「長編(完結)」
夫婦円満の秘訣
夫婦円満の秘訣 6
哀しくて、苦しくて、しゃくりあげながら激しく泣いた。
彼を失うことは、こんなにも辛いことだったのだと改めて思う。
こんなにも愛していたのだと痛感する。
そうして、怒りも湧いてくる。
なんで?
どうして?
私、いつも愛してた。
あなたが辛そうな時も、傍に居たよ?
支えてるつもりだったよ?
そんな私の、手を離すの?
ううん。
離されるのなら、まだいいのかも知れない。
私がいるのに、他の女性 を愛するだなんて・・・そんなの許せない!
そう思うと、涙は止まらなかった。
だけど
ふと、冷静になる。
・・・私が何処かに行ってしまおう。
彼が、私の手を離すんじゃない。
彼の心が、他の女性 に移ったんじゃない。
私が、彼を見限るのよ!
そう、私が捨ててやるんだから!
私は、弾みをつけるように立ち上がった。
テヨンさんのことを見る。睨んだつもりだけど・・・目に力は無かったかも知れない。
ほんとは、冷静なんかじゃない。
分かってるの。
辛いから・・・逃げたいだけ。
哀しい現実を見せつけられるのが嫌なだけ。
テヨンさん、愛してる。
それだけは分かって。
その場を立ち去ろうとした私の手首は、テヨンさんに掴まれていた。
「待って!・・・何処に行くんだ?」
彼が叫ぶように言った。
「・・・何処か。」
テヨンさんの視線が彷徨う。
「テヨンさんに会わずに済むなら、
何処でもいい。」
そう、何処だっていいわ。
手首を掴む彼の指に力が入る。
「・・・離して。」
「いいや、離さない。
・・・そんなに僕のことが嫌いなのか?」
そんな筈がないじゃない。
「・・・愛してるわ。」
彼の目が見開かれる。
「愛してるから、嫌なの。」
「・・・・。」
「あなたからの愛を受けてしまったから・・・」
私は彼をじっと見た。彼も私をじっと見ている。
「あなたが他の女性 を愛する姿なんか見たくないわ。」
テヨンさんは訝るように片眉を上げた。
「・・・どういうことだよ?何だよ?他のヒトって。」
「会社に好きな女性 がいるんでしょ?」
彼は何事か考えるような素振りをした後
「・・・パッカ。とにかく、落ち着いて。・・・僕の話を聞いてくれないか。」
慌てたようにそう言った。
「もう、聞いたわ。会社に好きな女性 がいて、オフィスでああいうことしてみたいのよね?
それを、私に認めろって言うんでしょ?」
まさか、テヨンさんがそんなこと言い出すなんて思ってもなかったから・・・
自分の口に出すことで改めて確認させられてしまって、ますますショックを受けてしまう。
「でも、テヨンさん、ごめんなさい。
あなたに愛されることを知る前だったら、身を引くこともできたけど・・・
今は、もう、他の女性 を愛してる姿なんて見たくない。・・・だから、別れて!」
遠くから見ているだけなら、良かったのにね。
少しでも触れ合ってしまったから、私、欲張っちゃうよ。
「バカ言うな!」
バカ?
そうね。バカみたいにあなたに夢中になってた。
多分、これからも・・・。
バカって言われたって・・・。
だって・・・。
「だって!」
「ああ、もう!いいから、座って!誤解だよ!
他に好きな女性 なんて、いません!
いるわけないだろ!」
そうよ、私の他に好きな女性 がいて・・・
「へっ?」
好きな女性 がいるんじゃないの?
思わず間の抜けた声を出してしまい、テヨンさんは肩を落として苦笑いしてる。
「僕がオフィスでああいうことしてみたいのは・・・」
テヨンさんは深呼吸をして、私を正面から見据えた。
私はごくりと唾をのみ込んだ。
「パッカとだよ。」
「は?」
私と?
「だからさ・・・抱きたいのは君だけだって言ってるの。
君しか見えてないの!分かる?
別れるなんてとんでもないよ!」
ええええぇぇぇっ――――!
嘘っ!
「・・・じゃあ、なんであんなの見せたのよ?」
態度で示せばいいじゃない!
いつもそうしてるくせに!キスしてきたり、必要以上に触ってきたり・・・
あんなの見せられて真面目に話をされたら・・・勘違いして当然よ!
唇を尖らせたら、掴まれていた手首を引かれた。
彼も立ち上がり、そっと口づけられ、きつく抱きしめられた。
テヨンさんの腕の中は暖かで、安心して・・・
また、涙が溢れ出した。
私、あなたが好き。
私が、あなたを捨てられるわけがない。
だから
私を、置いて行かないでよ!
そうだ!そうだ!置いてくなぁ!「愛してます」と言った責任は取りなさいよね!
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彼を失うことは、こんなにも辛いことだったのだと改めて思う。
こんなにも愛していたのだと痛感する。
そうして、怒りも湧いてくる。
なんで?
どうして?
私、いつも愛してた。
あなたが辛そうな時も、傍に居たよ?
支えてるつもりだったよ?
そんな私の、手を離すの?
ううん。
離されるのなら、まだいいのかも知れない。
私がいるのに、他の
そう思うと、涙は止まらなかった。
だけど
ふと、冷静になる。
・・・私が何処かに行ってしまおう。
彼が、私の手を離すんじゃない。
彼の心が、他の
私が、彼を見限るのよ!
そう、私が捨ててやるんだから!
私は、弾みをつけるように立ち上がった。
テヨンさんのことを見る。睨んだつもりだけど・・・目に力は無かったかも知れない。
ほんとは、冷静なんかじゃない。
分かってるの。
辛いから・・・逃げたいだけ。
哀しい現実を見せつけられるのが嫌なだけ。
テヨンさん、愛してる。
それだけは分かって。
その場を立ち去ろうとした私の手首は、テヨンさんに掴まれていた。
「待って!・・・何処に行くんだ?」
彼が叫ぶように言った。
「・・・何処か。」
テヨンさんの視線が彷徨う。
「テヨンさんに会わずに済むなら、
何処でもいい。」
そう、何処だっていいわ。
手首を掴む彼の指に力が入る。
「・・・離して。」
「いいや、離さない。
・・・そんなに僕のことが嫌いなのか?」
そんな筈がないじゃない。
「・・・愛してるわ。」
彼の目が見開かれる。
「愛してるから、嫌なの。」
「・・・・。」
「あなたからの愛を受けてしまったから・・・」
私は彼をじっと見た。彼も私をじっと見ている。
「あなたが他の
テヨンさんは訝るように片眉を上げた。
「・・・どういうことだよ?何だよ?他のヒトって。」
「会社に好きな
彼は何事か考えるような素振りをした後
「・・・パッカ。とにかく、落ち着いて。・・・僕の話を聞いてくれないか。」
慌てたようにそう言った。
「もう、聞いたわ。会社に好きな
それを、私に認めろって言うんでしょ?」
まさか、テヨンさんがそんなこと言い出すなんて思ってもなかったから・・・
自分の口に出すことで改めて確認させられてしまって、ますますショックを受けてしまう。
「でも、テヨンさん、ごめんなさい。
あなたに愛されることを知る前だったら、身を引くこともできたけど・・・
今は、もう、他の
遠くから見ているだけなら、良かったのにね。
少しでも触れ合ってしまったから、私、欲張っちゃうよ。
「バカ言うな!」
バカ?
そうね。バカみたいにあなたに夢中になってた。
多分、これからも・・・。
バカって言われたって・・・。
だって・・・。
「だって!」
「ああ、もう!いいから、座って!誤解だよ!
他に好きな
いるわけないだろ!」
そうよ、私の他に好きな
「へっ?」
好きな
思わず間の抜けた声を出してしまい、テヨンさんは肩を落として苦笑いしてる。
「僕がオフィスでああいうことしてみたいのは・・・」
テヨンさんは深呼吸をして、私を正面から見据えた。
私はごくりと唾をのみ込んだ。
「パッカとだよ。」
「は?」
私と?
「だからさ・・・抱きたいのは君だけだって言ってるの。
君しか見えてないの!分かる?
別れるなんてとんでもないよ!」
ええええぇぇぇっ――――!
嘘っ!
「・・・じゃあ、なんであんなの見せたのよ?」
態度で示せばいいじゃない!
いつもそうしてるくせに!キスしてきたり、必要以上に触ってきたり・・・
あんなの見せられて真面目に話をされたら・・・勘違いして当然よ!
唇を尖らせたら、掴まれていた手首を引かれた。
彼も立ち上がり、そっと口づけられ、きつく抱きしめられた。
テヨンさんの腕の中は暖かで、安心して・・・
また、涙が溢れ出した。
私、あなたが好き。
私が、あなたを捨てられるわけがない。
だから
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micchan-niko様へ (4/25拍手コメント分)
拍手コメ ありがとうございます。
私のセリフに笑って頂いてありがとうございます。
置いて行かれそうになっても、しがみついてでも付いて行ってやる!と言う心境の私です。(←怖いよっ!)
楽しいお話を展開できるように頑張りま~す。