「長編(連載中)」
生まれ変わっても -朝鮮編-
生まれ変わっても 55
ソ・ヒョンドクの姿を見て、カン・ヨンチョルは叫び声を上げそうになった。
かろうじて、声は飲み込んだもののあからさまに驚いている。
「どうした?吏曹判書?」
テヨンはその様子を見逃さなかった。
分かりやす過ぎだろ?
「チョハ。何でもありませぬ。」
ヨンチョルは王世子に一礼をして、ヒョンドクに向き直った。
咳払いをして、同僚を睨みつける。
「・・・ソ堤調、何処に行っておったのだ?」
白々しいこと、この上ない。
「カン堤調、申し訳ござらん。チョハに命じられて病の調査に行っておったのだ。
貴殿に恵民署をお任せして正解であった。」
「え?・・・あ、いや・・・私の勤めでもある故・・・。」
ヨンチョルがあわてふためいているのを、テヨンは面白そうに見つめていた。
「恵民署を閉鎖し、病人を隔離してくれた故、都への侵入を水際で食い止められた。」
「王の御前である。そのように個人的なことを話す場ではない。」
左義政が口を挟む。
「良い。吏曹判書、よくやった。」
王がそう言うので、左義政も引き下がった。
「恐れ入ります。チョナ。」
「「「恐れ入ります。チョォナァ。」」」
皆、同じ言葉を唱和して何度も頭を下げる。
テヨンは、いちいちめんどくさいなと思っていた。
一刻を争うのに、こののんびりとした御前会議は何なのだ。
一方、ヨンチョルは王の言葉に平伏する振りをしながら、内心気が気ではない。
確かに恵民署を封鎖したのは自分だ。それを、功績と称された。
のみならず、ソ・ヒョンドクを監禁していたのも他ならぬ自分だ。
それもこれも、病の隠ぺいを図るため。
王世子に、病人で溢れかえる恵民署に赴け、と暗に示唆され、ヒョンドクを開放したのはつい昨日のことだ。
だのに、ソ堤調は『王世子の命令で病を調査していた』と言った。
王世子は何を考えているのか・・・。
テヨンはヨンチョルを一瞥して、ヒョンドクに視線を移した。
「ソ堤調、先ほどの私の言葉に相違はないか?」
「イエェ、チョハ。・・・気力、体力満ちておれば、病の方から避けて通りましょう。」
テヨンは頷いた。
「また、病を得ながらも命助かりし者、天が生かせし者と存じます。
チョハ!どうか、病の封じ込めに、天力をお示しくださいませ!」
ソ・ヒョンドクの声は、朗々と歌い上げるがごとくに便殿内に響いたのだった。
「「「天力をお示しくださいませ。チョハァ!」」」
臣下達の大合唱で、朝議は幕を閉じた。
王世子の振りも板についてきたテヨンに応援を!
朝鮮時代は書きたくないんだよね
な作者に叱咤激励を!
クリック!クリック!
↓↓↓

にほんブログ村
SP
かろうじて、声は飲み込んだもののあからさまに驚いている。
「どうした?吏曹判書?」
テヨンはその様子を見逃さなかった。
分かりやす過ぎだろ?
「チョハ。何でもありませぬ。」
ヨンチョルは王世子に一礼をして、ヒョンドクに向き直った。
咳払いをして、同僚を睨みつける。
「・・・ソ堤調、何処に行っておったのだ?」
白々しいこと、この上ない。
「カン堤調、申し訳ござらん。チョハに命じられて病の調査に行っておったのだ。
貴殿に恵民署をお任せして正解であった。」
「え?・・・あ、いや・・・私の勤めでもある故・・・。」
ヨンチョルがあわてふためいているのを、テヨンは面白そうに見つめていた。
「恵民署を閉鎖し、病人を隔離してくれた故、都への侵入を水際で食い止められた。」
「王の御前である。そのように個人的なことを話す場ではない。」
左義政が口を挟む。
「良い。吏曹判書、よくやった。」
王がそう言うので、左義政も引き下がった。
「恐れ入ります。チョナ。」
「「「恐れ入ります。チョォナァ。」」」
皆、同じ言葉を唱和して何度も頭を下げる。
テヨンは、いちいちめんどくさいなと思っていた。
一刻を争うのに、こののんびりとした御前会議は何なのだ。
一方、ヨンチョルは王の言葉に平伏する振りをしながら、内心気が気ではない。
確かに恵民署を封鎖したのは自分だ。それを、功績と称された。
のみならず、ソ・ヒョンドクを監禁していたのも他ならぬ自分だ。
それもこれも、病の隠ぺいを図るため。
王世子に、病人で溢れかえる恵民署に赴け、と暗に示唆され、ヒョンドクを開放したのはつい昨日のことだ。
だのに、ソ堤調は『王世子の命令で病を調査していた』と言った。
王世子は何を考えているのか・・・。
テヨンはヨンチョルを一瞥して、ヒョンドクに視線を移した。
「ソ堤調、先ほどの私の言葉に相違はないか?」
「イエェ、チョハ。・・・気力、体力満ちておれば、病の方から避けて通りましょう。」
テヨンは頷いた。
「また、病を得ながらも命助かりし者、天が生かせし者と存じます。
チョハ!どうか、病の封じ込めに、天力をお示しくださいませ!」
ソ・ヒョンドクの声は、朗々と歌い上げるがごとくに便殿内に響いたのだった。
「「「天力をお示しくださいませ。チョハァ!」」」
臣下達の大合唱で、朝議は幕を閉じた。
王世子の振りも板についてきたテヨンに応援を!
朝鮮時代は書きたくないんだよね

クリック!クリック!
↓↓↓

にほんブログ村
SP
← 【 お礼画像と、時々SS 掲載してます 】
↑↑↑
読んだよ!のしるしにポチッとしてねん。
↓↓↓ ツイッターに更新情報を投稿中
Follow @arichan6002
↑↑↑
読んだよ!のしるしにポチッとしてねん。

↓↓↓ ツイッターに更新情報を投稿中
Follow @arichan6002
- 生まれ変わっても -朝鮮編-の関連記事
-
- 生まれ変わっても 56
- 生まれ変わっても 55 « «
- 生まれ変わっても 54
~ Comment ~
Re: 無記名さまへ
無記名さま
パスワードの件ですね?
お知らせくださってありがとうございました。
楽しんでくだされば嬉しいです。
これからも、ヨロシクお願いします。m(__)m
パスワードの件ですね?
お知らせくださってありがとうございました。
楽しんでくだされば嬉しいです。
これからも、ヨロシクお願いします。m(__)m
Re: ほ**(キリン)様へ
ほ**(キリン)さま
スミマセン。どんだけ首の長いキリンでしょうか?(汗)
小悪党なおっさんを苛めて楽しむテヨン。
実に楽しそうです。
おっさんが悪いんです。自業自得です!
やはり、そこは転生ですから、コルチョンボに身を包めば、見た目だけじゃなく立派なチョハです!
ウリテヨンですから!
スミマセン。どんだけ首の長いキリンでしょうか?(汗)
小悪党なおっさんを苛めて楽しむテヨン。
実に楽しそうです。
おっさんが悪いんです。自業自得です!
やはり、そこは転生ですから、コルチョンボに身を包めば、見た目だけじゃなく立派なチョハです!
ウリテヨンですから!
おはようございます。
ありちゃんサン。
おはようございます。
パスワードを教えて頂きありがとうございます。
楽しく読ませて頂いております。
テヨンさん、好きです。 スケッチ・ブックの感じがいいです。
テヨンさん、男だけど、色っぽい!!
おはようございます。
パスワードを教えて頂きありがとうございます。
楽しく読ませて頂いております。
テヨンさん、好きです。 スケッチ・ブックの感じがいいです。
テヨンさん、男だけど、色っぽい!!
- #1963 かおりん。(카오리)
- URL
- 2017.06/28 09:37
- ▲EntryTop
Re: かおりん様へ
かおりん様
おはようございます。
> パスワードを教えて頂きありがとうございます。
こちらこそ、ご連絡頂いてありがとうございます。
> テヨンさん、好きです。 スケッチ・ブックの感じがいいです。
>
> テヨンさん、男だけど、色っぽい!!
色っぽい!良かったです。嬉しいです。
「スケッチ・ブック」は大人なお話、初チャレンジのお話ですが・・・
あの雰囲気は私も結構、好きです。が、なかなか、あのようなシチュエーションが思いつきません。(汗)
これからもヨロシクお願いします。m(__)m
おはようございます。
> パスワードを教えて頂きありがとうございます。
こちらこそ、ご連絡頂いてありがとうございます。
> テヨンさん、好きです。 スケッチ・ブックの感じがいいです。
>
> テヨンさん、男だけど、色っぽい!!
色っぽい!良かったです。嬉しいです。
「スケッチ・ブック」は大人なお話、初チャレンジのお話ですが・・・
あの雰囲気は私も結構、好きです。が、なかなか、あのようなシチュエーションが思いつきません。(汗)
これからもヨロシクお願いします。m(__)m
NoTitle