「短編集」
Always beside of YU
いつ、いかなるときも
打ち合わせを終えて腕時計を確認する。
・・・うん。予定より少し早い。
かと言って、寄り道するほどの時間が余ってるわけでもないが・・・
考えている時間があれば、行ってしまった方がいいに決まってる。
僕は、既にパッカの店に向かって車を走らせていた。
***
パッカの店は閉まっていた。
ブラインドが下げられ、「closed」の札がまるで拒絶するように掛けられているのだ。
おかしいな。まだ、営業時間のはずなのに・・・
店内のライトは点いている。
ガラス戸をそっと押してみると、鍵はかかっていなかった。
押し開いたガラス戸のわすかな隙間から、店内に流れるBGMが耳に飛び込んでくる。
いつになく大きな音量で、少し驚かされた。
パッカは、僕に背を向ける格好でテーブル席に腰かけている。
BGMのせいで、僕が来たことにも気付いていないらしい。
営業時間中だっていうのにお店を閉めて
入口に背を向けてるのに、
そんなに大きな音で音楽を流して、僕が入って来たことにも気付けないでいるのに
鍵もかけないで・・・
危ないだろ?
どうしたんだよ?
え?
・・・怒ってる?
パッカは小さな声で、もう、何なのよ!とかなんとか、ぶつぶつと言っていた。
拳を握ってテーブルに打ち付けてみたり・・・
随分と怒っているらしい。
何かに怒っているらしいパッカには申し訳ないけれど、僕はくすっと笑ってしまった。
ぶつぶつ言うために、BGMの音量を大きくしてるの?
店、閉めてるのに?
でも、鍵、閉めてないんだもんな・・・
そーっと後ろからパッカに近付いた。
僕がその肩に手を置いたと同時に、彼女は「きゃっ!」と短く叫び声を上げて、椅子に腰かけたままの姿勢で15㎝は飛び上がったかもしれない。
両手で胸を押さえて振り返るパッカに向かって、僕は微笑んでみせた。
「テヨンさん!」
ホッとした表情で、びっくりしたわ、と呟く彼女の向かいに僕も腰掛けた。
「どうしたの?店、閉めて。
それに、僕が入って来たのも気付かなかっただろ?危ないよ。」
めっ、とパッカの額に拳を当てた。
パッカは咄嗟に目を瞑ったけれど、もちろん力なんて入れてはなくて、こつんと当てただけだ。
「テヨンさんこそ、仕事中でしょ?」
「外で打ち合わせがあったんだ。会社に帰る途中だよ。
喉が渇いて・・・」
「ごめん!リンゴジュース?」
ホントは、パッカの顔が見たかったから寄ったんだけどね。
立ち上がりかけたパッカの腕を捉えて、また椅子に座らせた。
「いいよ、会社で水を飲む。」
「何よ、ソレ!」
パッカは呆れたように息を吐いて僕を見た。
「で?何があった?」
「え?」
「ああ、BGM、止めて。話ができない。」
パッカは、はっとしたように、手にしていたリモコンで音量を下げた。
いつものように会話の邪魔にならない程度の音量で、BGMが心地よく耳に響き始めたところで、改めてパッカを見る。
「それで?何があったんだよ?」
「・・・別に、何も・・・」
「ふうん。随分、怒ってるように見えたけどね?」
パッカはきまり悪そうに僕から視線を逸らす。
「テヨンさん、会社に戻らなくていいの?」
「これから会議があるけど・・・」
わざと身体を横に向けて、斜め上から彼女に視線を落とす。
「いいよ。待たせておけば・・・」
「ダメよ!」
彼女は逸らしていた視線を僕に移した。
「で、何があったの?」
「・・・・」
どうやら、パッカは怒っていた原因を言いたくないらしい。
僕は、ふーっと溜息を一つ吐き出した。
パッカの真正面に身体を向けて、テーブルの上で手を組んだ。
「・・・そうか。それは酷い話だね。」
「え?」
「うん、君が怒るのも無理はないよ。僕だって腹が立つさ。そんな理不尽なこと、あっていいはずが無い!
もっと怒っていいくらいだよ。」
パッカは目を真ん丸にして驚いている。
「なんなら、報復する?何でも協力するよ?」
「あの、テヨンさん・・・報復とか、そんな・・・」
焦り出すパッカが可愛かった。
身を乗り出して、彼女の額にキスを一つ。
「お客さん大事の君が店を閉めるほどだ。よほどのことだろう?」
真顔になった僕に向かって、彼女は曖昧に笑って見せた。
「時間がないから、もう行くよ。」
僕が立ち上がると、パッカも立ち上がった。
そのまま、どちらからともなく口づけを交わす。
「今夜、じっくり聞くからね。」
パッカは困ったように微笑んで、それでもこくりと頷いた。
***
バックミラーに映ったのは、僕の車を見送った後、パッカが店を開ける姿だった。
パッカが間違わないとは言わない。
でも
パッカは嘘を吐かない。
人を思いやっても恨むことはしない。
自分の事より他の人の心配ばかりする。
誠実で、優しい。
僕は・・・
僕だけは
いつ、いかなるときも、君の味方だ。
例え、世界の総てが君に背を向けても
君の味方だ。
忘れないで。
お久しぶりです。
いつ、いかなるときも って・・・結婚の誓いか!ww
怒ってるのは私です。
味方でいると言いたいのも私。
テヨンとパッカのシチュエーションがどうなの?ってことは置いといて
今、想っていることをお話にしたらこうなりました。
いろいろ、いろいろあって、それでも私はユチョペンでいたくて、今に至ってますが・・・
なんか、誰かに聞いてほしいのに聞いてくれる人いない!って読者さんいらっしゃったら
私で良ければ、お話聞きます。
メールアドレス教えて下されば返信もします。抱え込まずに吐き出してくださいね。
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・・・うん。予定より少し早い。
かと言って、寄り道するほどの時間が余ってるわけでもないが・・・
考えている時間があれば、行ってしまった方がいいに決まってる。
僕は、既にパッカの店に向かって車を走らせていた。
***
パッカの店は閉まっていた。
ブラインドが下げられ、「closed」の札がまるで拒絶するように掛けられているのだ。
おかしいな。まだ、営業時間のはずなのに・・・
店内のライトは点いている。
ガラス戸をそっと押してみると、鍵はかかっていなかった。
押し開いたガラス戸のわすかな隙間から、店内に流れるBGMが耳に飛び込んでくる。
いつになく大きな音量で、少し驚かされた。
パッカは、僕に背を向ける格好でテーブル席に腰かけている。
BGMのせいで、僕が来たことにも気付いていないらしい。
営業時間中だっていうのにお店を閉めて
入口に背を向けてるのに、
そんなに大きな音で音楽を流して、僕が入って来たことにも気付けないでいるのに
鍵もかけないで・・・
危ないだろ?
どうしたんだよ?
え?
・・・怒ってる?
パッカは小さな声で、もう、何なのよ!とかなんとか、ぶつぶつと言っていた。
拳を握ってテーブルに打ち付けてみたり・・・
随分と怒っているらしい。
何かに怒っているらしいパッカには申し訳ないけれど、僕はくすっと笑ってしまった。
ぶつぶつ言うために、BGMの音量を大きくしてるの?
店、閉めてるのに?
でも、鍵、閉めてないんだもんな・・・
そーっと後ろからパッカに近付いた。
僕がその肩に手を置いたと同時に、彼女は「きゃっ!」と短く叫び声を上げて、椅子に腰かけたままの姿勢で15㎝は飛び上がったかもしれない。
両手で胸を押さえて振り返るパッカに向かって、僕は微笑んでみせた。
「テヨンさん!」
ホッとした表情で、びっくりしたわ、と呟く彼女の向かいに僕も腰掛けた。
「どうしたの?店、閉めて。
それに、僕が入って来たのも気付かなかっただろ?危ないよ。」
めっ、とパッカの額に拳を当てた。
パッカは咄嗟に目を瞑ったけれど、もちろん力なんて入れてはなくて、こつんと当てただけだ。
「テヨンさんこそ、仕事中でしょ?」
「外で打ち合わせがあったんだ。会社に帰る途中だよ。
喉が渇いて・・・」
「ごめん!リンゴジュース?」
ホントは、パッカの顔が見たかったから寄ったんだけどね。
立ち上がりかけたパッカの腕を捉えて、また椅子に座らせた。
「いいよ、会社で水を飲む。」
「何よ、ソレ!」
パッカは呆れたように息を吐いて僕を見た。
「で?何があった?」
「え?」
「ああ、BGM、止めて。話ができない。」
パッカは、はっとしたように、手にしていたリモコンで音量を下げた。
いつものように会話の邪魔にならない程度の音量で、BGMが心地よく耳に響き始めたところで、改めてパッカを見る。
「それで?何があったんだよ?」
「・・・別に、何も・・・」
「ふうん。随分、怒ってるように見えたけどね?」
パッカはきまり悪そうに僕から視線を逸らす。
「テヨンさん、会社に戻らなくていいの?」
「これから会議があるけど・・・」
わざと身体を横に向けて、斜め上から彼女に視線を落とす。
「いいよ。待たせておけば・・・」
「ダメよ!」
彼女は逸らしていた視線を僕に移した。
「で、何があったの?」
「・・・・」
どうやら、パッカは怒っていた原因を言いたくないらしい。
僕は、ふーっと溜息を一つ吐き出した。
パッカの真正面に身体を向けて、テーブルの上で手を組んだ。
「・・・そうか。それは酷い話だね。」
「え?」
「うん、君が怒るのも無理はないよ。僕だって腹が立つさ。そんな理不尽なこと、あっていいはずが無い!
もっと怒っていいくらいだよ。」
パッカは目を真ん丸にして驚いている。
「なんなら、報復する?何でも協力するよ?」
「あの、テヨンさん・・・報復とか、そんな・・・」
焦り出すパッカが可愛かった。
身を乗り出して、彼女の額にキスを一つ。
「お客さん大事の君が店を閉めるほどだ。よほどのことだろう?」
真顔になった僕に向かって、彼女は曖昧に笑って見せた。
「時間がないから、もう行くよ。」
僕が立ち上がると、パッカも立ち上がった。
そのまま、どちらからともなく口づけを交わす。
「今夜、じっくり聞くからね。」
パッカは困ったように微笑んで、それでもこくりと頷いた。
***
バックミラーに映ったのは、僕の車を見送った後、パッカが店を開ける姿だった。
パッカが間違わないとは言わない。
でも
パッカは嘘を吐かない。
人を思いやっても恨むことはしない。
自分の事より他の人の心配ばかりする。
誠実で、優しい。
僕は・・・
僕だけは
いつ、いかなるときも、君の味方だ。
例え、世界の総てが君に背を向けても
君の味方だ。
忘れないで。
お久しぶりです。
いつ、いかなるときも って・・・結婚の誓いか!ww
怒ってるのは私です。
味方でいると言いたいのも私。
テヨンとパッカのシチュエーションがどうなの?ってことは置いといて
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