「長編(完結)」
難攻不落の城
難攻不落の城 7
落ち着け、落ち着け。
自分にそう言い聞かせていた。
賑わう会場を、さりげなさを装いながら歩く。
取引先や関連会社で招待を受けている者も少なくない。
挨拶をしようと近付いて来る人たちを、失礼のない程度にかわしながら歩を進めた。
何処だ?どこにいる?
ポーカーフェイスを決め込みながら、薄紅色のチマを探す。
パッカが、僕に黙って会場を後にすることなどあり得ない。
でも・・・無理矢理に連れ出されていたら?
頭を振ってマイナス思考を追い出そうとした。
老舗企業のパーティー会場だぞ。
そんな不埒な輩は入り込めるはずがない!
ああ、側を離れるんじゃなかった。
婚約者なんだから、チョン社長に紹介すれば良かったんだ。
ピッタリ貼りついてたって問題なかったはずなのに・・・。
後悔と自責の念でおかしくなりそうだった。
その時・・・
ん?パッカの声?
人々のざわめきの中に、彼女の笑い声を聞いた気がした。
振り返ってみれば、大きな人だかりがある。
小走りにならないように、それでも最大限に速度を上げてそちらに向かった。
やっぱりだ。パッカの声がする!
この中に居る?
「すみません。」
人だかりを掻き分けて中に進むと、パッカの姿が見えた。
チャジャッタ !!
良かった・・・。
ほうっと溜息を吐いた。
安堵の汗がどっと流れ出していた。
人々の輪の中で楽しげに笑っているパッカ。
韓服 を纏う彼女はまるでスポットライトを浴びたようで・・・
蓮の花弁の色をした光沢のあるチマが、彼女が静かに動く度に衣擦れの音と共にその色合いを変える。
照明の光を受けて美しく輝いている。
その姿は、たった一輪咲き誇る蓮の花。
贔屓目抜きにして、綺麗だ。
誰もが引き寄せられてしまう。
こういう場所は得意じゃないと言っていた。
会場に入った時まで緊張していた。
そんなそぶりは全く見せず、大勢の中でも楽しそうな笑顔で話すパッカがいる。
そうだった。
彼女はたった一人でジュースショップを切り盛りしてる。
その笑顔で、たくさんのお客さんを幸せにしてるんだ。
改めて、パッカの魅力を見せつけられた気がした。
僕の心配なんて、全くの無用だったな。
*
やっとのことで彼女の隣までたどり着いた僕は、
「パッカ。大口開けて笑ってないよね?」
その耳許で意地悪に囁いた。
「失礼ね!大口なんて開けてないわ!」
人前なのに唇を小さく尖らせている。
「ほら、そんな顔しちゃだめだって。人気者なんだから・・・みんな観てる。」
彼女は辺りを見廻すと、誤魔化すように笑って僕を横目で睨んだ。
けれど、すっと僕に寄り添うと優しい微笑を向けてくれたんだ。
「・・・テヨンさん、お仕事のお話は済んだの?」
「ああ。パッカを一人にしちゃって、ごめん。」
「大丈夫よ。この方がずっと私のお相手をして下さってたの。」
そう言って、パッカが手を伸べたその先には・・・
またもや資料で見た顔が・・・。
その人は、僕の上司にしてH&S社のピョ・テクス社長が「難攻不落」と言っていた、
チョン・ウォンスク会長、その人だったのだ。
無事にパッカ発見!(*´∀`人 ♪
さあ、皆様ご一緒に!
チャジャッタ ネ サラ~ン ネガチャットンサラ~ム ッテゥゴッケ アナジュゴ シポ~
(見つけた 僕の愛 僕が探していた人 熱く抱きしめたいよ
)
脳内BGMは名曲「チャジャッタ」でお送りしております。(笑)
ついに『難攻不落』の会長が登場です!
既にパク・ハとお近づきに・・・
テヨンはどう攻める?
ポチっとしてくれないとイタズラしちゃうぞ!(画像をお借りしました)
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自分にそう言い聞かせていた。
賑わう会場を、さりげなさを装いながら歩く。
取引先や関連会社で招待を受けている者も少なくない。
挨拶をしようと近付いて来る人たちを、失礼のない程度にかわしながら歩を進めた。
何処だ?どこにいる?
ポーカーフェイスを決め込みながら、薄紅色のチマを探す。
パッカが、僕に黙って会場を後にすることなどあり得ない。
でも・・・無理矢理に連れ出されていたら?
頭を振ってマイナス思考を追い出そうとした。
老舗企業のパーティー会場だぞ。
そんな不埒な輩は入り込めるはずがない!
ああ、側を離れるんじゃなかった。
婚約者なんだから、チョン社長に紹介すれば良かったんだ。
ピッタリ貼りついてたって問題なかったはずなのに・・・。
後悔と自責の念でおかしくなりそうだった。
その時・・・
ん?パッカの声?
人々のざわめきの中に、彼女の笑い声を聞いた気がした。
振り返ってみれば、大きな人だかりがある。
小走りにならないように、それでも最大限に速度を上げてそちらに向かった。
やっぱりだ。パッカの声がする!
この中に居る?
「すみません。」
人だかりを掻き分けて中に進むと、パッカの姿が見えた。
良かった・・・。
ほうっと溜息を吐いた。
安堵の汗がどっと流れ出していた。
人々の輪の中で楽しげに笑っているパッカ。
蓮の花弁の色をした光沢のあるチマが、彼女が静かに動く度に衣擦れの音と共にその色合いを変える。
照明の光を受けて美しく輝いている。
その姿は、たった一輪咲き誇る蓮の花。
贔屓目抜きにして、綺麗だ。
誰もが引き寄せられてしまう。
こういう場所は得意じゃないと言っていた。
会場に入った時まで緊張していた。
そんなそぶりは全く見せず、大勢の中でも楽しそうな笑顔で話すパッカがいる。
そうだった。
彼女はたった一人でジュースショップを切り盛りしてる。
その笑顔で、たくさんのお客さんを幸せにしてるんだ。
改めて、パッカの魅力を見せつけられた気がした。
僕の心配なんて、全くの無用だったな。
*
やっとのことで彼女の隣までたどり着いた僕は、
「パッカ。大口開けて笑ってないよね?」
その耳許で意地悪に囁いた。
「失礼ね!大口なんて開けてないわ!」
人前なのに唇を小さく尖らせている。
「ほら、そんな顔しちゃだめだって。人気者なんだから・・・みんな観てる。」
彼女は辺りを見廻すと、誤魔化すように笑って僕を横目で睨んだ。
けれど、すっと僕に寄り添うと優しい微笑を向けてくれたんだ。
「・・・テヨンさん、お仕事のお話は済んだの?」
「ああ。パッカを一人にしちゃって、ごめん。」
「大丈夫よ。この方がずっと私のお相手をして下さってたの。」
そう言って、パッカが手を伸べたその先には・・・
またもや資料で見た顔が・・・。
その人は、僕の上司にしてH&S社のピョ・テクス社長が「難攻不落」と言っていた、
チョン・ウォンスク会長、その人だったのだ。
無事にパッカ発見!(*´∀`人 ♪
さあ、皆様ご一緒に!


(見つけた 僕の愛 僕が探していた人 熱く抱きしめたいよ

脳内BGMは名曲「チャジャッタ」でお送りしております。(笑)
ついに『難攻不落』の会長が登場です!
既にパク・ハとお近づきに・・・
テヨンはどう攻める?
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