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「短編集」
リクエスト

嫉妬

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キリ番 60,000 のリクエストにお応えした(つもりの)お話でございます。

毎度、毎度、のことですが・・・
これってリクエストに応えてるのかなぁ・・・・



ですが  ┐(´д`)┌


ヨロシクお願いします。m(._.)m


___________



郵便ポストにパッカ宛ての大型郵便物。
僕はそれを引っ張り出した。


家の中に入ると、リビングのテーブルにその封筒を置く。


ほどなくして、玄関のドアが開く音がした。

「ただいまぁ。」

「おかえり、パッカ。」

「テヨンさん。帰ってたの?」

「僕も今帰ったところだよ。」

パッカはスーパーの袋を置きにキッチンに向かった。
後を追う様に僕もキッチンに向かう。

買ってきた食材を冷蔵庫に仕舞おうとしていたパッカを、後ろから抱きすくめる。
そのまま首筋に口づけを落とすと、彼女はくすぐったそうに首を竦めた。

「テヨンさん・・・食事の支度をしなきゃ。」

つれないなぁ。
出張で、三日ぶりに顔を見たっていうのに・・・。

「・・・パッカは僕に会いたくなかったの?」

パッカは僕の腕の中で反転して、僕の顔を真正面から見上げた。 

「あんぽんたん!会いたかったわよ。・・・テヨンさん、おかえりなさい。」

「ただいま。」

僕はにっこりと微笑んで、パッカの唇を塞いだ。




◇◇◇


リビングで、パッカは嬉しそうに、届いた大型の封筒を開けた。

「テヨンさん、見て!素敵でしょう!」

「・・・うん。」

どこに飾ろうかしら?と弾んだ声で言いながら、掛ける場所を吟味している。

「・・・君の部屋で、いいんじゃない?」

「そうね!そうするわ。」

パッカはそれを持って自室に入って行った。


最近、パッカは通販で色々な物を買っている。 
買い物をするときは吟味して、じっくりと考えて、およそ衝動買いとは程遠いパッカが・・・。


JYJのユチョンに、ハマっている。

ユチョングッズが増えてきて、彼女の部屋は、言ってみれば「ユチョン部屋」と化しているのだ。


今日届いたのは、来年のカレンダーで・・・1枚、1枚、捲っては嬉しそうに微笑んでいた。


僕は、そのことを責めようなんてつもりは、毛頭ない。
そんな気は、さらさらない、のだけれど・・・。


ユチョンて、テヨンさんによく似てるのよね。


パッカの一言に、僕は何も言えなかった。


パッカは、あまり芸能人に興味がなさそうだったけど、あるドラマでユチョンがすっかり気に入ってしまった、らしい。

演技も上手いけど実は歌手なんだ、とか
歌声も素敵だ、とか
テレビ番組にはJYJとしてほとんど出演してない、とか
英語も日本語も上手いんだ、とか

新しい情報を得る度に、僕にも教えてくれた。


何から何までテヨンさんに似て、素敵。


極めつけに 


甘い声が、テヨンさんに似てセクシーなの。


それって、僕を褒めてる? 
僕に対する愛情表現・・・だよね? 


僕は、少し・・・複雑な心境だ。



◇◇◇



「再来週の定休日の夜、出かけてきてもいいかな?」

パッカが僕のご機嫌を伺うようにそう言った。

「夜?・・・泊まりがけ?」

「ミミと出かけてくる。泊まりじゃないわ。」

ああ、女子会?・・・二人で?
ベッキーは仕事なのかな、とかそんなことを考えながら僕は頷いた。

「楽しんでくるといい。僕も外で食事してくるよ。」

「ほんと?良かった!」

パッカは手を合わせて喜んだ。

「・・・ミミがね、ジュンスのファンミのチケットに当選したって!
すごく競争率が高かったのよ。私は、はずれちゃって。」


ジュンスの、ファンミーティング?


「パッカって・・・ユチョンのファンじゃなかったの?」

パッカは、え?と僕を見た。

「ユチョンが好きだから、JYJが好きよ。
ジュンスもジェジュンも好き。」


ユチョンのファンミに行く、って言ったことない、よね?


「・・・どうしたの?テヨンさん?」

「ユチョンのときは行かなかったのに、ジュンスのファンミは行くの?」

「ミミが当選したから・・・・。」

「パッカも申し込んでたんでしょ?」


ユチョンのファンミには申し込まなかったのに?
僕に似てるから、ユチョンが好きなはずなのに?


「・・・だって・・・。」

だって?・・・何?

「ユチョンが、『残ってるジュンスを愛してくれ』って。」


ユチョンは兵役に行った。
二年間、芸能活動は休止だ。


確かに、残ったジュンスを愛してほしい、と、言って・・・
ジュンスもジェジュンも、仲間で、家族で・・・当然のこと、なんだけど・・・。


「ユチョンはこうも言ったのよ。『浮気してもいいよ』って。」


パッカ。・・・そうじゃない。浮気って・・・ホントの浮気は指してない・・・んだよ。
ああ、もう・・・。

ジュンスだけじゃない!

それが、ジェジュンでも、他の誰でも・・・

パッカの口から、僕以外の『誰か』を好きだなんて・・・


聴きたくないよ!!


僕はパッカの腕を引き寄せた。
不意のことで、パッカは小さくきゃっと叫んで僕の胸に倒れ込んでくる。

彼女は唇を突き出して僕のことを見上げた。


少し乱暴に口づける。何度も、何度も、角度を変えながら・・・。


吐息を奪われて、パッカが喉の奥を鳴らした。


ダメだ。離さない。

君は、僕だけのものだろ?

ジェジュンだろうと、ジュンスだろうと・・・好きだなんて・・・言うな。


パッカの全身の力が抜けて、僕にその身の総てを委ねてくる。

「テヨンさん、酷いわ。・・・怒ってるの?」


ああ、怒ってる、さ。


潤んだ瞳で見上げてくる彼女に、更に激しく口づけた。




◇◇◇


ジュンスのファンミ当日。
パッカは、お洒落して出かけて行った。
ちょっと、癪に障るけど・・・とりあえず・・・どうにか笑顔で見送った。



帰ってきたパッカは、興奮冷めやらぬ様子で、しゃべり続けてた。
大叔母様みたいに・・・・。


ジュンスの歌声は素敵だった、とか
笑う姿が可愛かった、とか
ダンスがキレッキレッだった、とか


極めつけに


また会いたいわ。


パッカ、そりゃないよ。


ジュンスは歌が上手いさ。
笑う姿は思わず微笑みを誘われる。
ダンスのキレも素晴らしいよ。


でも

君が好きなのは、ユチョンのはず、だろ?
僕に、似てるから・・・。


耳元で囁く『愛してる』の低い声も
ピアノを爪弾く長い指先も
歌う時の甘い声も

全部、好きだって、言ってたじゃないか。



ユチョンに似てるって?


ユチョンは・・・




パク・ユチョン、その人は

何を隠そう、この僕自身なんだ・・・。

「ヨン・テヨン」こそが、「パク・ユチョン」なんだよ。



家業を継ぐ、と決めた時、その素性を隠して芸能活動を続けることを、強引に社長に認めさせた。
本当は「ヨン・テヨン」として兵役を終えてたけど・・・
いや、だからこそ
兵役と称して、二年間は仕事に専念することも約束の内だった。



僕はパッカを腕の中に閉じ込める。

「パッカ、愛してる。・・・他の男の話はしないで。」

「・・・『歌手』のジュンスよ。」

ジュンスは家族も同然だから・・・なおのこと、良くない。


「パッカ。驚かないで。・・・ユチョンは、僕だ。」


目を見開いて驚く?
嘘!って最初はなっから信じない?


「・・・知ってた、わ。」


え?
嘘だろ?


目を見開いて驚いたのは、僕の方だった。


「あんぽんたん!私が気付かないと思ってたの?」

パッカは唇を突き出して・・・笑ってる。

「ユチョンのファンミは行きたくないわ。
だって、あなたがその笑顔を、たくさんの女性に振りまいてるんだもの。そんなの、見るのもイヤよ。」


君だって、ジュースショップで男性客に笑顔を振りまいてるじゃないか・・・。


そう口にする代わりに、僕はパッカの唇を静かに塞いだ。



___________

リクエストしてくださった y*******様、ありがとうございました。



ですが・・・


あははは、ははは・・・・はっはっは・・・

何でしょ、この話・・・。

生もの(実在の人物)はどうも・・・と言いながら・・・

テヨンがユチョンを演じてる?

リクエストの内容は
「芸能人に夢中になってるパク・ハにテヨンが嫉妬して焦りまくる」お話だったのですが
「ユチョンとファンとの出会い」的なお話をご希望でいらっしゃったのを、私が設けたルールに従って
お気遣い頂いた結果でした。

ユチョン自身を書く、というのは、なんだか、申し訳ないと言うか・・・イメージを崩しそうと言うか・・・
テヨンのイメージはいいのか!というご指摘もあろうかとも思いますが・・・(汗)
テヨンがユチョンを演じてるなら、なんとなくハードルが下がると言うか・・・

スミマセン、スミマセン。


二次小説なんで・・・

許して。

私の中では「二次小説だから・・・」が免罪符になってると言う・・・。




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