「長編(完結)」
難攻不落の城
難攻不落の城 9
チョン・ウォンスク会長は静かに話し始めた。
「わたくし、このパーティー会場にたった一人、韓服姿のお嬢さんが来ていると聞いたの。
そして、そのお嬢さんはH&S社の次期社長の婚約者の方だって聞いたのよ。」
「はい。」
紛れもない事実だから、会長の目を真っ直ぐに見て返事をした。
「若いのに韓服を着てくるなんて・・・
これは何か魂胆があるに違いないと思ったわ。」
魂胆って・・・
そう考えるのが当たり前か・・・
「おまけに、ウチの孫が助けられて・・・」
パッカが会長の孫を助けた?
あの社長を、か?
いつ?どうやって?
疑問符しか浮かんでこない。
ここで会長を問い質す訳にもいかず、かと言って思案に耽るわけにもいかなかった。
「H&S社は、わたくしに恩を着せたいはず、よね?
ヨン本部長?」
「・・・そういう方法を取る会社もあるでしょう。
でも、我が社は違います。」
それに、パッカは関係ない。
とは言っても、僕の婚約者である以上、どうして無関係だと言えようか・・・
「彼女がチョン社長を助けたにしても、契約を取りたいからではありません。」
僕はきっぱりとそう言った。
経緯は分からないが、元より彼女にそんな裏があるはずがない。
「彼女はそうでも、あなたは契約が欲しいわよね?」
「もちろんです。
ずっと以前から我が社がそのように働きかけていることは、会長もご存知かと思いますが?」
「うふふ、あなたも正直な人ね。」
会長はなんだか楽しそうだ。
対する僕は、ちっとも楽しくなんてない。
「話を戻すわ。
韓服を着て来るなんて、何か魂胆があると思ったのよ。
おまけにウチの孫に近付くなんて・・・
間違いなく、何か企んでる筈よね?」
孫に近付くって・・・
企むって・・・
「それを確かめようと思って、韓服のことを率直に尋ねたの。
孫たちがお世話になったから、何かお礼がしたい、何か望みはあるかしら?とも言ってみたの。
あなたの婚約者は、なんて答えたと思う?」
会長は更に楽しげに言った。
「え?・・・お礼なんて要らない、と言ったんじゃありませんか?」
パッカならきっとそう言う。
「違うわ。」
思わぬ会長の言葉に、僕は軽い衝撃を受けたのだった。
チョン会長は、テヨン達に裏があると思っている様子。
パッカは会長に何と言ったのでしょう?
テヨンはどう攻める気でしょう?
いよいよデート気分じゃなくなって来ましたよ。
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「わたくし、このパーティー会場にたった一人、韓服姿のお嬢さんが来ていると聞いたの。
そして、そのお嬢さんはH&S社の次期社長の婚約者の方だって聞いたのよ。」
「はい。」
紛れもない事実だから、会長の目を真っ直ぐに見て返事をした。
「若いのに韓服を着てくるなんて・・・
これは何か魂胆があるに違いないと思ったわ。」
魂胆って・・・
そう考えるのが当たり前か・・・
「おまけに、ウチの孫が助けられて・・・」
パッカが会長の孫を助けた?
あの社長を、か?
いつ?どうやって?
疑問符しか浮かんでこない。
ここで会長を問い質す訳にもいかず、かと言って思案に耽るわけにもいかなかった。
「H&S社は、わたくしに恩を着せたいはず、よね?
ヨン本部長?」
「・・・そういう方法を取る会社もあるでしょう。
でも、我が社は違います。」
それに、パッカは関係ない。
とは言っても、僕の婚約者である以上、どうして無関係だと言えようか・・・
「彼女がチョン社長を助けたにしても、契約を取りたいからではありません。」
僕はきっぱりとそう言った。
経緯は分からないが、元より彼女にそんな裏があるはずがない。
「彼女はそうでも、あなたは契約が欲しいわよね?」
「もちろんです。
ずっと以前から我が社がそのように働きかけていることは、会長もご存知かと思いますが?」
「うふふ、あなたも正直な人ね。」
会長はなんだか楽しそうだ。
対する僕は、ちっとも楽しくなんてない。
「話を戻すわ。
韓服を着て来るなんて、何か魂胆があると思ったのよ。
おまけにウチの孫に近付くなんて・・・
間違いなく、何か企んでる筈よね?」
孫に近付くって・・・
企むって・・・
「それを確かめようと思って、韓服のことを率直に尋ねたの。
孫たちがお世話になったから、何かお礼がしたい、何か望みはあるかしら?とも言ってみたの。
あなたの婚約者は、なんて答えたと思う?」
会長は更に楽しげに言った。
「え?・・・お礼なんて要らない、と言ったんじゃありませんか?」
パッカならきっとそう言う。
「違うわ。」
思わぬ会長の言葉に、僕は軽い衝撃を受けたのだった。
チョン会長は、テヨン達に裏があると思っている様子。
パッカは会長に何と言ったのでしょう?
テヨンはどう攻める気でしょう?
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