「短編集」
読みきり
なつかしいあじ
※現実と妄想がごちゃごちゃになっています。(←それを妄想と呼ぶ。)
苦手な方もおられるかもしれませんので、閲覧に注意を願います。m(__)m
外まで良い匂いが漂ってくる。
大きめの暖簾をくぐり、ドアを引いた。
「いらっしゃいませ~!」
大きな声で出迎えられた。
「どうも、お久しぶりです。」
「ああ!」
僕がペコリと頭を下げると、店のご主人が驚いた顔をした。
そして、すぐに店の奥に向かって大声を張り上げる。
「あんたの好きなテヨンさんが来てくれたよ!」
奥さんが慌てた様子で顔を覗かせる。
「あら!いらっしゃいませ!」
ご夫婦は、満面の笑顔で僕を迎えてくれた。
出張で日本に来ていた。
九州のこれと言って観光名所もない片田舎なんだけど、大きな観覧車のある遊園地とゴルフ場も併設されたホテル。
そのホテルに宿泊するゴルフのパックツアーは、人気の定番商品だ。
定期的に訪れて視察を繰り返している。
ある時ラーメンが食べたくて、ホテルの担当者に聞いたら、車で5、6分ほどの距離にある小さなラーメン屋さんを教えてくれた。
「ここの近くなら、あそこが一番ですよ!お連れします。」
その言葉通りの旨い店だった。
九州と言えば、豚骨ラーメン。
豚骨スープには臭いイメージを持っていたのだけど・・・
この店のスープは嫌な臭みもなく、コクがあるのにすっきりとしている。
あまりの旨さに飲み干そうとしたら、連れて来てくれた担当者に慌てて止められた。
「ダメですよ!替玉ができないでしょ?」
「カエダマ?」
「麺の『お替わり』ですよ。まだ、入るでしょ?」
彼はそう言ってお腹を擦って笑い、店主に向かって、替玉2つ!と注文していた。
「あ、マスター、ピリカラも付けて。」
「はい!」
ピリカラ?
怪訝な顔の僕に彼はにっこりと微笑んだ。
「辛いのもイケますよね?」
ほどなくして『替玉』を運んできた店主が、スープだけの丼に新たな麺を入れてくれる。
ピリカラです、と差し出された蓮華を見れば、赤い味噌のような物が乗っている。
「ニンニクベースで、この店で独自に仕込むんだそうですよ。旨いですよ。」
なるほど。スープに溶いてみればピリッとした辛さが癖になる美味しさだ。
彼は嬉しそうにラーメンを語ってくれた。
熊本の県北で、福岡との県境に位置するこの辺りのラーメン屋は、熊本ラーメンには珍しい「替玉」が在るのだそうだ。
福岡の「博多ラーメン」の影響を受けているのだとか。
でも、博多ラーメンほど麺は細くない。
麺が細くないから、2玉も食べたのでは腹にずっしりと来るかと思えば、そうでもなかった。
「ここは店主の拘りの自家製麺ですから。」
「え?お店で麺も作るんですか?」
韓国でラーメンと言えば乾麺だ。
生麺を茹でて作るような店は、やはり、日本発祥の店と言うことになるけど・・・
麺まで作ってしまうなんて、ホントに拘ってるんだな。
すっかり感心してしまって、美味しくもあったし、また来ようと思った。
会計の時、また驚かされることになる。
「
そう言われて、思わず
「
と応えてからハッとした。
奥さんはにっこりと笑っていた。
「すみません、挨拶だけしか・・・でも、韓国が好きです。」
僕が、電話で会話をしていた言葉を聞いていたらしい。
「いえ、こちらこそ、ありがとうございます。」
僕は日本語でそう言った。
それ以来、その九州のホテルに来た時には可能な限りこの店に来ている。
もう、一人でも来れるようになった。
今日は数年ぶりだったのだけど・・・店主夫婦は変わらぬ笑顔で迎えてくれた。
そして、今日。
奥さんにせがまれて、壁にメッセージを書いた。
『なつかしいあじ ありがとうございます』
僕は、日付けも添えて平仮名でそう記す。
僕も日本が好きだ。
「また来ます。」
また笑顔に見送られて店を後にした。
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昨日、ツイッターをにぎわせた『ユチョン 来日!』の報。
東京の「丸富ラーメン」さんを訪れたそうです。
同じ空の下、しかも日本にいる!
ちなみに丸富さんに残されたサインはこちら
↓↓↓

(画像はお借りしています)
もう、もう、妄想全開!
昨日の内に書きたかったのですが、書き上げてみたら日付が変わっていました。
でも、まだ日本に滞在中らしい!
ヽ(≧∀≦)ノ
かつて、まだ無名だった東方神起が、大きな観覧車のある遊園地で歌を披露しました。
その頃にユチョンを知っていたら・・・
車で5,6分ほどのその遊園地に、私は駆けつけたに違いありません!
ラーメンの好きな彼が、ラーメンを食べるとすれば・・・
自分の妄想に涙ぐむ始末。(笑)
と言うわけで、超にやける私の幸せの為の妄想話。
自己満足に公開です。
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
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