「短話シリーズ」
クリスマス
クリスマス商戦 2017
あんにょん。
お久しぶりです。
クリスマスのお話を、25日の午後3時過ぎに書き始めると言う・・・
25日中にUPしようと大慌て。(。Д゚; 三 ;゚Д゚)
ほぼ1日遅れですが・・・許して。
↓↓↓
季節商品の販売企画は、遅くとも半年前から展開を始める。場合によっては半年前ではとんでもなく遅い。しかし、定番の企画は半年前からでも十分だ。
ビジネスとして今年もクリスマス商戦が始まり、会社としては、クリスマス直前に滑り込みで注文してくる消費者の対応に追われた。
商品自体に魅力が無ければ注文が入るはずもないが、実は、クリスマスまでに消費者に商品を届けることこそが最重要事項だ。
クリスマスプレゼントは、クリスマスに間に合ってこそ。
それがクリスマス商戦なのだから。
故に、物流部門の担当者は自らがクリスマスを楽しむことなどあり得ない。
そして、当然ながら責任者もクリスマスどころではないはずだ。
企画とその運営の責任者であるテヨンは、それが滞りなく運営されていればクリスマス当日に対応を迫られるということはない、と言ってもいい。
だから、クリスマスを楽しむことも十分に可能だ。
どうやってパク・ハを喜ばせるか、その企画運営にも考えを巡らせるのはお約束。
今年のクリスマスはイヴが日曜日で、甘い夜を過ごしたい恋人同士としては若干残念なカレンダーだ。
けれど、甘い夜を過ごしたい恋人同士ならば、そんなことはどうでもいいことだろう。
実際、街はそんな恋人同士で溢れていた。
何か大きな問題があれば、テヨンもまたその対応に追われていたことだろう。
幸いにも、経営企画本部長が動かなければならないような問題は起きてはいなかった。
テヨンは腕時計を確認すると、オフィスを出た。
◇◇◇
十二月に入ったばかりの頃、テヨンはパク・ハに言った。
「パッカ、クリスマスはどうするの?」
また、子供達を呼んでパーティー?
でも夜は僕と過ごしてくれるんだよね?
そんな期待を込めてそう尋ねた。
「うーん、丁度、週末だからね。」
稼ぎ時だ、と言いたいらしい。
「昨年も週末だったけど、暇だったって言ってたじゃないか。」
寒くなって来るとジュースの売り上げは落ちる。
スープやポタージュ等の温かい商品も準備はするが、やはり寒い時期は苦戦する。
「うん。でも、今年は限定商品を考えてるの。」
パク・ハは得意げにうふふと笑った。
「限定商品?」
「ええ、クリスマス限定の商品よ。試作したから、テヨンさん、味見してよ。」
「それはいいけど・・・クリスマスイヴはどうするの?
当然 店は早終いをしてクリスマスイヴは僕と過ごしてくれるんでしょ?」
「全部 売れたら、早終いするかも・・・」
テヨンは、嘘だろ?とでも言いたげに目を見開いた。
「遅くても、二十五日の午後までには売り切るつもり。何て言ったってクリスマス限定だし、ね。」
なるほど、テヨンは企画運営をするところまでに手を取られて忙しい身の上だが、パク・ハは販売の最前線でこのクリスマス商戦を戦おうとしている。
「今年は稼ぐぞぉ!」
ガッツポーズをするパク・ハを前に、テヨンは絶句していた。
◇◇◇
週末が稼ぎ時なのは分かるよ?
でも、クリスマスだよ?
特別じゃないか?
『クリスマス』って言う特別だから、限定商品が売れるってのも、よく分かる。
分かるけど・・・
テヨンは溜息を吐いた。
パッカ、君は、僕が誰だか分かってるの?
君の恋人だよ?
婚約者じゃないか!
しかも、君が稼がなくったって僕が稼いでるのに・・・
店なんて趣味程度で構わない。
黒字でなくったって構わないんだよ。
『クリスマス』と言う特別に乗っかって、いつもより稼がなくちゃ、なんて張り切ってくれなくてもいいんだよ。
パッカ、分かってる?
◇◇◇
「どう?」
「・・・美味しいよ。」
パク・ハの表情が明るくなる。
「・・・けど、ホントに、限定商品で出すの?」
パク・ハの表情が曇る。
「あ、いや、美味しいからさ、無理に限定でなくてもいいんじゃないかなって。・・・冬の定番商品にしちゃえば・・・」
だからクリスマスはいっそ休んで僕と、と続けようとして、パク・ハの言葉に遮られた。
「仕込みが大変なの。だから、クリスマスの三日間限定ぐらいがちょうどいいのよ。」
確かに、定番にするには仕込みが大変か・・・
あ、でも、それこそ一日の数量を限定にしてしまえば・・・
って、なんでプロデュースしようとしてるんだ、僕は・・・。
テヨンは苦笑したが、頬を引き締めた。
「・・・どのくらい仕込むつもり?」
「一日、三十個ってところかしら?」
テヨンが眉根を寄せる。
「毎日、仕込むの?」
「え?」
真剣にテヨンが訊いてくるので、パク・ハはなんでそこまで?と不思議に思った。
「・・・基本は全部仕込んでおいて、当日売る分だけ前日に仕上げをするわ。販売期間は売るだけにしないと大変だし・・・」
「勝負は二十四日までだね。それも、六時までに売れなきゃダメだ。」
パク・ハが売ろうとしているのは『パイ包みシチュー』だった。
きっと、クリスマスイヴの料理の一つに加えられる可能性が高く、店内で食べて行く、と言う客はおそらく少数派だろう。
そう思えば『二十四日の六時までが勝負』と言うテヨンの言葉も頷ける。
パク・ハが納得顔で頷くのを確認して、テヨンがにっこりと笑った。
「じゃあ、二十四日は六時に迎えに来るよ。」
「え?」
「もし、売れ残ってたら僕が買い取る。だから、安心してクリスマスディナーを楽しめるよ。」
「もう!勝手に決めないで!」
「君のことだから、二十四日の六時までに全部売っちゃうだろう?」
テヨンは悪戯っぽく片目を瞑る。
「当たり前でしょ!」
パク・ハは腰に手を当てて胸を反らしたのだった。
◇◇◇
なんだか、ウマく丸め込められた気がする。
もちろんテヨンさんと過ごしたくないって訳じゃない。
ただ、なんとなく、クリスマスにお店にいたかった。
上手い具合に週末だし・・・
『稼ぎ時よ!』って、クリスマスを意識して、がっつり商売にハマりたかった。
チョハが準備してくれたこのお店で。
イ・ガクと臣下三人がパク・ハの許を去らざるを得なくなったとき、彼らはパク・ハの生活を心配した。
彼女が生活の糧を得られるように、生活の基盤を築けるように、パク・ハの明るい笑顔を願って準備したジュースショップ。
彼らと共に過ごしたのはわずかに数か月。
春の桜はチョハと見た。
夏の日差しも、秋の紅葉も、冬の雪も、チョハと見ることはできなかった。
イ・ガクと共有できなかったその分を、テヨンと共にすればいい、共に時を重ねていけばいい。
春の桜もテヨンと見た。
チョハに申し訳ないとか思ってるわけじゃない。
彼らがいなくても・・・
チョハがいなくても、生きていけるように準備されたこのお店で、『ほら、いっぱい稼いだわよ!』って言いたいの。
でも
でも、本当は・・・
私ひとりじゃ生きていけない。
生活の糧は得られるだろう。
生活の基盤も築いてきた。
だけど
テヨンさんがいなければ、生きてはいけない。
『これ、全部、売ったわよ!』
そうテヨンさんに言ってやりたいのよね。
そう自慢してやれば、彼は口づけをくれるだろう。
きっと、チョハもそうするに決まってる。
◇◇◇
五時に最後の一個が売れた。
六時きっかりにテヨンが現れた。
「売れた?」
「当たり前でしょ!一時間前に売り切れよ。」
ほくそ笑むパク・ハに、流石!とテヨンは微笑んだ。
啄むようなキスをする。
生まれ変わる前はできなかったことも、生まれ変わったからできるようになった。
できたとしても、できなかったとしても、望み続けていることは変わらないから・・・。
変わらず望んでいることは、必ず実現すると言うことだ。
週末にクリスマスが重なったこの年。
クリスマス商戦は熱かった。
もちろん、恋人たちの夜も。
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お久しぶりです。
クリスマスのお話を、25日の午後3時過ぎに書き始めると言う・・・
25日中にUPしようと大慌て。(。Д゚; 三 ;゚Д゚)
ほぼ1日遅れですが・・・許して。
↓↓↓
季節商品の販売企画は、遅くとも半年前から展開を始める。場合によっては半年前ではとんでもなく遅い。しかし、定番の企画は半年前からでも十分だ。
ビジネスとして今年もクリスマス商戦が始まり、会社としては、クリスマス直前に滑り込みで注文してくる消費者の対応に追われた。
商品自体に魅力が無ければ注文が入るはずもないが、実は、クリスマスまでに消費者に商品を届けることこそが最重要事項だ。
クリスマスプレゼントは、クリスマスに間に合ってこそ。
それがクリスマス商戦なのだから。
故に、物流部門の担当者は自らがクリスマスを楽しむことなどあり得ない。
そして、当然ながら責任者もクリスマスどころではないはずだ。
企画とその運営の責任者であるテヨンは、それが滞りなく運営されていればクリスマス当日に対応を迫られるということはない、と言ってもいい。
だから、クリスマスを楽しむことも十分に可能だ。
どうやってパク・ハを喜ばせるか、その企画運営にも考えを巡らせるのはお約束。
今年のクリスマスはイヴが日曜日で、甘い夜を過ごしたい恋人同士としては若干残念なカレンダーだ。
けれど、甘い夜を過ごしたい恋人同士ならば、そんなことはどうでもいいことだろう。
実際、街はそんな恋人同士で溢れていた。
何か大きな問題があれば、テヨンもまたその対応に追われていたことだろう。
幸いにも、経営企画本部長が動かなければならないような問題は起きてはいなかった。
テヨンは腕時計を確認すると、オフィスを出た。
◇◇◇
十二月に入ったばかりの頃、テヨンはパク・ハに言った。
「パッカ、クリスマスはどうするの?」
また、子供達を呼んでパーティー?
でも夜は僕と過ごしてくれるんだよね?
そんな期待を込めてそう尋ねた。
「うーん、丁度、週末だからね。」
稼ぎ時だ、と言いたいらしい。
「昨年も週末だったけど、暇だったって言ってたじゃないか。」
寒くなって来るとジュースの売り上げは落ちる。
スープやポタージュ等の温かい商品も準備はするが、やはり寒い時期は苦戦する。
「うん。でも、今年は限定商品を考えてるの。」
パク・ハは得意げにうふふと笑った。
「限定商品?」
「ええ、クリスマス限定の商品よ。試作したから、テヨンさん、味見してよ。」
「それはいいけど・・・クリスマスイヴはどうするの?
当然 店は早終いをしてクリスマスイヴは僕と過ごしてくれるんでしょ?」
「全部 売れたら、早終いするかも・・・」
テヨンは、嘘だろ?とでも言いたげに目を見開いた。
「遅くても、二十五日の午後までには売り切るつもり。何て言ったってクリスマス限定だし、ね。」
なるほど、テヨンは企画運営をするところまでに手を取られて忙しい身の上だが、パク・ハは販売の最前線でこのクリスマス商戦を戦おうとしている。
「今年は稼ぐぞぉ!」
ガッツポーズをするパク・ハを前に、テヨンは絶句していた。
◇◇◇
週末が稼ぎ時なのは分かるよ?
でも、クリスマスだよ?
特別じゃないか?
『クリスマス』って言う特別だから、限定商品が売れるってのも、よく分かる。
分かるけど・・・
テヨンは溜息を吐いた。
パッカ、君は、僕が誰だか分かってるの?
君の恋人だよ?
婚約者じゃないか!
しかも、君が稼がなくったって僕が稼いでるのに・・・
店なんて趣味程度で構わない。
黒字でなくったって構わないんだよ。
『クリスマス』と言う特別に乗っかって、いつもより稼がなくちゃ、なんて張り切ってくれなくてもいいんだよ。
パッカ、分かってる?
◇◇◇
「どう?」
「・・・美味しいよ。」
パク・ハの表情が明るくなる。
「・・・けど、ホントに、限定商品で出すの?」
パク・ハの表情が曇る。
「あ、いや、美味しいからさ、無理に限定でなくてもいいんじゃないかなって。・・・冬の定番商品にしちゃえば・・・」
だからクリスマスはいっそ休んで僕と、と続けようとして、パク・ハの言葉に遮られた。
「仕込みが大変なの。だから、クリスマスの三日間限定ぐらいがちょうどいいのよ。」
確かに、定番にするには仕込みが大変か・・・
あ、でも、それこそ一日の数量を限定にしてしまえば・・・
って、なんでプロデュースしようとしてるんだ、僕は・・・。
テヨンは苦笑したが、頬を引き締めた。
「・・・どのくらい仕込むつもり?」
「一日、三十個ってところかしら?」
テヨンが眉根を寄せる。
「毎日、仕込むの?」
「え?」
真剣にテヨンが訊いてくるので、パク・ハはなんでそこまで?と不思議に思った。
「・・・基本は全部仕込んでおいて、当日売る分だけ前日に仕上げをするわ。販売期間は売るだけにしないと大変だし・・・」
「勝負は二十四日までだね。それも、六時までに売れなきゃダメだ。」
パク・ハが売ろうとしているのは『パイ包みシチュー』だった。
きっと、クリスマスイヴの料理の一つに加えられる可能性が高く、店内で食べて行く、と言う客はおそらく少数派だろう。
そう思えば『二十四日の六時までが勝負』と言うテヨンの言葉も頷ける。
パク・ハが納得顔で頷くのを確認して、テヨンがにっこりと笑った。
「じゃあ、二十四日は六時に迎えに来るよ。」
「え?」
「もし、売れ残ってたら僕が買い取る。だから、安心してクリスマスディナーを楽しめるよ。」
「もう!勝手に決めないで!」
「君のことだから、二十四日の六時までに全部売っちゃうだろう?」
テヨンは悪戯っぽく片目を瞑る。
「当たり前でしょ!」
パク・ハは腰に手を当てて胸を反らしたのだった。
◇◇◇
なんだか、ウマく丸め込められた気がする。
もちろんテヨンさんと過ごしたくないって訳じゃない。
ただ、なんとなく、クリスマスにお店にいたかった。
上手い具合に週末だし・・・
『稼ぎ時よ!』って、クリスマスを意識して、がっつり商売にハマりたかった。
チョハが準備してくれたこのお店で。
イ・ガクと臣下三人がパク・ハの許を去らざるを得なくなったとき、彼らはパク・ハの生活を心配した。
彼女が生活の糧を得られるように、生活の基盤を築けるように、パク・ハの明るい笑顔を願って準備したジュースショップ。
彼らと共に過ごしたのはわずかに数か月。
春の桜はチョハと見た。
夏の日差しも、秋の紅葉も、冬の雪も、チョハと見ることはできなかった。
イ・ガクと共有できなかったその分を、テヨンと共にすればいい、共に時を重ねていけばいい。
春の桜もテヨンと見た。
チョハに申し訳ないとか思ってるわけじゃない。
彼らがいなくても・・・
チョハがいなくても、生きていけるように準備されたこのお店で、『ほら、いっぱい稼いだわよ!』って言いたいの。
でも
でも、本当は・・・
私ひとりじゃ生きていけない。
生活の糧は得られるだろう。
生活の基盤も築いてきた。
だけど
テヨンさんがいなければ、生きてはいけない。
『これ、全部、売ったわよ!』
そうテヨンさんに言ってやりたいのよね。
そう自慢してやれば、彼は口づけをくれるだろう。
きっと、チョハもそうするに決まってる。
◇◇◇
五時に最後の一個が売れた。
六時きっかりにテヨンが現れた。
「売れた?」
「当たり前でしょ!一時間前に売り切れよ。」
ほくそ笑むパク・ハに、流石!とテヨンは微笑んだ。
啄むようなキスをする。
生まれ変わる前はできなかったことも、生まれ変わったからできるようになった。
できたとしても、できなかったとしても、望み続けていることは変わらないから・・・。
変わらず望んでいることは、必ず実現すると言うことだ。
週末にクリスマスが重なったこの年。
クリスマス商戦は熱かった。
もちろん、恋人たちの夜も。
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