「長編(完結)」
生まれ変わっても
生まれ変わっても 14
テヨンは目を覚ました。
ベッドの上でゆっくりと身を起こす。
チョハ。
夢の中で、確かにパク・ハはそうテヨンのことを呼んだ。
チョハ。王世子を呼ぶときの尊称だ。
王世子の衣を纏っていたイ・ガクと入れ替わったのは確かだが。
王世子姿のイ・ガクと間違った?
王世子?・・・次の王。
王、王族・・・李氏?・・・イ姓。
・・・イ・ガク。
テヨンは急いでベッドを出ると、ノートパソコンを立ち上げた。
インターネットに繋ぎ、検索サイトを開く。
李王朝 イ・ガク
キーボードを弾く手ももどかしく、検索をかける。
ディスプレイを食い入るように見つめ、検索結果を片っ端からクリックしていった。
テヨンの考えが真実であることを証明する記述が、そこには、あった。
そんな・・・。イ・ガクは実在した朝鮮時代の王?
テヨンは、持てる限りのイ・ガクの情報を、その脳内から引き出しにかかった。
史劇ドラマのような口調。
「イ・ガク」という王族ならではの、その名前。
何の痕跡も残さず、掻き消えるようにいなくなったという事実。
そして、セナとパク・ハの前世の話。
前世でも、セナとパク・ハは姉妹だった、とイ・ガクが言っていた。
そうセナの口から聞かされた時、なぜ彼にそんなことが分かるのだ、とテヨンは思った。
パッカたち姉妹の前世を知っていたのは、過去の人間だからなのか?
彼は、過去に還った、のか・・・?
二度と会えないとはそういうことなのか?
突然現れて、突然いなくなった、テヨンにそっくりな人間が、歴史上の王であったなどと誰が信じるだろう。
この現代に、朝鮮時代の人間がいたなどと・・・。
パッカは、過去から来た王世子と知った上で彼を愛したのか?
・・・誰にも言えず、独り哀しみに耐えていたのか?
転生を信じるか?
そうセナから訊かれた時、まさか自分をイ・ガクの生まれ変わりだと言い出すつもりか、とテヨンは思った。
セナとパク・ハが、この現代に生まれ変わっているということは、イ・ガクも同じように生まれ変わっているとしても不思議ではない。
テヨンにそっくりな王世子、イ・ガク。
まさか・・・この、僕が、イ・ガク?
イ・ガクは朝鮮時代からやって来て、朝鮮時代に還って行った。
朝鮮時代でその人生を終えた後、21世紀の現代、テヨンとして生まれ変わった。
俄かには信じ難いことではあったが、そう考えれば総ての辻褄が、合う。
テヨンは呆然とした。
色々なことが頭の中を巡るのだが、考えがまとまらない。
彼の頭の中にあることを、科学的に説明しようとするのは不可能だろう。
ただ、これまでのいきさつの総てが、その考えが真実だと物語っている。
信じ難かろうとも受け入れるしかなさそうだった。それに受け入れた方が楽になれそうでもある。
しかし、受け入れること自体は、楽な作業ではなさそうだ。
今までの自分の悩みがばからしく思えてくる。
イ・ガクに恩義を感じるが故に、なんとなく遠慮していたことも。
男として対抗意識を燃やしていたことも。
パク・ハを巡って嫉妬を感じていたことも。
全部、自分相手に悩み苦しんでいたとは・・・。
あまりのことに、ふふっ、と笑いが漏れる。もう、笑うしかないという心境だった。
「ふふ・・・ふははは。・・・あははは。」
ひとしきり笑った後は急に眠気が来た。
眠ってから、考えよう、そう思ってベッドに戻ることにした。
ベッドの上でゆっくりと身を起こす。
チョハ。
夢の中で、確かにパク・ハはそうテヨンのことを呼んだ。
チョハ。王世子を呼ぶときの尊称だ。
王世子の衣を纏っていたイ・ガクと入れ替わったのは確かだが。
王世子姿のイ・ガクと間違った?
王世子?・・・次の王。
王、王族・・・李氏?・・・イ姓。
・・・イ・ガク。
テヨンは急いでベッドを出ると、ノートパソコンを立ち上げた。
インターネットに繋ぎ、検索サイトを開く。
李王朝 イ・ガク
キーボードを弾く手ももどかしく、検索をかける。
ディスプレイを食い入るように見つめ、検索結果を片っ端からクリックしていった。
テヨンの考えが真実であることを証明する記述が、そこには、あった。
そんな・・・。イ・ガクは実在した朝鮮時代の王?
テヨンは、持てる限りのイ・ガクの情報を、その脳内から引き出しにかかった。
史劇ドラマのような口調。
「イ・ガク」という王族ならではの、その名前。
何の痕跡も残さず、掻き消えるようにいなくなったという事実。
そして、セナとパク・ハの前世の話。
前世でも、セナとパク・ハは姉妹だった、とイ・ガクが言っていた。
そうセナの口から聞かされた時、なぜ彼にそんなことが分かるのだ、とテヨンは思った。
パッカたち姉妹の前世を知っていたのは、過去の人間だからなのか?
彼は、過去に還った、のか・・・?
二度と会えないとはそういうことなのか?
突然現れて、突然いなくなった、テヨンにそっくりな人間が、歴史上の王であったなどと誰が信じるだろう。
この現代に、朝鮮時代の人間がいたなどと・・・。
パッカは、過去から来た王世子と知った上で彼を愛したのか?
・・・誰にも言えず、独り哀しみに耐えていたのか?
転生を信じるか?
そうセナから訊かれた時、まさか自分をイ・ガクの生まれ変わりだと言い出すつもりか、とテヨンは思った。
セナとパク・ハが、この現代に生まれ変わっているということは、イ・ガクも同じように生まれ変わっているとしても不思議ではない。
テヨンにそっくりな王世子、イ・ガク。
まさか・・・この、僕が、イ・ガク?
イ・ガクは朝鮮時代からやって来て、朝鮮時代に還って行った。
朝鮮時代でその人生を終えた後、21世紀の現代、テヨンとして生まれ変わった。
俄かには信じ難いことではあったが、そう考えれば総ての辻褄が、合う。
テヨンは呆然とした。
色々なことが頭の中を巡るのだが、考えがまとまらない。
彼の頭の中にあることを、科学的に説明しようとするのは不可能だろう。
ただ、これまでのいきさつの総てが、その考えが真実だと物語っている。
信じ難かろうとも受け入れるしかなさそうだった。それに受け入れた方が楽になれそうでもある。
しかし、受け入れること自体は、楽な作業ではなさそうだ。
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全部、自分相手に悩み苦しんでいたとは・・・。
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「ふふ・・・ふははは。・・・あははは。」
ひとしきり笑った後は急に眠気が来た。
眠ってから、考えよう、そう思ってベッドに戻ることにした。
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Re: 素敵な小説
こんばんは。
初めまして。
ご訪問いただきありがとうございます。
> 素敵な小説 とは面映ゆいですが、楽しんで頂けて嬉しいです。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
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- #15 ありちゃん
- URL
- 2014.10/27 00:19
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