
「私が行く。そなたはここに居れ。」
ロイヤルスイートなのだ。部屋の入口からリビングを経て、このベッドルームに来るまでにもいくつかのドアがあった。
ここに隠れていれば、ホテルの人間にも姿を見られることはない。
ドアの向こうからイ・ガクの声が聞こえる。
こちらに運んでくれ、とかなんとか・・・。
かしこまりました、と男性の声がして、ダイニングルームにお茶の準備がされているらしい気配が伝わって来た。
パク・ハは、はっとする。またかっと頬を染め、思わずのようにベッドに潜り込んだ。
イ・ガクはバスローブ姿のまま、ルームサービスを迎え入れに行ってしまったではないか!
自分が見られなくても、イ・ガクがその姿を見られたのでは同じことだ。
カットソーにジーンズという普段着で、このホテルのエントランスに降り立ったことと、今と、どちらが恥ずかしいかと言えば、間違いなく後者だった。
チョハの言う通り、ドレスでも何でも買ってもらって先にレストランに行くべきだったわ!
そんなことを思ってみても、もう後の祭りである。
パッカ、ホテルマンは大して気にしてないと思うよ?
チョハは、むしろ、見せつけてるに違いない!と思うのは私だけじゃないはず・・・。
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パク・ハは瞑っていた目を開け微笑む。
「パッカ・・・大丈夫か?」
パク・ハは微かに頷いた。
「・・・腹は空いておらぬか?」
そう言えば陽も沈みかけている。壁に掛かる時計を見れば、それなりの時刻にはなっていた。時計もお洒落よね、なんてことを思いながら改めてイ・ガクの方を見た。
「チョハは、空いてる?」
イ・ガクはその身を起こすと、ちょっと考える素振りをして唇の片端を上げた。
「体力を使ったからな。」
パク・ハは頬を染めた。
「どうした?今更、照れておるのか?」
横になったまま胸元までブランケットを被っていたが、パク・ハはそれを目元まで引き上げて目から下を隠した。
そうしておると、プヨンを見ているようだ。
パク・ハは目だけでイ・ガクを睨みつけている。
・・・プヨンは私を睨みつけたりはしなかったがな。・・・まあ、良い。
イ・ガクはわざとらしく顔を近づけ、パク・ハを覗き込んだ。
「そなたの方が体力を消耗したであろう?・・・私の上で、激しく動いておったではないか。」
今度は耳まで赤くなる。
「あんぽ―――」
―――んたん。
お決まりの台詞は、イ・ガクの口づけで阻まれた。
「愛している。・・・可憐であった。その美しさに息を飲んだぞ。」
イ・ガクは悪戯っぽく微笑んだ。
「嬉しく思う。そなたの示した愛に、私は、全力を尽くして応えるであろう。」
パク・ハはがばりと起き上がり、大好きなあの柔らかな笑みを浮かべるイ・ガクの首にその手を廻し、夢中で縋り付いた。
「なんだ?また、誘っておるのか?」
何も着けていないパク・ハの胸が、やはり裸のイ・ガクの胸板に当たっている。
パク・ハが何か言おうとするより早く、イ・ガクはまた口づけを落とした。
「私は、それでも構わぬのだが・・・まだ、たっぷりと時間はある。
そなたは少し、休息を取るがよい。」
「え?」
「・・・これで、終わりだと思っていたのか?」
「・・・・!」
思わす彼を見上げるパク・ハの額にキスをして、イ・ガクは立ち上がった。
何も纏っていないイ・ガクの広い背中と、すらりとした足に続くはずのその部分が目に飛び込んできて、さっと目を伏せる。
彼はそのままドアを開けて出て行ったと思ったら、ほどなくしてバスローブを身に着けて戻って来た。パク・ハの方にもバスローブを放って寄こす。
「夕餉の膳が運ばれてくるまでに時間がある。その前に飲み物を持って来るように申し付けた。」
「じゃあ、服を着なきゃ!」
パク・ハはバスローブを急いで羽織ると、脱ぎ捨てた下着と服を拾い上げた。
ルームサービスのホテルマンにこんな格好で会えるわけがない。
「どうせ、湯あみもせねばならぬ。そのままで居らぬか。」
「でも・・・」
そう言っているうちに部屋のインターホンが鳴った。
「私が行く。そなたはここに居れ。」
ロイヤルスイートなのだ。部屋の入口からリビングを経て、このベッドルームに来るまでにもいくつかのドアがあった。
ここに隠れていれば、ホテルの人間にも姿を見られることはない。
ドアの向こうからイ・ガクの声が聞こえる。
こちらに運んでくれ、とかなんとか・・・。
かしこまりました、と男性の声がして、ダイニングルームにお茶の準備がされているらしい気配が伝わって来た。
パク・ハは、はっとする。またかっと頬を染め、思わずのようにベッドに潜り込んだ。
イ・ガクはバスローブ姿のまま、ルームサービスを迎え入れに行ってしまったではないか!
自分が見られなくても、イ・ガクがその姿を見られたのでは同じことだ。
カットソーにジーンズという普段着で、このホテルのエントランスに降り立ったことと、今と、どちらが恥ずかしいかと言えば、間違いなく後者だった。
チョハの言う通り、ドレスでも何でも買ってもらって先にレストランに行くべきだったわ!
そんなことを思ってみても、もう後の祭りである。
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チョハは、むしろ、見せつけてるに違いない!と思うのは私だけじゃないはず・・・。
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~ Comment ~
Re: か****様へ(4/7 分)
か****さま
お返事が遅くなってスミマセン。
こちらも雨ばかりですよ~。
花散らしもいいとこですね。(-_-)
甘かったですか?
ホイップクリームキスで更に甘いですよ。(意味が違う!)
バレンタインもホワイトデイも全然間に合わなかった分、いろいろ盛り込んでおります。
いつ、終わるんだろう・・・。(汗)
そのニュース、私もびっくりしましたよ。か****さんと同じく、なんと言っても歳の差にネ。(゜o゜)
まあ、でも、自分を磨くことは大切だとは思います。(ええ、私、全然磨いてません。)
お返事が遅くなってスミマセン。
こちらも雨ばかりですよ~。
花散らしもいいとこですね。(-_-)
甘かったですか?
ホイップクリームキスで更に甘いですよ。(意味が違う!)
バレンタインもホワイトデイも全然間に合わなかった分、いろいろ盛り込んでおります。
いつ、終わるんだろう・・・。(汗)
そのニュース、私もびっくりしましたよ。か****さんと同じく、なんと言っても歳の差にネ。(゜o゜)
まあ、でも、自分を磨くことは大切だとは思います。(ええ、私、全然磨いてません。)
瑞*様へ(4/6 拍手コメント分)
パッカが、誰のものか明確にしておかねばならぬ故である。
私の愛も示して見せよう。
パッカの回復を待って、全力を尽くして応える所存である。 by世子